こんばんは!
あと9日でピルグリム2019、初日ですよ。
あ、今『初日ですよ』と書いた瞬間、一気に実感が押し寄せ、ちょっと心の臓が苦しくなりました。
その途端、一瞬の揺らぎを見逃さないもう一人の自分がムクリと起き上がると目を爛々とさせながら言うのです。



おっと。
いいかい、梅津瑞樹。
9日しか、ないのではなく、
9日も、あるんだ。
年明けからこっち、一ヶ月半にわたる稽古期間、その中でも、きっとこの一週間は最も濃密なものになるであろうことは想像に難くないよ。
いや、なるんだろうなぁと呆けた顔で待っていてはいけないよ。
君自身がそうしなくてはいけないんだ。
さあ、そうと決まれば先ずは何処から、何から考えようか?
まさか今日の通しのあんな芝居で満足しているわけじゃあないよね?
先輩達は毎日色とりどりの、それも面白いモノを持ってくるよね?負けていられないよね?
後輩達も日々どんどん良くなっていって何だか目が眩むよね?
君はどうだい?
PS4で遊んでいる場合じゃないんだよ、わかったね?



僕はゲーム機の電源へと伸ばしていた手を引っ込めると、踵を返して玄関へと向かいます。
そして、帰って靴を脱いだ時からぞんざいに放り出したままのリュックサックへと飛びつくとそこから台本を引っ張り出してやにわに捲り始めるのです。
この瞬間、もう一人の自分への敗北が決定的なものとなり、
そうなったが最後、彼は頭の中で延々同じ様なことを得意げにのたまい、頻りに揺らぎを責め立てます。
これはもう自意識の戦争です。
でもこうした揺らぎによって生まれた波を楽しんでいるサーファーな自分もいたりするので、まあよし。
そして一体何人いるんだ、お前ら。


さて、最近の稽古はというと、連日通したり、終わったあと大道具にみんなで色を塗ったりと、最後のコーナリングに入ったなぁといった感じです。
通す度に違う感情を発見するのでそれが楽しみであるのと同時に、新たな感情で苦しくもあり。
そして没入していくに連れ、日常が役に引っ張られていく感覚、というか自分の性質が役から多大な影響を受けているということに何気ない日常会話の中で気付かされます。
想像の力って凄いね。


そういえば先日、役に合わせて遂に髪を切りました。
伸びっぱなしだった髪に別れを告げ、一体どんな髪型になったのか…
ちょっと上げてた時に龍ちゃんと写真撮った気がするけど、下ろすと…
本番までは秘密です。
ですが、なかなか面白いことになっているということだけお伝えしておきます。お帽子が手放せません 笑


最近、ビューティーをプラスする系の写真アプリがあまりに肌を綺麗にし過ぎてゆで卵みたいにしてくるので普通にiPhoneのインカメを使って撮っていたらちょっとお洒落な感じ(よく知らんけど推定インスタとか、WEARみたいな)に見えるし、自分盛りませんよ?みたいなアピールちょっとクールなんじゃない?というしょうもない目論見で始め、いい感じに撮れた時は楽しいのですが、最先端のレンズによって浮き彫りになる本当の自分は往々にして陸に打ち上げられた深海魚みたいな感じです。アクアマンによろしく。


という訳で、帽子の下と本当の梅津の姿、是非、劇場にてその目で確かめてくださいね。




ピルグリム2019、稽古が始まって1週間が経ちそうです。
ウメツはというと、立ち稽古初っ端から喉の不調のために声が出せず、悲しい数日を過ごしていました。
初めてステロイドというものを処方され、服用して数日経つのですがありゃ凄い。手に取るように回復が実感できる。
数日前までは壊れたファービーみたいな声しか出なかったのに。

常々耳にはしていたステロイドという薬名ですが…むくむだか太るだか、兎に角副作用がものすごいだとかなんとか。
藁にもすがる思いで掴む、謂わば奥の手的なもので、さながら大統領が握る核ミサイルのスイッチのようなものだと聞いていたので、何やらその語感から感ぜられる禍々しさと相まって、記憶の奥底に禁忌と書いてしまいこんでいました。

かくして、遂にその禁忌に手を出すこととなり、ドキドキしながら飲んだのですが、
翌朝、起きて恐る恐る喉の調子を確かめたウメツは、思わず天を仰いで叫ぶのでした。
ハレルヤ!これは神からの賜り物に違いない、と。

