とにかく、めちゃくちゃ笑いました。
大好きな努力クラブのシュールなコント公演。

絶妙なズレ感の中で繰り広げられるシュールな笑いは最高でした。
一見ベタな笑いにはしっかり諧謔性の隠し味(隠れてないけど)があり、くすくす笑いからゲラゲラ笑いまでバリエーションがありました。
また、その中に、合田君独特のものの見方が見え隠れしてきます。
つまりは、「形で思い込んでいるが、思い込まされていることだってあるんじゃないかっ」てことが詰まっていました。

まさに「おモチ味のうどん」・・・

特によかったのは「拝啓道の上○○」。
こちらはキタノさん、九鬼さん、長坂さんという女優3人のコントですが、絶妙でした。
特に一見アドリブに見えるセリフのとちりは、計算されたもので、巧妙でした。

後は「日常」というコント。
これは実にあっけない終わり方なのですが、あっけない分奥が深く、かつ、役者のうまさが引き立ちました。

いやはや、ほんと、後25歳若ければ一緒にやりたいと思います。

さて、写真を撮り忘れましたので、
私はヒガシマルのうどんスープの写真をアップしておきます。
あ~面白かった。

そうそう、佐々木君と小山君の映像も面白かったですね~



ヒガシマルうどんスープ
本番は平日なんで行けなかったんです。
しかも、今ちょっと仕事バタバタでして。
でも、後輩から連絡が来まして、ゲネプロ観れました。

いやはや、うれしいやらなんやら。
で、余計なおせっかいでしたけど、いろいろとダメだししてきました。

本番はどうだったんでしょうか。
お客さんが入りきれなかったステージもあったと言いますので、ちょっと想定外に人が来た回もあったみたいです。

学生演劇祭でまたまた賞を取っているので、そういう回もありますでしょうね。
そういう意味では、今後の課題かと思います。
今回はちょっと仕方ないけどね。

拝見したのがゲネプロなのでお芝居の感想は書きません。

1回生の演技レベルは正直まだまだです。
でもその1回生をしっかり前面に出したお芝居があったことは評価できます。

4人もホンを書く人が出来てきたことも楽しみですね。

ただ、全体的に小さくまとまってうまくやろうとしていたのは少しだけ残念。(あくまで少しだけ)
もっともっと、トライしてほしいし、弾けて欲しい。

パワー・スピード・オリジナルは「内的爆発」、「身体的速度」、「独創性」と言葉を変えていますが、西一風にとって、独創性が真骨頂だと思います。

「なんだこれ??」っていうのがもっとあっても良いと思いますし、めちゃくちゃでも良い。
きっちり演技できないなら、ぐっちゃぐちゃで良いから終わった後立てないくらい頑張って欲しい。

僕ら、(私が学生時代の話ね)下手糞だったから、勢いとスピードで見せるしかなかった。
でもオリジナルにはこだわった。
だから、ステージから転げ落ちたし、コンクリートの上でも転げまわったし、頭も打った。
生きたドジョウも飲んだし、素手で瓦も割ったし、口でひも消した。
僕らのようにやってほしいと思わないけど、もっともっと若者の閉塞された叫びを聴きたいと思う。

ま、贅沢な話なのかもしれません。

役者陣はもっともっと自分を磨いて欲しいと思います。
そのためにもいろいろお芝居観て欲しいな。

3回生のみんな、お疲れ様でした。
でも、ほんとはまだまだできるよね。
そして、1.2回生諸君、がんばれー!!!

来年、西一風は創立31年目だよ。
みんなありがとう~!!!!!!


四面体妄想症

どういうわけだか10月25日はいつもバタバタしていて・・・・
と言いますか、10月の後半はここのところずっと忙しくて、母の命日がいつの間にか過ぎています。

そういえば7回忌の時は某ミュージシャンの仕事で7回忌の翌朝早く鯖江から東京にとんぼ返りしたっけ・・・

97年に母が他界したので、もうこれで17年。

私の子供たちにとって祖母である母の存在は生まれた時からおらず、知らない存在。
次第次第に家族の中で存在が薄れてゆくのは仕方がないこと。

母と私は、私が一人っ子であったこともあり、友達みたいな親子でした。
母にはいろいろと打ち明け、話し合いました。

でも、母は私が大学卒業後、福井に戻ってくると信じていたのでしょう。
京都に残ると話した時は相当寂しそうでした。
(結果、すぐ東京に転勤するのですが・・・)

それもあってか、卒業後も芝居を続けたいと切り出した時、(もちろん、学生演劇をしていたこと自体内緒にしていたのですが・・)、おそらく生涯はじめて母に反対されました。しかも、相当・・・

私にはそれを跳ね返せる信念がありませんでした。
ま、元々芝居を始めた動機が「ただ、目立ちたい」だけでしたから・・・

他界する半月ほど前でしたでしょうか。
「本当はお芝居続けたかったんでしょ。ごめんなさいね」と話す母に、「結局、自分で選んだ人生だから納得してるよ」と答えると、ほっとした笑顔をくれました。

