夜叉桜/あさのあつこ | mokkoの現実逃避ブログ

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夜叉桜 (光文社時代小説文庫)/あさの あつこ
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生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも
不自由なのかと、思うことがございます。


江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。誰が、何のために?
切れ者ゆえに世にいらだつ同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた
簪(かんざし)が、元暗殺者の小間物問屋主人・清之介の店
『遠野屋』で売られていたことを知る。
因縁ある二人が交差したとき、市井の人々がおのおの隠し抱えていた
過去が徐々に明かされていく。
生き抜く哀しさを、人は歓びに変えることが出来るのか?
(出版社/著者からの内容紹介)
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「弥勒の月」の続編


江戸の町で喉を切られ女郎が次々と殺されていく。
同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪が、小間物問屋
「遠野屋」の主人・清之介の店で売られていたことを知る。


先代から受け継いだ店を守り商人として生きよう決めた清之介に
あくまでも絡む信次郎の言葉は、傷ついた心に更に刃を突き立てる。
全てを見透かしているような信次郎をその都度やりすごしながらも
同心としての腕をかっている清之介。


店の用事で得意先に手代の信三を伴って顔を出した帰り道
清之介のゆく手を塞ぐ複数の殺気。
信三を逃がし殺気と向き合う清之介は、その太刀筋に覚えがあった。
清之介を待っていたのは、かつて清之介を闇の世界から
光の世界へと押し出してくれた男であり、その男はまた
清之介を闇の世界に引き込もうとしていた。


信三が助けを求めた信次郎と伊佐治の下に
またも首を切られた死体発見の知らせが届く。
清之介は無事に帰ってこられるのか?大川に浮かぶのか?
そして連続殺人の犯人とは?



前作の終わり方からは、清之介のその後がわからなかった。
わたしにとって、おりんは、弥勒でございました。
そういう女でございましたよ。
清之介の妻おりんを死に追いやった原因は、全て自分の闇にあった。
先代の命も、更に殺された二人の死の原因も同じであった。
狂おしいほどの怒りで、闇へと踏み出そうとした清之介を
寸でのところで止めたのは信次郎であり伊佐治であった。


激しいダメージを受けた清之介。
そして信次郎と伊佐治もまた、信頼していた男の闇を見た。
弥勒にも夜叉にも、鬼にも仏にもなれるのが人なのだ。
身の内に弥勒を育み、夜叉を飼う。鬼を潜ませ、仏を住まわせる。

そう心で呟く伊佐治もまた、闇を見た男であった。


前作「弥勒の月」で傷つき苦悩し葛藤し続けた清之介。
今作では、それを克服し、主として慕われ、店を繁盛させ
(。・▽・。) ホッとしたんだけれど
信次郎曰く、どうしても清之介は死を呼び寄せてしまうらしい。
それでも前向きに生きると心に決めたので、安心してるけど・・・


それにしても、この2作。
心が乱れます。微笑ましくも眩しくもあり
激しい憎しみと葛藤と恐れと緊張と虚脱感と・・・
途中で本を置く事が出来ないんですよね。


情景描写と心理描写が素晴らしく、目線が移動するので
バリバリに感情移入したり、思いっきり反発してみたり
目線が変わることで焦らされたり(^◇^;)
やっぱり心が忙しかったですが、ドップリと嵌まれました。


前作「弥勒の月」を読んでから本作を読むことを
激しくお勧めします。

単発で読んでもいいように、心配りはありますけど
心にのしかかって来る重さが全然違うと思います。


何となく伏線めいた描写があったので
もしやと思って調べたら、続編が出てましたね。
「木練柿(こねりがき)」
文庫落ちするのを楽しみに待ちましょう♪


そういえば、この2作のカバーイラスト

簪が描かれているんだけど

これも、本文の小物として機能してます。

弥勒の月の方は痛すぎるけど・・・



弥勒の月 (光文社時代小説文庫)/あさの あつこ
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木練柿(こねりがき)/あさの あつこ
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時期外れではありますが、勝手に「桜特集」に入ります。
ミステリー処 【love knot】の翠香さん に触発されて

mokkoなりの桜特集を組んでみることにしました。


「桜宵」 香菜里屋シリーズ 第二弾

「桜闇」 建築探偵桜井京介の事件簿シリーズ短編集


この2作をプロローグとエピローグと位置づけて
後はタイトルでの言葉遊びで、この2作を含めて全10作。
出来れば桜の文字を含め2文字が望ましい。
出来れば桜以外の言葉は3文字以内が望ましい。
あとはイメージとゴロと雰囲気で・・・


本当は、「夜叉桜」は後に持ってくる予定だったんだけど
「弥勒の月」が面白すぎました(^◇^;)
INDEXの方で順番を変えるので良しとします。
mokkoのお遊びですのであしからず・・・


桜の時期までには読み終わるのかなぁ~(-。-;)