原理原則を学ぶこと の続きです。
■ セラピストやトレーナーは皆 「解剖を学んだ方がいい」 と思っている
でも、私はそんなことは思いません。
「学んだ方がいい」 のではなく、
「学ばなければいけない」 のです。
なぜか。
ものすごく簡単に言うと、
余計なことをしないため です。
必要なことと必要でないこと、もっと言えば、
してはいけないことを見極めるためです。
目の前に脚長差のあるお客様がいるとします。
大抵のセラピストは、それも
腕に自信のあるセラピストであればあるほど、
その脚長差をその場で修正して見せて、参ったかとドヤ顔をします。
だけどもしその脚長差を修正したせいで、
どこか別の箇所に大きなアンバランスが生まれたら、、
今までその脚長差があるおかげで
体全体のバランスを保っていたとしたら、、
してはいけない施術をしたことになります。
これは、脚長差というひとつの現象しか見ずに施術をした結果です。
体全体のバランスや、その方の動きのクセなどを見て、
総合的な判断をしなかったから起こった間違いです。
そんなのは他にいくらでもあります。
椎間板ヘルニアの人にとらせてはいけない体位とか、
高血圧の人にしてはいけない施術とか、
もう挙げたらキリがありません。
これらのケースをひとつずつ全部覚えるなんて、
神でもない限りできるわけがありません。
でも、解剖を学んで体の構造・機能を理解していれば、
ひとつひとつの現象については、
今の時代その場でスマホで検索でもすればわかりますから、
対処法や忌避禁忌事項も見当がつくわけです。
だから、ひとさまの体に触れるなら、
必ず解剖を学ばなければいけないのです。
■ 解剖実習に行く理由
これは明白です。
本物で学ばないと意味がないから、ですよね。
私に解剖の楽しさを教えてくださった師匠がいつも言うのですが、、
サッカーのコーチでサッカーをしたことがない人はいません。
ピアノの先生でピアノに触ったことがない人もいません。
でもなぜか解剖は、
本でしか勉強したことのない先生がたくさんいます。
解剖実習なんて行ったことがないだけでなく、
今後も行く予定がなく、そんなこと思いつきもしない。
その必要があるなんて考えたこともない。
そんな人が、わかったような顔をして解剖の講師をしています。
本物の筋肉や骨、神経や内臓、
本物の脳に、触れたこともなければ見たこともない。
そんな人が、いったい人体のなにを語るのでしょうか?
不思議ですよね。
体について偉そうに語るセラピストやトレーナーにも
同じことが言えます。
だから私はリアルにこだわります。
本物の人体で、そしてできればホルマリン固定でなく、
より生体に近い冷凍献体で、リアルを学び続けます。
それが私の一生の仕事だから。
■ 結局は好きだから
なんだかんだ言ってきましたが、結局は好きなんです。人体が。
正直今まで一度もそんなこと思ったことはありません。
人体のすべてが知りたいし、わかると楽しい。
それに尽きます。