齋藤秀雄です。再び京都へ戻ってきました。 -5ページ目
何が驚くって、このぶっ飛んでるお芝居が10年前の再演だということです。
ずっと観たかった「柳川」。
ようやく観れました。
で、むっちゃくちゃ面白かった!!
端的に表現すれば一種の不条理コメディ。
ある村の80歳の同級生。その一人が死にお通夜に集まった同級生たちの話なのだが、大体の設定がかなり飛んでいて、具象的なお芝居のくせに、あるタイミングで同じ役をやる役者が追加されたりする。
設定が表に出たり引っ込んだり、役者の地が出たり引っ込んだり、照明や音効さんに指示したり、ところがそのすべてが計算されている。
アドリブのように見せているが全部アドリブでない、計算された「はぐらかし」が実に絶妙!!!
あげくの果てに、「わかる人だけわかればよい」ネタを突っ込んでくる。
でも、それは「わからない人がわからない」ネタにはなっていなくて、「わからくても」笑えるようになっているからすごい!
ま、「ナイスビーム」にはやられましたけどね。
これ、客演で出ている合田君佐々木君の努力クラブの「無目的ビーム」のネタ。
しかもこの「無目的ビーム」は70名しか観ていない作品らしく、共感できるわけがないあたりが、なんとも秀逸。
すいませんね。一人で笑ってましたよ。
そういう展開の中に、一種の人間の「哀しさ」をしっかり描いているあたりもまたとても良い。
もはや死んでいる人たちが死んでることをわからず、繰り広げられる喜劇は、観終わった後に、ぐっと身につまされる感覚が残る。
僕らサラリーマンって、そういう存在だと思うからかもしれない。
何度かこのブログに書かせて頂きましたが、私ども齋藤家のお墓は実家のある鯖江ではなく、福井市殿下地区(旧丹生郡殿下村)の畠中というところにあります。
実家のある鯖江市からは車で50分ほど。
福井駅からも車で45分ほどのところにあります。
今は蔵と墓だけが残り、宅地はありますが、家はもうありません。
我が家も殿下に住まなくなって、もう60年くらいになるのではないでしょうか。
それでもまだ鯖江に実家があるうちはこれますが、正直、私の子供の代になったら、墓参りなどこれるのでしょうか。
そうなったら、この先祖代々の土地はどうすればよいのだろうかと、最近考えるようになりました。
上の娘は「墓はこのままにしておこうよ。だって、齋藤家のルーツが福井県になるという証拠になるんだから」と言ってくれます。
うれしいことです。
ただ、子供たちの足かせにならないようにしないとと思います。
先週末、土曜日から二泊三日で車で千葉へ行ってきました。
8月2日の朝7時前に京都を出て、午後4時前に千葉の岩井(内房です)の家内の実家へ行き、夜は日本橋人形町のホテルへ。
翌3日は8時前にはディスニーランドへ行き、夜10時まで実に14時間すごし、最終日4日は朝、東京スカイツリーに上り、お昼前に東京を出て、夜9時過ぎに京都に着きました。
結構な強行軍でしたが、ディズニーランドでの子供たちの喜びようを見ていると、連れて行って良かったとしみじみ思いました。
ディズニーランドからの帰り道、かなり遅い時間だったのですが、上の娘がどうしても南行徳に寄って欲しいというのです。
下の娘は眠たがっていて、私も家内もかなり疲れていたのですが、普段あまりわがままを言わない上の娘が、「どうしても」と言うので、南行徳へ。
僅かな時間でしたが、3年ぶりの南行徳を車の中から眺めていました。
私の故郷は、福井の鯖江、家内の故郷は千葉の岩井、でも、上の娘にとって南行徳は3歳から小学校卒業まで過ごした南行徳が故郷なんですね。
中1で京都に越してきて2年4か月。
小1の下の娘にとってはすでに京都が故郷になっているようですが、そこは違ったようです。
今後は千葉に帰る時は南行徳も旅程に入れなければと思った3日間でした。
この作品は2002年に発覚した久留米看護師連続保険金殺人事件を題材にしております。
しかも主役の4人の看護師の名前はほぼ実名。
当時、この事件、後に「黒い看護婦」というタイトルでドキュメンタリーも出されるほど、当時は衝撃的な事件でした。
大竹野さんが初演したのはその本が発刊されるより前の2003年。
その内容は、彼女たちの極悪性を暴くというよりは、彼女たちの心の闇を優しく照らしだすといった内容でした。
もちろん、私は初演は観たことありません。
今回、ツツミ役の大熊ねこさん以外、ヨシダ役の林加奈子さん、イケガミ役の後藤小寿枝さん、イシイ役の小栗一紅さんは初演と同じだそうです。
