桜雨 (集英社文庫)/坂東 眞砂子
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東京の小出版社に勤める額田彩子は、幻想絵画集の
出版準備をすすめる中、一枚の絵に出会った。
闇の中を渦巻いて立ちのぼる朱色の炎、
火の粉と共に乱舞する桜の花びら、描かれたふたりの女―。
絵に魅せられ、その謎を追う彩子の前に、
当時を知るひとりの老女が現れる。
戦前の芸術村・池袋モンパルナスで生きた
放縦な画家・西游と、彼を愛した早夜と美紗江の凄絶な日々。
島清恋愛文学賞受賞作。
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初めての作家さんです。
文学賞を受賞しているから嫌な予感があった。
しかも恋愛文学・・・なんのこっちゃ(-。-;)
なんとも読みにくい・・・
書き方に慣れてなかったのもあるけれど
とにかく最初の方は情景描写がくどくてイライラ!
著者の想像した通りの情景を描写しなさいって
押し付けられてるみたいでもの凄く苦痛。
キャラ萌え人間に、老女の描写を妄想させるのは
拷問ですってば・・・
ようやく背の高い鬼頭という男が出てきたと思ったら
太鼓腹・・・il||li _| ̄|○ il||li
書き方を理解して物語が動き出したのは100Pくらいから・・・
(ノ_-;)ハア…
登場人物が出版社勤務の30歳前の額田彩子と、
かつて同じ美術学校に通っていた美紗江と早夜(私)。
しかも現在と戦時中の話が交互に描かれ
更に語り手まで変わるから、混乱する。
我慢できたのは、1枚の絵がどういう経緯で
描かれたものなのかを知りたかったから。
真実がわかるのは最後だから、結局読まされましたけど
とにかく苦痛だった。
何故なら、主人公の女が大嫌いだからなのよ。
古ぼけたアパートで同居する年老いた早夜と美妙江。
額田彩子は同棲していた男と別れ、新しい家具の
ローンを抱えたまま古いアパートに引っ越してきた。
かつて早夜(私)は、美術学校に入るべく上京したが
中退して、目標がないまま目先の快楽だけで生きていた。
一方、金持ちの美紗江は既に才能を発揮し注目されていた。
額田彩子が1枚の絵を見つけ、作者を探し始めるが
それが西游という画家のものではないかと教えられ
その足跡を探し始める。
ここで二つの世界は交差する。
早夜は、画家の卵達があつまる店でバイトを始める。
そこで西遊と知り合い同棲する。
西遊の浮気癖に腹は立てるが直るはずもなく諦めていたが
西遊に弟子入りしたと美紗江がやってくる。
そしてドロドロの三角関係に突入。
嫉妬と憎悪の感情をぶつける早夜。
泣いてばかりのいても、絶対に別れない美紗江。
もう恐ろしいほどのドロドロの三角関係。
そして、現在では額田彩子の別れた男から電話が来て
アパートまで訪ねて来てしまう。
自分の事しか考えない身勝手なところは変わっていない
なのに抱かれてしまう。
そして1枚の絵の作者の足跡を追っていた額田彩子は
彼女達の元に辿り着く。
そこには驚愕の事実が隠されていた・・・
そうきたか・・・予想だにしなかった・・・(-。-;)
あぁ~辛かった。
三角関係のドロドロっぷりが凄まじすぎて
ほとんどが意地で張り付いてるだけなのに
わかっているのに、今までの時間が無駄になると思い
更に離れられなくなる。悪循環である。
本当に大嫌いである。
でも、最後まで読ませてしまうのは
やはりスゴイんだよね・・・
そこで理解した。
mokkoのキャラは文学のネタにはならない。
ラノベで十分です(○ ̄m ̄)
「都市は冥界なり」とぶつぶつ呟く浮浪者・・・
なるほどね・・・
『狗神』と『死国』の原作者だったのね・・・(-。-;)
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