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あさま山荘事件の陰で① / あさま山荘事件の陰で②/ あさま山荘事件の陰で③/
あさま山荘事件の陰で④ /あさま山荘事件の陰で⑤～＊～＊～＊～＊～＊～
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【私があさま山荘事件に関して記事にしている理由を知りたい方は①をご覧ください】
犯人の立てこもりが続いたある日。
自宅玄関のドアがノックされた。
コンコン、コンコン！！
夫の生存確認ができる唯一の手段であるテレビ中継にくぎ付けになっていた母は、（もう、こんな大切な時に誰だろう・・・）と思いながらも、「はい」と返事をして扉を開いた。
すると、扉の向こうに立つ見知らぬ女性が、せかせかと慌ただしくこんなことを言ってきたのだそう。
「いいことを思いついたの！！農業用の機械（具体的な名前を母も覚えておらず）だったら壁を壊せるから、それを使って突入すればいい！すぐに旦那さんに連絡して！！」
「あ、はい。わかりました」
するとしばらくして、また玄関ドアがコンコン、コンコン！！
「はい」と扉を開けた母に、また見知らぬ方が「いい方法を思いついた！！」と言って、勢いよくしゃべりだす。
こんなことが何度もあって、玄関扉がノックされるたびに「また来た」と思ったそう。
―――「あの時はみんな、居てもたってもいられなかったんだよ。あんなことはいままでなかったんだからねぇ」。
「でも、いくらいい方法だったとしても、現場に行くわけにいかないしね」と私が言うと、「そうなんだよ。「はい」「はい」って聞くしかなかったよ」と母。
この話をした時の母は、なんだか少し嬉しそうだった。
ふたりの幼い子どもを抱えてテレビに噛り付くことしかできなかった母にとって、事件解決の一端を担おうとしてくれている近隣住民の方の想いは、きっと、大きな支えになっていたことだろう。
私はこの話を母から聞くまでは、事件解決までの10日間、母はどれほど心細くて孤独だっただろうと思っていたのだけれど、母は近隣住民の方々と交流をしながら、意外な部分で慌ただしい日々を送っていたようだ。
⇒「あさま山荘事件」⑧に続く（不定期です）
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