「感情の法則」について、順番に説明していこう。まず、第1法則は、

1. 感情はこれをそのままに放任し、即ちその自然経過に従えば、そは山形の曲線をなし一昇りし一降りして遂に消失するものなり。

 これは私たちの普段の生活を振り返れば、すぐに納得がいく。どのような悲しみも、胸を絞るような煩悩も、これを耐えて自然の成り行きに任せておけば、いつとなしに消え去っていく。

2.感情はその衝動を達すれば頓挫し消失するものなり。


 悲しいときに泣き、腹の立つときに、思い切り怒鳴ると、気が晴れる。悲しいときに人目を忍んで、思い切り泣いたり、海や山に大声で怒鳴って怒りをぶつけて気を晴らしたり、飢餓の衝動も食べることで解消する。


 本能的な欲望に伴う感情は、抑えるほど抑えるほど強い衝動なる。しかし、また、衝動のままに行動すれば、後々、後悔するようなことも多い。このような行動を、いかに人間的な向上欲、想像欲に昇華させ、統合して行くかは、人生の永遠の課題であろう。