邂逅(かいこう)の森 | みずいろのブログ ~ブルークレールオーガニクス~

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もともと本を読むことが好きで、


好きすぎて、夜更かしをしてしまうので


仕事に支障があってはいけないと


フィクションなどは何年も読まないようにしてきていて


仕事・勉強関係の本に限るか、もしくは、フィクションであれば

 

英語で読むようにしていたのですが


このお正月に


邂逅(かいこう)の森   熊谷達也著


という直木賞受賞の本を読みました。


邂逅とはめぐりあいなどの意味です。



 

秋田県のマタギが題材です。


マタギとは、東北地方・北海道で古くからのしきたりを


重んじて集団で狩猟を行う人たちのことを言います。


富治という男性のマタギを通した人生を書いた本です。




著者の熊谷達也さんの取材の量と知識の深さはすばらしく


マタギという、厳しい自然と共存し、死と隣り合わせの


伝統の職業を知ることができます。


文章は飾らず簡潔でわかりやすく、無骨です。


主人公の富治そのものです。


富治の、外見や性格などの直接的な説明が


ほぼ一切されていないところも面白い。


説明はなくても素朴で力強い、情のある


男性なのだと十分にわかります。


内容にはスピード感がありますのでどんどん進みます。





解説を書いた田辺聖子さんが


「すぐれた文学は、読み手に、自分のそれとは全く違う人生を体験させてくれる。」


と書かれていて、その通りだと思います。


 


仕事や勉強の関係の本はよく読みますが、


小説を読むという純粋な楽しさに久しぶりに触れました。

 

 


 


高校生の時までは小説をよく読んでいて、


川端康成の伊豆の踊子が、「トンネルを抜けると雪国だった」というだけではなく、


その物語の最後には、伊豆の大火事が降り注ぐような満天の星空に燃え上がるという


胸せまる表現に、息が止まりそうだったことを今でも覚えています。


あの本はすべてが一連の絵画のようです。



山月記を書いた早世の中島敦の本は高校生にすべて読み、

 

著者が30歳過ぎに喘息で亡くなって

 

いることを本当に残念に思いました。もっとこの天才作家の生み出す

 

物語を読みたかったからです。

 


今年はそういった本を読み返す時間を少し作りたいと思います。


皆さんも読書はお好きですか?今年はどんな本を読まれたいと思いますか?

 

 

 


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