『スウィート・シング』(2020)
原題は『Sweet Thing』。アメリカ映画。
監督・脚本 アレクサンダー・ロックウェル
母親イヴ(カリン・パーソンズ)が出て行ってから、アルコール依存症の父親アダム(ウィル・パットン)と暮らす姉のビリー(ラナ・ロックウェル)と弟のニコ(ニコ・ロックウェル)、その生活は貧しい。
母親譲りの髪質を持ったビリーの名前はジャズ歌手のビリー・ホリディから取ったもので、ビリーは歌もうまく育つ。そんなビリーを見てはアダムはイヴを思い出す。けれどイヴにはすでに一緒に暮らしている男ボー(M.L.ジョゼファー)がいる。
やがてアダムはアルコール依存症が酷くなり施設に入ることになり、姉弟だけで生活するのも無理になり、ビリーとニコはイヴとボーがいる海辺の別荘へ行くことになる。しかし、ボーはDV男だった。イヴはボーの顔色ばかり気にして守ってくれない。そしてあることをきっかけに、ビリーとニコは海辺で知り合った少年マリク(ジャバリ・ワトキンス)と共に旅に出る。行き先はマリクの父親がいるフロリダだ。
でもその旅も思いがけない事で終わってしまう…。
姉弟は犯罪めいた手法で日銭を稼ぐし、食事も粗末。でも貧しいながらもクリスマスは父子で幸せな時を過ごす、その様子が切ない。
マリクの家庭環境も辛いものだった。そのマリクと一度は離れ離れにならなければならなかったが、ビリーとニコはマリクを迎えに行く。そこに辛い思いを共有した、たった数日の旅であったけど濃厚な時間であった、情が芽生えてて、それがまた切なくも暖かく、だけど、子供ならではであるのが物悲しかった。
ほのぼのと救われた思いがしたのは、イヴが目が覚めてアダムのところへ戻ってくる…のではという終わり方だった点。
面白いな、微笑ましいなと思ったのは、ニコに惚れてる金持ちダーラをずっと遠ざけてきたのに、最終的に二人仲良くなってる画で終わってる点。
辛い環境であっても、その子供時代がもしかしたら懐かしく思える未来がくるかもしれない、と思わせる作品だった。ざっくり、人生ってこんなもんだよね、と言っているかのようだった。
全編モノクロで、時折りカラーが混ざるのは、どういう意味なのかよくわからなかった。
スウィート・シング=愛しい君だと訳詞されてた。
★★★



