5年ぶりの感慨:2015年GPスケートカナダ(レスブリッジ大会)男子FSを見て | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

皆様のおかげで三浦&木原ペアへの暖かい応援メッセージがどんどん、増えています。

 

お二人にも伝えて、読んでもらっていますので、今後も同じ記事のコメント欄にお寄せ下さい!

 

https://ameblo.jp/mkp2012/entry-12634985363.html

 

 

 

では昨日の記事:

 

 

2020年 Halloween の夜にTSNの再放送を観て思う

 

の続きです。

 

土曜の夜に最後に再放送されたのが、2015年GPスケートカナダ(レスブリッジ大会)の男子FSでした。これもまた、丸々2時間半、全参加選手の演技を見せてくれていた番組でした。

 

まず、見始めて最初に思ったのが、

 

「皆、若っ!」

 

ということ。

 

司会のブライアン・ウィリアムズ翁を筆頭に、解説のロッド・ブラックさん、そしてトレイシー母さん。(画面撮りなので、室内の照明が映り込んでます。すみません!)

 

 

 

 

そりゃあ、5年前なんですから、当たり前ですよね。

 

そして極めつけは、最後の表彰式の場面で田中カメラマンの後ろに映り込んでいる自分の姿を見つけた時。

 

あの頃と比べると今の自分は。。。

 

もう、気分的には「ベルサイユのばら」の、有名なシーンです。

 

 

 

 

 

「なんのこっちゃ」と思われるかも知れませんが、私、実はこのコロナ騒ぎが始まって以来、十何年も続けて来ていたヘアカラーを思い切って止めたのです。

 

なので今となってはマリー・アントワネットどころか、「百一匹わんちゃん」のクルエラのような風貌と言った方が正しいかも知れません。

 

 

 

 

普段は家族としか顔を合わせておらず、あとはせいぜいスーパーのレジのオバチャンたちとしか接していないのであまり意識しないで済んでいるし、ZOOMでたまに登場する場合も「あ、頭上の照明のせいよね、そうよね」と向こう側の方々も思ってくれていることでしょう。

 

なので今度、日本に帰って友達に会った時の反応が怖い。(そもそも、帰れるのがいつになるか知りませんが)

 

 

まあそれはさておき、2015年といえば、選手たちも本当に若い。

 

(以下、お写真はカーマイケルさんのHPから許可を得てお借りして来ています。)

 

ナム君なんか、まだ華奢な「男の子」です。

 

 

Photo by David Carmichael (2015 Skate Canada International, Lethbridge)

 

キーガンはこの大会で初めて会ったのですが、髪の毛もフッサフサのやんちゃ兄さん。(良く見たら衣装の色合いが何とも)

 

 

Photo by David Carmichael (2015 Skate Canada International, Lethbridge)

 

そしてアダム・リッポン君は青紫のサイケデリックなヘアカラーでした。(会場のエレベーターで隣り合わせになった時、その後頭部をまじまじと見て「何と綺麗な頭の格好だろう」、と思ったことが記憶に蘇ります。)

 

 

Photo by David Carmichael (2015 Skate Canada International, Lethbridge)

 

SPは首位、総合で3位に入った村上大介選手の演技も素晴らしかった。リリカルで、本当に安定した滑りを見せてくれました。

 

 

Photo by David Carmichael (2015 Skate Canada International, Lethbridge)

 

さて、ここからは当時の大会レポートと併せて振り返って行きます。

 

何と言ってもこの大会のメイン・イベントは「パトリック・チャン対羽生結弦」の頂上対決でした。ソチ五輪で最後に戦ってから一年半後の二人の顔合わせに、世界中のメディアやファンたちが注目しました。

 

しかしSPでは羽生選手が重大なミスをしてしまい、まさかの6位。せっかく遠くから応援に駆け付けていたユヅファンの方々も相当なショックを受けた10月31日の金曜日となりました。

 

 

https://ameblo.jp/mkp2012/entry-12090456868.html

 

 

 

 

最終グループに残れたのは良かったのですが、かなり挽回しないといけないような状況になり、迎えたフリーの日の朝。その時の練習の様子を書いた記事がこちらです:

 

 

https://ameblo.jp/mkp2012/entry-12090544226.html

 

 

 

そしていよいよ羽生選手がフリー本番に挑んだわけですが、TSNの再放送で、5年ぶりにその演技を観るのは非常に感慨深いものがありました。

 

 

 

 

裏でのウオーミングアップの光景や、6分間練習のリンク入りの表情を見て、この試合では何だか特にピリピリした雰囲気が漂っていたっけ、と思い出したり。

 

