入院しているのは大学病院であるので、大学の看護学部4年生が昨日から2週間実習に来ることになった。

実習を嫌がる患者さんがいるそうで、師長から実習の了承を求められた。もちろん、快諾した。


9時ごろに看護学部の先生とともに挨拶にきたので、さっそく背中を拭いてもらった。(汗)


透析室への入室時間が今までで一番遅く10:30だったので、しばらくお話したら、今のところに引越しする前に住んでたところから通ってることが分かった。


普段通ってる透析クリニックに同じ看護学部出身者がいて、多分1期生か2期生だと伝えると、そんな大先輩が勤めているクリニックなんだとしきりに感心してた。


そこへ指導ナースさんがやってきて、右腕に新たに作ったシャント音やスリルを確認するように実習生に言ってたので、腕を差し出すと、初めてシャント音を聞いたらしく、ゴーゴーという音に驚いてた。


先輩ナースさんが、血液を取る側と返す側の場所がどこになるかを質問したら、難なく答えていた。

調子に乗って、それぞれの針の向きが分かるかを質問してみたら、分からないので明日までに答えますと言ってた。


そういえば、透析室の新人技士さんから答えを聞いてなかった。あれから会ってないから、仕方ないけど。


今日はどんな質問をしようかな?(笑)







創傷処理と創傷処置の違いって分かりますか?


創傷処理は、切創(切りキズ)、刺創(刺しキズ)、割創(重量のある鈍器により、強い衝撃が体表に加わり皮膚が分断された開放性損傷)または挫創(転落や打撲で受けたキズ)などの創傷に対して、切除、結紮(血管等を縛ること)または縫合を行う手術です。一般的に局所麻酔を使う場合が多い。


創傷処置は、創部からの感染を防ぐため簡単な消毒や薬剤の塗布、ガーゼや絆創膏の貼付などの処置で、切除や縫合は行いません。


診療報酬上、創傷処理は手術料、創傷処置は措置料に分類される。


だから、緊急オペでグラフトを抜去したことは創傷処理で朝の苦行(創部を洗い、ユーパスタを塗布)は創傷処置になる。


7月にグラフトを再建し、翌日から透析クリニックで縫合部を殺菌し、縫合部にガーゼと包帯巻きしたことも創傷処置になる。







見当は『見当違い』という言葉でよく使われるが、『見当識』は使ったことがない言葉である。

介護の職場では、よく使われるようだ。


見当識は『けんとうしき』と読み、今現在の年月や日付、自分がどこにいるかなどの基本的な状況把握のこと。


昨日のブログで黄色ブドウ球菌による敗血症は、心臓や肺に巣を作ると書いたが、脳にも影響があり見当識障害にもなるようだ。

すなわち、今の日付や今いる場所が分からなくなってしまう。


そういえば、ICUにいるときには、頻繁に日付やどこにいるかを聞かれたので、見当識障害が起きていないかをチェックしてたようだ。






血液培養の結果、『黄色ブドウ球菌』が出た。

食中毒の原因菌として、よく新聞の活字になってる。


新聞などに出てる黄色ブドウ球菌の写真。

ブドウの房のような配列なので、その名がついたようである。




黄色ブドウ球菌は、常在菌といって人間の皮膚に存在している。

先生は、MRSA(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)じゃなくて良かったと言ってた。

MRSAは、メチシリン以外の多くの抗菌薬に耐性を示す多剤耐性菌なので、唯一効く抗菌薬はバイコマイシンという抗生剤だけのようだ。

ただ、最近はバイコマイシンにも耐性を示す菌が増えてきているそうだ。


ICUいるときには、まだ血液培養の結果が出ていなかったので、MRSAだったときのことを考えて、バイコマイシンも点滴してた。


この黄色ブドウ球菌は、血液の流れに乗って全身をか駆け巡ると、心臓や肺に巣を作るようで、心臓に巣食うと『感染性心内膜炎』、肺の場合は、『肺膿瘍』となるようだ。


救急外来での心電図には、波形の名前は忘れてしまったけど、明らかに不整脈の所見が出てた。

だからか、ICUのときに循環器の先生がたびたび心エコーをやりにきたし、一般病棟に移ってからもシャントの手術の直前まで、心電図のモニターをつけていた。