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2018年5月8日(火)19時開演 サントリーホール
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:歌劇『フィデリオ』(ドイツ語上演・字幕付幕・演奏会形式)Ludwig van Beethoven:Fidelio
【指揮】チョン・ミョンフン Myung-Whun Chung
【フロレスタン】ペーター・ザイフェルト Peter Seiffert
【レオノーレ】マヌエラ・ウール Manuela Uhl
【ドン・フェルナンド】小森輝彦 【ドン・ピツァロ】ルカ・ピサローニ Luca Pisaroni 【ロッコ】フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ Franz Josef Selig
【マルツェリーネ】シルヴィア・シュヴァルツ Sylvia Schwartz
【ヤッキーノ】大槻孝志 【合唱】東京オペラシンガーズ【合唱指揮】田中祐子【お話】篠井英介
マヌエラ・ウールさんは、2016年に新国立劇場『ローエングリン』でとても素敵なエルザを歌っていた。実際に近くで見るととっても綺麗なんです。昨年彼女を聴くためにドイツまで遠征したいと思っていたくらいだけど、今回来日することが分かり、楽しみにしていた。
シルヴィア・シュヴァルツさんと言えば、N響の「最も心に残った演奏会2016」の第1位に当然のように選ばれたデュトワ『カルメン』でミカエラを歌っていた。この時はタイトル・ロールを歌ったアルドリッチが断然注目されていたけれど、私はむしろシュヴァルツのミカエラに心打たれた。しかも、超絶美人![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
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というわけで、めちゃくちゃ楽しみにしていた。
お昼過ぎに仕事を切り上げて、Joliとの散歩の後たっぷりお昼寝してからサントリーホールに。大好きなManuela UhlさんとSylvia Schwartzさんが同じ舞台に立っているだけで嬉しい公演。冒頭にレオノーレ序曲第3番を置いていた。オペラに慣れている東フィルだけあって、マエストロ・チョンの引き締まった指揮(オペラを暗譜で振っていた!)に応えた筋肉質な演奏で、21時25分終演だから、テンポが速めだったことが分かる。
2年前に可憐なエルザを聴かせてくれたUhlさんにとって初めてのレオノーレ役とは思えない素晴らしい歌。不安な心境や夫を救出する強い女性を見事に表現して歌ってみせた。やはり第1幕中盤の長大なアリア「悪者よ、どこへ急ぐ?」は、最初のレチタティーヴォからアリア、ストレッタと巧く歌い分けていて、本当に素晴らしかった。会場からは万雷の拍手。とにかく声が美しくて、見栄えもするし…色は同じにして少しずつ衣装をアレンジしたり、ガラッと変えたりして登場するなどの工夫もあって、さらにファンになってしまった。
第2幕冒頭から満を持して登場するフロレスタンのSeiffert。私にとっては、1992年バイエルン来日公演『影のない女』の皇帝役。素晴らしい!第1幕に登場しない役なのに、最初の「Gott!」だけで満員の観客の心を鷲掴み。往年の輝かしさは薄れているのかもしれないが、圧倒的な存在感だった。
Schwartzさん。2016年にN響『カルメン』でミカエラを歌った時から大ファン。見た目も超絶美人さんですが、ミカエラの可憐さにぴったりの声に惚れ込んだ。今回のマルツェリーネもイメージぴったり。真っ赤なドレスでとても美しい。後ろのオケがだいぶ鳴らしていたので少し線が細いかなというところもあったけれど、役どころもあるのでそれくらいでちょうどいい。ガン見してた…
ロッコ役のSeligもシブくてとてもよかった。ドン・ピツァロ役のPisaroniは、実力も実績もあるのだけど…外国人歌手の中では声量が足りない印象で、やや不調だったのかな。歌手陣の二重唱、三重唱、四重唱いろいろあるが、とてもバランスが取れていて、リハーサルがうまくいった印象でとてもよかったし、東京オペラシンガーズの合唱も非常に素晴らしかった。最後の(ベートーヴェンらしい)歓喜の合唱はソリストたちも加わった感動的な幕切れだった。
木曜日にオペラシティで最終公演があるので、また行きたいなぁ〜