ああ、この時はまだビールマン・スピンを入れていたんだっけ、とか。フリーで四回転ジャンプを三本入れるということが「野心的」と言われていたんだっけ、とか。

 

思えば羽生選手が「SEIMEI」を試合で演じたのは2015年のオータムクラシックが初めてだったとは言え、主要大会での本格的デビューはこのGPスケートカナダだったんですよね。

 

その場に居合わせられたのは本当に貴重でした。

 

 

Photo by David Carmichael (2015 Skate Canada International, Lethbridge)

 

 

が、その後のこのプログラムの進化を考えると、信じがたい思いもします。

 

だって、20‐21才のこのシーズンの「SEIMEI」は世界記録を次々と塗り替えたというのに、平昌五輪での偉業を経て、2020年の四大陸選手権ではさらに美しさと完成度を増したのですから、これはもう、驚異的だとしか言いようがない。

 

 

ま、とにかくTSN放送でのトレイシー・ウィルソン解説は当時の記事にてどうぞ。

 

(今だったらこんな作業、出来るかどうか。そう思ってしまうところにも月日の流れを感じます。。。)

 

https://ameblo.jp/mkp2012/entry-12092370325.html

 

 

 

 

なお、この後にパトリック・チャンの演技がやって来るわけですが、このシーズンのショパンのピアノ音楽に乗せたフリーは彼のプログラムの中でも好きなものです。

 

滑り出してすぐに聞こえて来る、ブレードが氷を削る凄まじい音が「あ、パトリックのエッジワークだ」と感じさせてくれます。ものすごいスピードでリンクを縦に走って来て、4Tー3Tを着氷させて、そのまま最後まで足が止まることは全くない。

 

 

Photo by David Carmichael (2015 Skate Canada International, Lethbridge)

 

 

いやー、懐かしいわあ。今の男子でこの頃のパトリックが得意とした「うねるようにパワフルな」滑りが出来る選手はいないよな、と思ったことでした。

 

結果として(二本目のクワッドがトリプルになった以外)ほぼノーミスで滑ったパトリックが逆転優勝、そして羽生選手がSP6位から巻き返して準優勝、となった試合でした。

 

ところで上に再掲した聞き取り・翻訳の記事の中には加えなかったのですが、競技終了後の総括でトレイシーさんが言ったことが面白かったです。

 

"Yuzuru, three quads in his program. You could see him carrying the weight of the world at times in the program. Three quads. He was fatigued by the end. He'll work on his conditioning. He'll work on his skating between the jumps. He'll come back stronger. This is going to be a great season"

 

普通に訳すと:

 

「ユヅル、このプログラムでは三本のクワッドを跳びました。プログラムのところどころで、世界中の重みを(ものすごいプレッシャーを)背負っているかのように見えましたね。クワッド三本ですよ。最後には疲れが出ました。これからはコンディショニング(=スタミナ)を鍛えていくことでしょう。ジャンプとジャンプの間のスケーティングも鍛えるでしょう。彼はさらに強くなって戻って来ます。素晴らしいシーズンになりますよ。」

 

解説者というよりも、コーチとしてのトレイシーさんの言葉ですね。

 

もちろん、このシーズンの展開が分っているからこその意訳かも知れませんが、私にはこう聞こえました。

 

(確かにパトリックの今日の滑りは素晴らしかった。)

 

でもうちのユヅはクワッド三本という野心的なプログラムに挑戦したのですよ。ものすごいプレッシャーを自ら背負い込んで、最後は疲れました。なにせ三本ですからね、クワッドが(パトリックは冒頭の4Tー3Tでの一本だけ)。

 

ユヅに足りないのはこの鬼構成で最後まで滑り切るスタミナです。それをこれから強化していきます。そしてジャンプとジャンプの間の繋ぎの部分、そこのスケーティングを(私がビシバシ)鍛えていきますからね。見ていてください、彼は次の試合までにはきっとさらに強くなっています。すごいシーズンになりますよ。

 

そして実際、その通りになるわけですが。

 

 

この他、フリー後の記者会見の模様もレポートしていました。

 

https://ameblo.jp/mkp2012/entry-12091642140.html

 

 

 

 

 

最近は記者会見でもどんどん英語で質問に答える羽生選手ですが、この頃はまだ、英語での発言後に「必殺技・ニッコリ頷き」で締めくくっていました(動画の1:40辺り)。

 

今となってはそれも懐かしいんですけどね。。。

 

 

 

 

以上、思い出の2015年GPスケートカナダ大会の振り返り記事でした。