料理教室を全国に

展開しているK社長は、

ある年に売り上げを二倍にすると

幹部に宣言しました。

店舗を拡大できない状況下にあり、

「難しい」

との声が上がりました。

しかし、

これまで導入は不可能とされていた

新たな料理講座を開設するなど、

スタッフの懸命の努力で

二倍以上の売り上げを達成したのです。

K社長は、

二倍の売り上げという無謀とも

思える設定をすることで、

スタッフが現状からの延長線で

物事を考える道筋を断ち切りました。

それがマンネリ化した思考を打破し、

新たな道筋を見いだすことにつながったのです。

どのような組織であっても、

これまでの経験や知識だけでは

乗り越えられない壁があるものです。

企業としての生き残りをかけた

新たな活路を得るためには、

日頃から現状に安住しない危機感や、

強い向上心が求められます。

順風に満足せず、

また危機に怯えることなく、

あらゆる環境を現状打破のチャンスと捉えて、

前向きに邁進していきましょう。
入社して約一年のF君。

仕事に慣れてきたこともあり、

「○○社のAさんって、

感じいいよね。

でも、

Bさんは雰囲気が暗くて苦手だな」と、

お客様の好き嫌いを

口にするようになりました。

ある日、

それまでのF君の言動が気になった先輩から、

「君の机上のゴミの散らかり具合を改善すれば、

気持ちは上向いていくよ」と

伝えられました。

キョトンとしているF君に、

先輩は続けて

「愚痴や不満はゴミと同じだよ。

ゴミは誰も欲しがらないだろ。

だから、

それを職場で撒き散らすことは、

お客様や同僚に迷惑をかけるのと同じなんだよ」

と言ったのです。

愚痴や不満は、

ふとした時に口に出てしまうこともあるでしょう。

そうならないためには、

お客様や他人に喜ばれる

働きを意識することが大切です。

その意識が自然に浮かぶようになった時、

愚痴や不満はなくなっていくのです。

F君は以後、

机上や床のゴミをサッと捨てるようになりました。

いつしか愚痴や不満は薄れていき、

穏やかな気持ちで

職務に取り組めるようになったのです。
ブラジルのサンパウロ郊外で

菌床椎茸の生産・販売を行なう山田充伸氏。

「時間を守る」

「受注は現金のみ」

という実践で、

氏は大成功を収めています。

十数年前より椎茸栽培に

取り組んできた山田氏ですが、

当初は収穫物の販売先開拓に苦労をしました。

しかし、

氏の真摯な取り組みが功を奏しました。

山田氏は数少ない得意先からの注文に対し、

どんなに遠くても約束した

時間までに必ず納品することと、

現金販売を徹底したのです。

納品先は高級レストランや

スーパーマーケットでしたが、

前日の注文でも指定した

時間に現物が届くために、

信用され、

現金での支払いに応じてくれました。

次第に得意先が得意先を

紹介してくれるようになり、

営業に回らなくても注文が増えるようになりました。

一方で、

大量の注文があっても、

現金取引をしない相手には

納品しないことを頑なに守り通しました。

現在では、

生産は数倍以上に伸び、

注文が多すぎて供給が間に合わない毎日です。

これはと決めた取り組みを徹底することにより、

絶大な信用を得るのです。

ヒマラヤ山脈をはじめとする、

世界の最高峰に登頂してきた

登山家の栗城史多氏は、

「自然との対話」を大切にしています。

登山は常に危険と背中合わせの状況です。

氏は厳しい環境に身を置き、

自然の中で生かされている

自分を感じたといいます。

ある時、

山頂が近づく中で体が思うように

動かなくなった際、

苦しみに対抗しようとしても

力が発揮できませんでした。

ところが苦しみを受け入れて、

「ありがとう」を口に出すと、

力が湧いてきたと振り返ります。

 困難な状況の中にあって、

自然との対話の中で感謝の言葉を

発したことにより、

底知れぬ気力が甦ったというのです。

私たち職場人も、

周囲に対して感謝の言葉を使うことによって、

コミュニケーションを深め、

円滑な人間関係を築くことができます。

感謝する場面に遭遇した際はもちろん、

困難な状況に置かれた際も、

すべてを受け入れて

「ありがとう」と口に出し、

自身の気力を高めていきましょう。

『憂鬱でなければ、

仕事じゃない』という本が、

昨年話題となりました。

実業家の藤田晋氏が、

業務提携する書籍編集者の見城徹氏と

役員会をしていた時の、

見城氏の発言がタイトルになっています。

労せず仕事が進み、

成果が出ることは、

誰しもが望むことでしょう。

現実には業務を進める

途上で問題はつきものです。

それにどう取り組むかが大事です。

 困難から逃げてばかりでは、

良い結果が生まれるはずはありません。

場合によっては周囲のスタッフに、

余分な負担をかけてしまうことさえあります。

憂鬱に思うのは、

それだけ改善すべき課題が多いということであり、

簡単にできないからこそ仕事として

存在しているのです。

さらに課題が多い仕事であれば、

実りも大きいといえるでしょう。

難しい仕事ほど、

やり遂げた際の喜びもひとしおです。

大きな困難を克服することは、

自己を飛躍的に成長させてくれるものです。

難しさや厳しさを、

ステップアップのためのハードルと受け止め、

明るく業務に取り組んでいきましょう。