奥の手

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ピルグリム2019、稽古が始まって1週間が経ちそうです。
ウメツはというと、立ち稽古初っ端から喉の不調のために声が出せず、悲しい数日を過ごしていました。
初めてステロイドというものを処方され、服用して数日経つのですがありゃ凄い。手に取るように回復が実感できる。
数日前までは壊れたファービーみたいな声しか出なかったのに。

常々耳にはしていたステロイドという薬名ですが…むくむだか太るだか、兎に角副作用がものすごいだとかなんとか。
藁にもすがる思いで掴む、謂わば奥の手的なもので、さながら大統領が握る核ミサイルのスイッチのようなものだと聞いていたので、何やらその語感から感ぜられる禍々しさと相まって、記憶の奥底に禁忌と書いてしまいこんでいました。

かくして、遂にその禁忌に手を出すこととなり、ドキドキしながら飲んだのですが、
翌朝、起きて恐る恐る喉の調子を確かめたウメツは、思わず天を仰いで叫ぶのでした。
ハレルヤ!これは神からの賜り物に違いない、と。

さてさて、ステロイドを処方してくださったのは紹介してもらった喉や鼻に強い病院。
診察室に入るなり、スコープで声帯を診てもらうことに。またまた初体験です。
まず、先にカメラの付いたチューブのようなものを鼻から差し込んでいくのですが、これがあれよあれよという間にスルスル入っていくのだからびっくりする。そんなに入れちゃう?ってぐらい。
そうした不安を目で訴えることに専念していた矢先、先生が「じゃあ、いーーって言ってみようか」と言うので、そのままアホ面で「んひぃ〜〜」とやると、すかさず先生がモニターでチェック。
「…はあ〜こりゃ酷い」とこぼす。
この時、視界の端で画面をチラと見ると、そこにはあられもない声帯くんの姿が。
白っぽいのに縦線が入った、まるで麦飯のようなそれは、僕が音にもならないiを吐く度にカパカパと開いたり閉じたりしている。
自分という生き物の普段覗くことのできないシステマチックな部分が楽しい。
ちょっと感動。

という訳で、初詣で引き当てたおみくじは見事的中。
凶も凶、自分的には大凶と言ったところで、新年早々、沢山の人に迷惑をかけてしまいました…

でもポジティブに捉えれば、ここ2週間、はじめてのこと尽くしではあったかも…
あと声が出せないから、普段あんまり動かない表情筋を使ってコミュニケーションを取らざるを得ず、これがちょっと良い勉強になりました。