ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演(プログラムA)を聴いてきました。
2023年11月21日(火)19時開演 ミューザ川崎シンフォニーホール
Berliner Philharmoniker
【指揮】キリル・ペトレンコ Kirill Petrenko
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
ベルク:オーケストラのための3つの小品 Op.6(1. 前奏曲 2. 輪舞 3. 行進曲)
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98
Mozart: Symphony No.29 in A major, K.201
Berg: Three Pieces for Orchestra, Op. 6
Brahms: Symphony No.4 in E minor, Op.98
ちなみに、プログラムBは…
レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132
R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 Op.40
Reger: Variations and Fugue on a Theme by Mozart, Op.132
R.Strauss: “Ein Heldenleben“, tone poem Op.40
11月10日〜19日ウィーン・フィルVPhに続いて11月14日〜25日ベルリン・フィルBPhが来日公演。同時にライプツィヒ・ゲヴァントハウスも来ていて、ちょっと前にはロイヤル・コンセルトヘボウ等も来ていた。とても幸せな国日本
さて、VPhのS席が4.2万円、BPhは4.5万円2時間の演奏会にそのような価値がホントにあるのかって、普通の人は思うはず
(バブルの頃って、3大テノールやマイク・タイソンの試合で10万円とか15万円のチケットだったらしいので、まだマシだよね…)ま、私も確かに高いよねって思う
しかし、チケット発売開始直後にサントリーホールはE席やD席も瞬殺というか瞬間蒸発でなくなる大人気
というわけで、ベルリンフィルを聴いてきました。その真価はいかに
そんな高額チケットでも当然完売で、空席ほとんどなし。
薄くてペラペラのオフィシャルプログラムも2,000円と超強気指定のCDやグッズを買うと奏者2〜3名が来るサイン会に参加できる特典付き(誰がサインするのかは事前には明かされず)。ペトレンコはサイン嫌いで有名なので、当然対象外でした。
K.ペトレンコを聴くのは2017年7月にミュンヘンで観たバイエルン国立歌劇場『影のない女』と『タンホイザー』、同年9月のバイエルン国立歌劇場来日公演『タンホイザー』とNHK音楽祭:バイエルン国立管弦楽団来日公演の4回。
いずれも素晴らしい指揮に感銘を受けたトップレベルで好きな指揮者。ペトレンコとBPhの組合せなので超名演の期待しかない。心配は周囲の環境だけ
モーツァルト交響曲第29番。18歳の作品で弦、オーボエ、ホルンのみしかないので、弦のアンサンブルの鉄壁さが素人の私にでも分かる。なんて雅な音色。なんて美しい弦。第1楽章がウキウキ身体を揺らしたくなるくらいにめっちゃ楽しい絶妙なリズム感心にしみる第2楽章は夢見心地だけど、もったいなくて眠れない
第3楽章、第4楽章の躍動感がたまらない。この曲結構いいと思っていたけど、ベルリンフィルで聴くとその良さが際立つ。天国の気持ちよさ
ベルクとかはシェーンベルクあたりはかなり苦手な作曲家だけど、舞台を埋め尽くした超巨大編成BPhがものすごい音を出す。こういう曲をペトレンコが振るとやっぱりとんでもないなぁというのが正直な感想。「前奏曲」の無調おどろおどろしい響きなど苦手な作品・旋律でさえもベルリンフィルのすんごい音で聴いていると苦手だなんだって関係ない。不安げなヴァイオリンも聴きごたえ十分。シュテファン・ドールのホルンとかオーボエ、フルートとか美しすぎて何も言えね〜大音響になっても音が全く濁ったり割れたりしない…20分前後の短い作品だけど、凝縮されたパワーとすごい迫力に感動。世界最強オーケストラの真骨頂を見た気がした。そして、ペトレンコ素晴らしい
休憩中のホワイエは大混雑。ここまで混んでいるのは珍しい。
後半のブラームス第4番。正直なところ、ブラームスの交響曲の中では1>3>2>4という感じで、4番は演奏頻度が多くて何度も聴いてきたけれど、さほど好きな曲じゃない。しかし、ペトレンコ&BPhがやはり素晴らしい冒頭の「ため息」からあまりの美しさに感動してしまった
これほどまで素晴らしいブラ4は初めての体験。スリリングで熱を帯びた力強さがたまらん
終わり方もめちゃくちゃカッコよくてしびれたし、最も素晴らしいと思った。そして、第2楽章冒頭の3番ホルンと4番ホルンの朗々とした響きも最高
後半の弦だけで演奏するところとかは美しすぎて泣けた
終盤のS.ドールのホルンも超絶美しい
第3楽章のリズム感なんかはこれぞペトレンコって感じであおっていて、めちゃ楽しい。第4楽章パッサカリアもめっちゃ楽しい…フルートソロがたまらん
S.ドール神レベルのすごさ
というわけで、ベルリンフィル最高
ペトレンコ最高
でした。行けるかどうか分からなかったので危なかったけど、聴けてよかった。チケット高かったけどね〜
某駅の宝くじ売り場の真横を通り過ぎたら(その日は年末ジャンボ発売初日)、年配の女性が「10億円当たるくじ3枚!」と言って注文していたので、思わず二度見した30億円おめでとう