ちょっとした思い出です。
母の写真

さて、VOGAの「Vector」。
観てきたと言いますか、当日のお手伝いをしてきました。

石清水八幡宮の荘厳な雰囲気の中での「Vector」は、「場」そのものを味方につけつつ、圧倒的な情報量を視覚と聴覚を中心にした五感すべてをフル活用して観るお芝居は、相変わらず凄いものでした。

前半の音楽劇パート、さすがに役者の皆さん、動きがキレキレでしたね。
その中でもやっぱりうめいさんの動きはとても素晴らしかったです。
当日スタッフでしたので最後列からでしたが、「風音」のシーンはうめいさんばっかり観ていました。
(そのほかの皆さんすいません・・・)

朱鷺のシーンもとても良かったですね~。
フライヤーのタムラグリアさんの絵さながらの4人の朱鷺が現れた時は、「ぞわわ~」と鳥肌が立ちました。

ストーリーは二組の男女のお話。
コンセプトはとてもシンプル。
それゆえ、お話がしみ込んできます。
若者と朱鷺、仏師と妻のそれぞれの愛は悲劇に終わるかに見えましたが、最後に救いがありました。
その救いは、おそらくは近藤さんの優しさなのでしょう。
そして、男女二組を演じたカゲロウさんと谷さん、綾子さんと東さんのストレートな表現がぴったりシンクロしていたからでしょう。

正直ちょっと恥ずかしいくらい泣いていました。
近藤さん曰く、ある一定の年齢以上の人の琴線に触れたようです。
おそらくはいろいろと人生経験をしているからこそ、最後の「救い」に泣けたのだと思います。

こんなに素晴らしいお芝居なのですが、初めて観た人の中には「ついていけなかった」という感想があったのも事実でした。
悲しいかな、これがVOGAの凄さがある意味「両刃の刃」であるせいなのでしょう。
つまりは、情報量が多すぎて、観る側が消化不良を起こしてしまうのだと私は思います。でも、その情報量の多さこそがVOGAの真骨頂でもあります。

近藤さんに「音楽劇をもう少し後半にしたら」と言ってみたのですが、どうもそうもいかないようです。
それもそれで良くわかります。
バランスが崩れてしまうのでしょう。

でも、このVOGAの凄さをもっと知ってもらいたいと思うのです。
だからこそ、たくさんの初めて観る人に凄さが伝えられたらと思います。
コンパクトでも伝わる凄さ、もしかしたら、それが今後のVOGAの課題なのかもしれません。


VOGAVector舞台
むかーし、昔。まだマキノノゾミさんのM.O.Pがつかこうへい作品ばかりやっていた頃、すでに遊劇体は西部講堂で異彩を放っていた。
そう考えると、30年もの間、ずっと公演を打ち続けている遊劇体さんってホント凄いと思います!!

4年前、それこそ20年近くぶりに遊劇体さんの公演をみたのが、泉鏡花作品の「多神教」でした。その時の劇場が五條會舘。

やはり、泉鏡花作品はここが一番です。
なんといっても雰囲気抜群です。

五條楽園跡とう立地、元々歌舞練場だったという風情も、花道も、松羽目も、まるで泉鏡花作品をやるために誂えたかのようでした。

今回の泉鏡花作品も、その独特の剽げた感覚が実に可笑しく(面白くではなく、可笑しくというのが適切だと思います。)とても80年近く前の作品ではないような気がしました。

もちろん、セリフは昔の作品なので、古いのですが、権力を振りかざす輩に対しての鏡花の批判性は、まさに今のこの時代にも通ずるものがありました。
そして、鏡花の女性に対する優しさもうかがい知らさせるのです。

さて、大好きな女優さん大熊ねこさん、いつもは姐さん肌の力強い女性を演ずることが多いのですが、今回は、比較的しなやかなタイプの役。
いつもと違うなあと思いましたが、さすがそこま大熊さん、しっかり演じていらっしゃいました。

北陸地方裁判所長を演じた村尾オサムさん、悪の権化みたいな團助を演じた菊谷高広さん、条あけみさんなど、「さすがだなぁ」と思う演技ばかり、やっぱり遊劇体さんは「芝居がうまい!」。
特に菊谷さんの「悪役」なんだけど、とっても剽軽な感じがするのは、菊谷さんご自身のキャラクターがなせる業なのでしょうか。
そこがこの作品全体の「剽げた」雰囲気と実に絶妙に相まっていました。

実は、ひょんなことでお手伝いをしていたVOGAの公演とどんかぶりで、今度ばかりはさすがに行けないかと思っていたのですが、なんとかかんとか観に行けまして、本当に「観てよかった」と思える作品でした。

写真はその五條會舘です。


お忍び 五條會舘