「ママ同じ絵をさがしてみるね。」
⑥同様にすべてのカードが対になるまで続けます。
⑨すべてが対になったら「バスタブはどれ?バスブラシは?トイレブラシは?」などと尋ねていきます。
⑩名称があやふやだったものは、別に取り出して『3段階の名称練習』を行います。3段階の名称練習とは、「概念と言葉を結び合わせる活動」で、3段階に分けて行います。療育でも実践されている言語活動には欠かせない活動です。
第1段階は、命名です。
「これは、蛇口です。蛇口、蛇口、蛇口。(第1段階)」
この名称だけを与え、それ以外の言葉は発しません。繰り返すことによって、娘は惹きつけられて必ず一緒に発音します。ただ、「強制」は絶対にしてはいけないのがキーポイント。
第2段階は、識別です。
「蛇口はどれですか。(第2段階)」
第1段階を理解しているかどうか確認するため、その名称を質問の中に入れてみます。これは、娘が一番好きな段階(笑)。
「蛇口を裏返してみて。」
「蛇口を隠してみて。」
「蛇口を頭に乗せてみて。」
蛇口を連発しながら、色々とやってみてもらいます。この段階が一番長い時間をかけます。
娘が小さい頃、母はこの第2段階で大きな失敗を何度も繰り返していました。それは、娘が間違った時。今思うと、これは娘が間違えたのではなく、娘がまだこの練習に対して準備ができていなかったという母の判断ミスだったのですが、つい「教える」ことを強要してしまった当時。「誤りを訂正しない」ことがモンテッソーリ教育の原点にあることを頭で理解しながらも、ついつい教えることを繰り返してしまう自分の未熟さに嘆いた時間でした。
モンテッソーリ教育理論と実践「感覚教育」の著者である岩田陽子先生によると、子どもが間違った時は
「この練習を中止し、他日その演習をとりあげます。
ただ、成功するための唯一の道は、
再び第1段階に戻ることであり、
それから第2段階を何度も繰り返すことです。」
と述べていらっしゃいます。
現在小4の娘を見ていると、幼児期にこういった部分をいかに丁寧に向き合ったかということが、非常に大きな意味を持つと感じています。やはり習慣とは幼児期に作られるのだと、改めて感じています^^;
第3段階は発音です。
「これは、何ですか。(第3段階)」
ここまで正しく進めることができているなら、子どもは自信を持って答えてくれるはず。とにかくこの最後の質問に答えたくて答えたくて仕方がなかった3歳の頃のYuzy。こういった満足の積み重ねが、子どもの自己肯定感にも繋がっていくのかもしれないですね。
長くなってしまったので、名称カードを使用した「絵カード合わせ」については、次回ご紹介しようと思います。
文字もない今回のおしごと。
可愛い可愛い2歳児ちゃんでも可能です。
ぜひぜひ、お試しください♡
<参考文献>
禿美沙子著『モンテッソーリ教育(理論と実践)言語教育』、学研教育みらい、2012、32頁