残忍な話ではあるが、コミカルなシーンを混ぜて展開するのはとても秀逸でした。
「喜劇と悲劇のボーダーライン」という言葉を大竹野さんは2003年時のパンフに書かれていましたが、まさにそのとおりなのでしょう。
犯罪に走る理由、金、そして、友情、小さな社会に縛られる人、男・・・・
哀しい理由と哀しい関係、そして、その哀しさに気付きながら走り続けるしかない彼女たちを描く作品は全く飽くことなく観ることができました。
役者陣さすが素晴らしかったです。
遊劇体さんもそうですが、とにかく芝居がしっかりしていて、しかも説明しすぎない演技、4面とも客席という舞台構成を巧みに利用した演出もさすがで、ラスト、ナースキャプを焼くシーンがとても印象的でした。
(今の看護師さんはナースキャップ被っていませんが、なにせ事件は90年代なので)
5年前に不慮の事故で無くなられた大竹野正典さん。
くじら企画の公演も今回の公演で一区切りだそうです。
残念ですね~。
また、違った形でも上演してもらいたいなと思います。
さて、今回、観劇以上にうれしいことがありました。
大学の同級生であり、同世代でまだ芝居を続けていた石川真士君に会うことができました。
残念ながら日替わりでしたので彼の芝居を観ることはできませんでしたが、大熊ねこさんのお計らいで、再開することができました。
石川君は犬の事務所時代から大竹野さんの作品に出ている役者さんで、立命館大学時代は桜企画という演劇ユニットを昇竜之助君と組んで活動していまして、私は石川君のファンでした。
(ちなみにその前は学生劇場に所属していて立花君の名作『河原町のジュリー殺人事件』にも出演しておりました)
石川君も私の芝居をかなり観に来てくれまして、たまに芝居の話などツラツラとしておりました。
ま、彼がどういうわけか私がやっていた芝居のことをよく覚えてくれていまして、顔からおもいっきり火が出そうでしたが・・・
私が芝居をやめてもう27年になりますが、彼らとの再会はほんといろいろと刺激になります・・・・ま、身勝手な話ですね。申し訳ないです・・・・
さて、写真は当日買いました大竹野さんの劇集成です。
いやはや面白い!
別冊の座談会には前述の石川君も登場してますし。
やっぱり2週間経ってしましった・・・
でも、思い返しても、なかなか面白かったと思うのです。
園子温監督の「夢の中へ」を舞台化・・・正直「チャレンジャーやのう」と思いました。
ま、元々劇団とかが舞台になっている話なので演劇化しやすいということもあったとは思います。
正直、良くやっていたと思います。
先に観た先輩の感想を見た限り、ステージ重ねることによくなっていたのだと思います。
特にテンポや動きの部分はこなれた分、良くなっていたのではないでしょうか。
演出も演技も効果も良く考えられていたと思います。
ま、もちろん、まだまだのところはたくさんありましたが・・・・
今回の演出は岡本君ですね。
他の劇団に客演などたくさんしていますから、よく勉強していたと思います。
特に、あえて誰とは書きませんが、前回の公演に比べて弱点の克服の跡がみえる役者もいて、なかなかほほえましい限りです。
座長の山下さんも、元気いっぱいの演技一辺倒ではなく、多少抑えた演技ができてきているので良いのかなと思います。
(えらそうにすいません)
1回生もたくさん入ったみたいです。
ただ、まだまだ結構ぎこちなかったですね。
特にダンスとか・・・・
公演後、当たり前のことなんですが、脱力の重要性をお話ししましたが、どうしても本番になると脱力できなくなってしなうことが往々にしてあるので、そこは場数でこなしてゆくしかないのかなと思います。
さらに基本的なことですが「視線」と「間」はもっともっと勉強ししないといけないなと思います。
「目が死んでる」ところが散見されましたから、課題はたくさんあります。
今回は原作の面白さにひっぱってもらっている部分は多分にあったと思います。
次はこのメンバーでオリジナルをどう表現するかが課題ですね。
さて、主役の森脇君、出ずっぱりで大変でしたが、よくやってました。
それでいて本人は自分の演技にまだまだ納得していないようですから、さらに今後に期待です。
脱力の件で質問受けたのですが、ちゃんとお応えできませんでした。
先輩として力不足で申し訳ないので、次回までに勉強しておきます・・・すいません。
写真は公演が終わった後の後輩諸君です。
天願さんの白塗りが笑えます・・・

