新国立劇場バレエ団『マノン Manon』(2日目)を観てきました。金曜日はMWC・東フィル『カルメン』、土曜日は飯守・東京シティフィル『ミサ・ソレムニス』を聴いたので、COVID-19をものともせずに3日連続
2020年2月23日(日・祝)14時開演 オペラパレス
【音楽】ジュール・マスネ Jules Massenet 【振付】ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan 【美術・衣裳】ピーター・ファーマー 【照明】沢田祐二
【編曲・指揮】マーティン・イェーツ Martin Yates 【管弦楽】東京交響楽団
昨年6月にウィーン国立歌劇場でオペラの『マノン』(指揮:シャスラン、マノン:マチャイゼ、デ・グリュー:フローレス、レスコー:エレート)を観ました(こちら)。作曲は同じジュール・マスネですが、バレエとオペラとでは音楽が全然違います。
バレエはたいていお子さん連れが多いですが、演目ゆえか新型コロナの影響か、ほとんど子どもがいなかった。5公演しか上演されないが、チケットが完売というわけではない。なかなか難しいものですね。
発表時から楽しみにしていたムンタギロフ・唯さんペアのマノン。このペアを観るのは、2014年11月『眠れる森の美女』、2016年11月『ロメオとジュリエット』に続いて3回目。とにかくムンタギロフがよくぞ来日してくれた。来日してくれたことにまずは感謝。そして唯さんとの踊りの素晴らしさは言葉にすることができない。非常に難しいリフトが多用され、唯さんの汗が光っていることからも、見ていても難しくてたいへんそう。でも非常に気持ちが込められていて美しい。寝室の場面でも2人の息がよく合っているし、沼地の場面でも疲れをものともせずに素晴らしい2人のPDD。空中での回転もピタッとキメる高度な技術。唯さんのボロボロになっていくあたりの悲壮感を出す演技力にもいたく感動した。エンディングとカーテンコールではあまりの感動で涙が溢れた。
脇を固めるダンサーも楽しめた。レスコーの木下さんは、いつもながらに一癖ある役を見事に演じる。彼のいろいろな役を観てきているが、どんな踊りを見せてくれるのだろうとワクワクするが、今回もとても魅力的な踊りを見せてくれた。マダム本島さんは貫禄。このような役が見事にハマるし、レスコーの愛人に優里さんも気品のある踊りが素晴らしい。高級娼婦に渡辺与布さんが出ているので本筋を差し置いて追ってしまいます。こうして見ると、高級娼婦という脇役も細かな演技をいろいろしていることがよく分かって面白い。
マーティン・イェーツの指揮も見ていて惚れ惚れ。席がピットから近くてよく見えたので、舞台も指揮もオケも気になってしまう贅沢さ
マーティン自身の編曲によるもので、音楽も特にニキティン率いる弦の響きが感動的だった。
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唯さんとムンタギロフの最高の踊り、新国立劇場バレエ団の素晴らしさ、マーティンとオケによる美しく切ない音楽。たった1回しか観られなかったことが残念なほど素晴らしくて猛烈に感動した公演だった。ムンタギロフさん、また来日して素晴らしい踊りを見せてください。
3連休の最終日はJoliとのお散歩以外はずっと自宅でのんびりまったり。Joliも私のすぐそばでのんびりとお昼寝していて、それを見ているだけでとても幸せな気持ちになった。金曜日の夜も含めてとても有意義な3連休だった。また明日からお仕事![キョロキョロ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/016.png)
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イタリアが欧州で特に新型コロナが蔓延していることもあり、スカラ座が当面(3月1日まで)の公演中止を決定。パリ・オペラ座バレエ団の来日公演はどうなるのだろう?
政府の要請を受けて、新国立劇場は2月28日から3月15日までの公演やイベントの中止を発表(こちら)。これにより、今週末の『マノン』は中止で、行く予定だった3月1日のマノン クラスレッスン見学も取り止め。3月18日から始まる『コジ・ファン・トゥッテ』はどうなることやら。民間のNBS主催のパリ・オペラ座バレエ団来日公演は現時点では上演される予定。