行動が性格を変える−1
皆さんは「自分の性格を変えたい」と思ってますか?私は思っています。そして、かなりの人がそう思っているのではないかと、思います。私は昔、「性格は変わらない。」と思ってました。でも、つい最近「性格は変えられる。」と考えるようになりました。それは行動してみることで、変えて行けるのです。これまで、不安について、感情について洞察しながらそれへの認識を誤っていると、心の葛藤が起こり、さらには神経症に発展しやすいことを観察してきました。性格についても、謝った認識を持っていると、心に葛藤を起こしやすいし、神経症にも発展しやすい。■性格とは何か 私は「性格を変える」ことはできる、と思っている。そこで、なぜ行動が性格を変えることができるかについて書かなければなりません。しかし、その前に性格とは何かを明らかにしてみよう。 性格について考えようとすると、「人格」という言葉を思い浮かべる人が多いと思います。今は性格と人格を同じものとしておこう。要するに、性格あるいは人格には次のような概念が含まれていると思われる。1.独自性 人格は、他人とも共通の特性を持ちながらも、なおある個人に特有なウニークなものである。2.統合性 人格は、単なる個々の特性の加算ではなく、それらが統合された一個の組織体系である。3.主体性 人格は能動的主体として、環境に対して働きかける。その働きの中心は自我である。4.変化性 人格は、ある程度の恒常性を保ちながらも、成熟と経験によって、時々刻々に変化している。こ生活の流れの中における適応のための変容とみられる。5.間接性 人格は、行動を通して、表現されるものである。従って、人格は直接に把握されるものではなく、場面と行動から、間接的に理解されるものである。この中で主体性、変化性、間接性が特に重要だと思われる。 私たちは、環境からの刺激に対して、他の動物のように、反射的、機械的に反応して行動を起こさない。知識、情報、経験に思いを巡らし、刺激の意味することを判断し、どのように対応するかを選択し、行動に出る。その行動は、私たち個人の創造的行動である。主体性とはこのようなものだ。 また、私たちの応答の仕方、創造的行動は、私たちの人間的成長の段階、過去の経験、価値観や人生観によって規定されるが、行動はまた経験となり、人間的成長を促し、価値観や人生観に影響を与えて、応答の仕方、創造的行動を前進させます。変化性はこのように現れる。 さらに私たちは、人の性格を理解しようとするとき、その人の行動を通してしか理解できない。これが間接性である。