さてさて、ステロイドを処方してくださったのは紹介してもらった喉や鼻に強い病院。
診察室に入るなり、スコープで声帯を診てもらうことに。またまた初体験です。
まず、先にカメラの付いたチューブのようなものを鼻から差し込んでいくのですが、これがあれよあれよという間にスルスル入っていくのだからびっくりする。そんなに入れちゃう?ってぐらい。
そうした不安を目で訴えることに専念していた矢先、先生が「じゃあ、いーーって言ってみようか」と言うので、そのままアホ面で「んひぃ〜〜」とやると、すかさず先生がモニターでチェック。
「…はあ〜こりゃ酷い」とこぼす。
この時、視界の端で画面をチラと見ると、そこにはあられもない声帯くんの姿が。
白っぽいのに縦線が入った、まるで麦飯のようなそれは、僕が音にもならないiを吐く度にカパカパと開いたり閉じたりしている。
自分という生き物の普段覗くことのできないシステマチックな部分が楽しい。
ちょっと感動。

という訳で、初詣で引き当てたおみくじは見事的中。
凶も凶、自分的には大凶と言ったところで、新年早々、沢山の人に迷惑をかけてしまいました…

でもポジティブに捉えれば、ここ2週間、はじめてのこと尽くしではあったかも…
あと声が出せないから、普段あんまり動かない表情筋を使ってコミュニケーションを取らざるを得ず、これがちょっと良い勉強になりました。


改めまして、新年明けましておめでとうございます。
2019年が始まってから早1週間。
ウメツはというと、両親と祖母と一緒に旅館で新年をお祝いして早々に発熱、三が日の間ずっとダウンしてました 笑
一人で深夜に温泉に浸かりまくっていたのがいけなかったのか…凄く幸先の悪いスタートを切ることに。初詣で引いたおみくじも凶だったしね。

そうそう。運が良かったのか、この世に生を受けてから26年、凶のおみくじに縁がなく見たことがなかったのですが…あれは酷いですね 笑
本当に良いことが何一つとして書いていない。
待ち人、来ず。失せ物、出て来ず。願い事、叶わず。
思わずちょっと変な笑いが漏れました。

あまりにもあんまりだったので、景気付けに出店でチョコバナナを買ったのですが、あんまり美味しくなかったです。


それはそれとして、
遂に虚構の劇団の稽古が始まります…!

久方ぶりに劇団の面々と顔を合わせたのですが、なんだかとても安心したというか、リラックスした状態でいる自分に気が付き、やっぱりここは自分にとってのホームなんだと実感した次第です。
小っ恥ずかしいのですがなんかいいですね、こういうの。

かわいい後輩のミゾとダイキ。


そして新たに加わった研修生のなすくん、ももか、だいすけ!
これからの一か月でもっと仲良くなれたらいいな。



劇団員以外でもよくよく見知った顔が。
「赫い月」、そして昨年の劇団公演「もうひとつの地球の歩き方」に引き続き、今作「ピルグリム2019」でも一緒の龍ちゃんこと秋元龍太朗くん。



更にはぽこぽこクラブのさかもんさんも!ピント!笑



かつて第三舞台が上演し、今回虚構の劇団verでお送りする「ピルグリム2019」!
一ヶ月後に一体どんなものが出来上がっているのか楽しみです。
是非是非、観にいらしてくださいね。








デルフィニア戦記、全九公演の幕も降り、また皆がそれぞれの道へと戻って行きました。

忘れもしない11月初旬に某所にて行われた本読みの日、なんとなく互いが互いを探り、妙な空気感が醸造されていたあの日から1カ月。
あんなにも和気藹々としたカンパニーへと変貌するなんて 笑

パンフレットにも書かせていただいたのですが、今回「デルフィニア戦記」という舞台に出演させていただくにあたって、これが2作目であるということ、アンサンブルかつ原作に登場するキャラクターを任せていただけるということで、既に作り上げられてきた原作と舞台の空気感へ溶け込むことができるか当初、本当に不安で仕方がなかったです。
しかも、いざ台本を戴いて開いてみれば最後の最後に皆美さん演じるリィと一騎打ちなんてことをしてしまっている。空想の中でならいざ知らず、お芝居で剣を振るなんてここ数年やってないぞ、と。
慌てて原作を読んだところナジェック王子、一瞬でやられて引き摺られていっちゃうじゃありませんか。
これは大変なことになったと心中穏やかではなく、遂に市瀬さんに殺陣をつけていただいた日、帰る道すがら立ち寄ったコンビニの前でコーヒーを飲みながら稽古を思い出して腕を振っていたり、家に着いても眠れず、近所の公園に出て練習したりと不安な日々を過ごしましたが、稽古場から劇場に至っても悔しい思いをする度に宮川さん、本多さん、皆美さんにどうしたらいいか相談させていただいたその末に、どうにか千秋楽まで漕ぎ着けることができました。

