白鳥の湖 @ 新国立劇場(小野・福岡) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

3日目マチネの米沢・井澤コンビに続いて、新国立劇場『白鳥の湖』最終公演(小野絢子さん&福岡王子)を観てきました。

 
2018年5月6日(日)14時開演 オペラパレス

【芸術監督】大原永子 【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky 【振付】マリウス・プティパ / レフ・イワーノフ Marius Petipa / Lev Ivanov 【演出・改訂振付】牧阿佐美 【装置・衣裳】ピーター・カザレット Peter Cazalet 【照明】沢田祐二
【指揮】アレクセイ・バクラン Alexei Baklan
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【管弦楽】東京交響楽団

【オデット/オディール】小野絢子【ジークフリード王子】福岡雄大
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【ロートバルト】貝川鐵夫 【道化】井澤 諒  【パ・ド・トロワ】池田理沙子、柴山紗帆、木下嘉人 【ルースカヤ】細田千晶 【スペインの踊り】川口藍、益田裕子、小柴富久修、中島駿野 【ナポリの踊り】奥田花純、五月女遙、小野寺雄 (ハンガリーの踊り】飯野萌子、福田圭吾

今回も左サイド席前方で見晴らし良し。第1幕。池田理沙子さん率いるパ・ド・トロワが素晴らしい。特に池田さんが圧倒的にうまい。初主演のシンデレラ以来観てきたけど、観るたびに進化している気がする。技巧的なものは分からないけれど、流れるようにしなやかな踊りは美しいというほかない。

圧巻は第2幕。24+4+4 の白鳥の揃い方が驚異的。頭や腕の動き、角度、視線、足並み、どれもが極めて高い精度で統制されているのは実に素晴らしい完成度。相当密度の高い練習を重ねてきたのだろう。そこに、小野絢子さん登場。動きは白鳥にしか見えない。(鶴のような気もするけど)私には白鳥と鶴の違いが分からないけど…腕のしなやかな動きが本当の白鳥の羽根に見える。米沢唯さんには唯さんの素晴らしいところがあるが、小野さんのこの白鳥の表現力はちょっと次元が違う。絢子さんと福岡さんの2人のグラン・アダージョは、ニキティンのソロの旋律に乗って実に美しい。理沙子さん率いる小さな4羽は今日も素晴らしい。細やかな動きがひっきりなしに続くのに、すべての動きや角度が4人ぴったりと揃っていて見事。第2幕最後の引き裂かれる場面の小野さんの表情は迫真の演技。 

第3幕。3日マチネは本島さん与布さんのスペインが断然よかったが、今回はナポリ最高。小野さんのオディールもよかったが、米沢さんの方が私の好み。 

第4幕。ここでも白鳥の群舞が素晴らしい。池田さんの8人の黒鳥軍団と白鳥の対比が上から見ると対称的というか幾何学模様でよく練られている。踊りもとても揃っていて最終公演の疲れがあるだろうけど、気持ちが合っている。この劇場バレエ団のいいところだと思う。最後にロートバルトがやけに簡単に負けてしまうのは…だけどまぁご愛嬌。

バクラン&東響はこの最終日がさらに素晴らしかった。ニキティンのソロも荒さんのオーボエも聴きごたえあり。チャイコフスキーの音楽に酔いしれた。

次は6月の『眠り』。それにしても、バレエを観た後は、歩く時にトゥから着地😅 竹中直人みたいに… 分かる人は分かる。

サヴァリッシュさんの指揮でイスラエル・フィルの演奏を音譜