奥泉からバスで宿泊のために行った寸又峡温泉(すまたきょうおんせん)には、廃線となった東京営林局千頭営林署所管の森林鉄道「千頭(せんず)森林鉄道」の車両が静態保存されているので見てきました。
いずれも車両のある川根本町が発行する
観光マップには記載がありません。
【寸又峡温泉第三駐車場(観光地図では「水車のモニュメント」がある処)】 バス終点の「寸又峡温泉」の一つ前のバス停「寸又峡温泉入口」から徒歩2分のところ。


駐車場の端っこです。

『寸又峡
屋根のない資料館
千頭森林鉄道
国有林内の七十八万立法米
の木材を搬出し昭和四十三
年四月完全にその役割を
果し終えました
記
総延長 五十二キロメートル
軌間 七六二センチメートル
軌条 一〇キログラム
最少曲線半径 一五メートル
最急勾配 一〇〇〇分の三三』

写真右から、協三工業製 4.8t ディーゼル機関車「DB12」、岩崎レール製客車、運材台車2両。
まずは機関車から拝見していきましょう。




円筒形の燃料タンクが運転席の前の中央に収まっています。







模型作りの参考になりそう。


お次は客車。






そして運材台車。



何時間も人目を憚らず細部までじっくり観察できるこの車両は模型作りには有用です。 ただし、雨ざらしなので2006年5月4日に撮影されたコチラの写真と見比べて荒廃が進んでいる様子が伺え、先々が心配。
【千頭営林署ログハウス飛龍(観光地図では「一般車両進入禁止」の表示の近く)】


バス終点の「寸又峡温泉」から

夢の吊橋方面に向かうと直ぐにある小さな橋を渡ると

千頭営林署のログハウス飛龍がありますが、これは千頭森林鉄道大間駅の跡だそうです。

右にログハウス飛龍の看板、左に写真の林鉄大間駅の看板があります。




内部はこんな感じ。 林鉄に関するものは殆どありません。
【尾崎坂展望台(観光地図に載っています)】
千頭森林鉄道の車両が静態保存されているもう一つの展示場所に向かいます。 一般車両進入禁止となっているハイキングコースの入口にある環境美化募金案内所で寄付をして、90分の寸又峡プロムナードコースを順路に沿って進み、

「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊り橋 10」の堂々10位の栄冠に輝いた「夢の吊り橋」をへっぴり腰でなんとか渡りきり、そこから400段の階段がある山道を登ると・・・

ようやく尾崎坂展望台に着きます。 車じゃ来れないし、温泉に秘湯というのがあるけれど、これじゃ秘鉄だよ。




珍しい本形式になっている案内板。

写真右から、酒井工作所製 5t ディーゼル機関車「DB6」、富士重工製モノコック運材台車2両の上に集材機、富士重工製R108形モーターカー。
まずは機関車から。






煙突の上にキャップ。 こういう小技をきかすと模型も面白くなります。

エアタンクが直列に連結されてました。



なんだかつい最近まで使っていたかのような汚れ方。

運転席内部に燦然と輝く銘板。
次は集材機。



運材台車が重そうです。
さてモーターカー。 いやー小ちゃいです。



マフラーが異様に大きいような感じ。


H字に切ってあるっていうことは、シフトレバーかな?


石碑にはこう書いてあります。
『千頭森林鉄道
こゝにありき
昭和44年11月
千頭営林署』
営林署の方々の想いが伝わりますね。
さて、もう戻らなくては行けません。 帰りのバスの時間に間に合わないという家族の声を聞きながら、短時間で各部の撮影を済ませましたが、もうちょっと居たかったな・・・ 採寸もしたかったし。 いつかまた来られるのかな・・・。
帰り道は平坦な旧千頭森林鉄道の橋、飛龍橋経由で戻ったのは言うまでもありません。
【千頭森林鉄道資料】
旅館でもらった林鉄の資料です。

代燃(木炭ガス発生機)のイラストが面白い。

林鉄・林道系統図
これで大井川鐵道の旅はEND。
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記事とは関係ありませんが、本日の「多摩川花火&たまがわ花火大会」は奇麗でした。
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