弥勒の月/あさのあつこ | mokkoの現実逃避ブログ

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弥勒の月 (光文社時代小説文庫)/あさの あつこ
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「おれは、退屈してたんだ」
 吹きつける風に乗って、信次郎の呟きが聞こえた。
 風の向きが逆なら聞き取れなかったかもしれない。
「親父のように生きて、死んでいくのかと思うと
 退屈で堪らなかったんだよ」(本文より)


小間物問屋「遠野屋」の新妻の溺死体が見つかった。
平凡な世にいらつく、若き異能の同心(おおざっぱに言うと、警察官)
信次郎は、妻の遺体を前にしても冷静な遠野屋の主人に違和感を覚える。
──面白えじゃねえか。
信次郎は食らいつくことを決意する。
彼の常軌を逸した捜査線上に浮かび上がる真実とは?

同世代感覚の時代小説!
(出版社/著者からの内容紹介)

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本当は別の本を読もうと思ってレビューを読んだら
本作の続編だったのよ。
で、続編のレビューには、最初から読んだ方がいいと
書かれていたので素直に従って読んでみた。


初めての作家さんです。そして初めての時代小説。
まさか時代小説を読むことになるとは・・・
一言で感想を言うのなら、信次郎のセリフをそのまま借りて
──面白えじゃねえか。( ̄▼ ̄)


やはり最初は戸惑いましたよ。
普段目にしない漢字とか言葉とか出てくるわけで
名前なんかもコテコテの名前が出てくるわけで
セリフから何からもう違和感バリバリ(^◇^;)
けれど、すぐに引き込まれて一気読みしてしまいました。


履物問屋の主人は、女遊びの帰りに
橋から身投げする若い女性を目撃してしまう。
慌てて橋の中ほどまで行くと、赤い鼻緒の下駄が置いてあった。
死体は翌早朝、近くの橋の杭に引っかかっていた。
女の身元は小間物問屋・遠野屋の若おかみ、おりんだった。


事件を扱うのは、同心木暮信次郎と岡っ引き伊佐治。
ほどなく駆けつけた遠野屋の主・清之介は
妻の死体を前にしながらも動揺を見せず、調べ直しを願い出た。
信次郎が身構えるほどの鋭い眼光は商人のものではない。
伊佐治に清之介の身辺を洗うように命じる信次郎。


しかし、今度は身投げの目撃者である履物問屋が殺された。
残された傷は肩から脇腹まで、ただ一太刀だけだった。
身投げと履物問屋殺害に関連はあるのか?
そこから炙り出された真実とは?清之介の過去とは?



屈折し情に薄い信次郎は恐ろしく頭がキレル。
伊佐治は律儀で堅物だが情に厚く、長年の経験から頭も回る。
信次郎の態度に戸惑いながらも決して離れようとしない伊佐治。
この正反対なコンビが時に熱く、時にじれったい。
更に清之介の隙のない所作と隠しても滲み出てしまう闇。
そして絶妙のタイミングで回想する清之介の過去が
あまりにも痛くて悲しい。


待っていたのは予想だにしなかった結末。
この作品には心の闇が溢れている。
だからこそ光に焦がれる。
あぁ~続きが読みたい。
もう読んでるけど(^◇^;)


まさか時代小説がこんなに面白いとは!
初めて読むくせに、情景描写や人物描写がうまいから
読み始めてすぐに頭の中で登場人物たちが動き回りました。


何がいいって清之介♪
敬語萌えが後押ししていたらしいけど
やはり目力のある人物には萌えますね。
冬狐堂も那智先生も、恭さんも、そして清之介も(〃▽〃)ポッ♪
夜目が利くのも目力でしょうか・・・?(^◇^;)


何故か清之介は、mokkoの頭の中では
アニメの京極堂になっていたりします。
何故???


ってことで、続きが読みたいから(^-^)/~~~


パソコンが落ちるのよぉ~(/□≦、)