TCPO第315回定期:ラフマニノフP協3&ニールセン6他(高関&清水) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

当初予定していなかったのですが、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第315回定期演奏会を聴いてきました。ラフマニノフの第3番はピアノ協奏曲の中で最も好きな作品。もともと無理だと諦めていたのですが、半ば無理矢理仕事を切り上げて行った。2011年8月にサントリーホールで聴いた清水和音さんのデビュー30周年記念ラフマニノフピアノ協奏曲全曲演奏会を指揮したのが高関さんでした(オケは東響)。
 
2018年5月9日(水)19時開演 東京オペラシティコンサートホール ◎18時40分より高関健によるプレ・トーク 
 
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(原典版)
ニールセン:交響曲第6番「素朴な交響曲」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30 
 
【指揮】高関健  【ピアノ】清水和音
 

前半の2曲(ムソルグスキーのはげ山とニールセンの第6番)は、保守的な私には全く訳が分からず、つまらなかったので割愛。ニールセンは評価が高いようで会場は湧いていたが…これからも積極的に聴くことはたぶんないだろう。視界に入る場所にいたデブ女がたぶん録音していた。前半・後半とも演奏開始直前にカバンの中の携帯電話を触っていたので、きっとそうだろう。最近のN響にもあからさまにやっている男がいたが…
 
中村紘子さんの著書によると、ピアノの音符が28,736個もあるらしく、1秒当たりで11個もある。ピアノがお休みすることもあるので、実際にはそれ以上。45分があっという間のとても聴きやすい演奏。この作品を何百回も演奏している清水さんはミスタッチなく楽々と弾いていて、歌うべきところはしっかり歌う。爆音系でもないけれどしっかりとした音を出しながらも濁らない。オケは、最初は薄いと思ったけれど、第1楽章のカデンツァ以降から熱気を帯びてきた。竹山愛さんのフルート→オーボエ→クラリネット→ホルンの受け渡しもキマッた。高関さんは第2楽章から第3楽章にアタッカで入る直前や最後のコーダ手前でしっかりというかすごい大きな音でティンパニを鳴らすなどメリハリをつけた演奏だったかな。やはり第3楽章への入りから最後までは大好き。速目に駆け抜けてbravo!空席が目立ったが、名演なのにもったいない。
 
この曲の終わり方ではアンコールは不要だと常々思うけど、ノクターン第10番を弾いてくれて、冷めやらぬ熱狂をしっとりとクールダウン。これはこれでよし。