急峻な山岳鉄道なので機械損傷その他のトラブルのリスク回避のため、機関車は山の下側つまり麓側に連結されています。 そのため、山側のこの先頭車両は制御客車(クハ600形)と呼ばれる運転席(操縦設備)がついた客車となっています。
こちらが麓側、列車後部に連結されてあるディーゼル機関車(DD20形)。
それでは出発します。
アプトいちしろ駅— 長島ダム駅間の一区間はラック式鉄道(アプト式)区間となっているので、専用の電気機関車(ED90形)を最後部に連結して列車を押し上げます。 尚、この区間のみ架線が張られた電化区間となっていて、電気機関車は他の車両と比べて大型で、そのため、同区間のトンネルも他区間より大きな断面積となっています。
大部分のお客さんは一旦列車から降りて連結作業の見学をします。
右手に長島ダム。 このダムの建設に伴い井川線のルートが変更になって、このアプト区間が出来たとのこと。
90パーミルの区間。
長島ダム駅に着くと電気機関車は直ぐに井川行きの列車から切り離され、今度は千頭行きの列車に連結されます。 効率が良い!
列車が進むと、日本の秘境駅「奥大井湖上駅」に到着です。
航空写真を見ると凄い所にある駅なのですが、列車の中にいると余り実感が湧きませんね。
川沿いの崖といった方が良いところを列車は走り、1時間50分間の旅も終了、ようやく終点の井川駅に到着しました。
井川駅で31分間休憩した後、同じく14時49分発の井川線千頭行きで途中の奥泉まで戻ります。
車内に手書きのポスターで宣伝されていた「しおり」を奥泉駅で購入。
さすがにパウチッコの手作り、どれ一つとして同じ物はないのですが、それはそれで良い感じ。 値段もリーズナブルで職員の大井川鐵道に対する愛情を感じます。
この後は、奥泉から寸又峡にバスで移動となります。
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それにしてもこの鉄道、観光鉄道なので当然、安全最優先なのですが、中部電力の運営委託で赤字は中部電力が負担することになっているせいか、すこぶる保線状態が良い。 線路、バラスト、橋梁、信号設備等の整備状況に加え、秘境のローカル線にしては配置されている駅職員の数が多い。 これは一般の観光客にとって大きな安心感を与えることになって、自然の景観と共に人気がある理由ではないかと思います。
TBC 次は千頭森林鉄道へ

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