お芝居に関してもそれは一緒で、喋る頻度は多くはないにせよ、もっと面白くしたいという思いと自分の力量との差に四苦八苦していました。
特にリィとの婚約にこぎ着ける為に各国の使者が押し寄せるシーンでは、本多さん、小塚さんと三人で休憩の度にああでもないこうでもないと案を出し合ったり、悩ましくもあの時間は本当に楽しかったです。
そして、役者としては当たり前のことではありますが、そうした試行錯誤の末に生まれたものを演出家に提示するというのはなかなか勇気がいることなのです。
しかし、それを五味さんや宮川さんはそれを恐れずに仕掛けていくのです。
五味さんは凄く周囲のお芝居を観察していて、いつもこっそり呼んでアドバイスをくれました。
しかも、自分のあのシーンのあの芝居はどうだったかを僕なんかに訊ねてくるのです。
芝居をより良いものにしていこうとするその貪欲な姿勢に、深く尊敬の念を抱きました。
寺田さんは人見知りの僕に気さくに話しかけてくださり、いつもステージングの練習に付き合ってくださいました。そしてそれを見ていたマスターこと大澤さんが細かくチェックしてくださったり。今回初舞台だったという佐渡山くんは何事にも一生懸命で、その姿を見て改めて自分も襟を正す思いでした。
出演者とスタッフの方々、本当に暖かい方々ばかりでこんなにも恵まれた環境でお芝居をさせていただけたことが、平成最後にして最高の経験となりました。
願わくば、またご一緒したいです。その日を夢見て、また精進して参ります。






最後になりましたが、ご来場いただいて毎公演支えてくださった皆々様、そして出演の情報が解禁された段階で既にチケット完売だったにも関わらず駆けつけていただいた応援してくださっている方々に深く感謝致します。
また何処かでお会いしましょうね。
ちょっと邪悪な笑みと共に。



梅津

年の瀬へのカウントダウンに謎の期待と焦燥感が胸中せめぎ合い、時折脳裏をよぎる「ゆく年くる年」の文字。

想像していたより今年の冬は寒くならず、連日の稽古も相まってなんだか現実感の乏しい12月に足を踏み出しました。

先月、遂に稽古が始まったぞと腕まくりをしたデルフィニア戦記も、あれよあれよという間に最終稽古が終わり、こうして筆をとっている今も時折、あとは劇場にて披露するのみという現実が多少の緊張感を伴ってひょっこり顔を出すのですが、未だまどろみの中にいるような心持ちでこれを受け入れているわけです。

毎回言っているかもしれませんが、本当にあっという間に過ぎた稽古期間でした。

通しの後はヒィヒィ言っているくせして、それでも楽しくてもっと稽古したいと思ってしまうんですよね


泣いても笑ってもあと2日で幕が上がります。

11月から皆で精一杯、積み重ねてきたことをお見せ致しますので、是非とも楽しみにしていてくださいね。

願わくば「おっウメツ頑張ってんなぁ」と言わせたいです。




そして、来たる2019年の虚構の劇団の公演情報詳細がやってきました。

再び出演してくれる秋元の龍ちゃん!

初めてお会いする梅棒の伊藤今人さん!

更には新たに研修生も加わり、台本はピルグリムとこれは滾ってくるものがありますね

実はちょっと前に劇団内オーディションがあったのですが、見知った顔の中でやるというのにすこぶる緊張しました

既に第三舞台の公演でピルグリムを熟知している方も、そうでない方も、劇団員がそれぞれ何役なのか、果たしてウメツはどんな役を任されるのか、期待していただけると幸いです。


シアターサンモールに始まり、懐かしの近鉄アート館、あかがねミュージアムと、今回も旅が楽しみ!

まだまだ先ではありますが、こちらも楽しみにしていただければと思います。