「今日も、ちゃんと来てくれるかな・・・」

 

 

心の深いところでサワサワと感じる恐怖。

 

あえて気にかけているわけではないけれど、どんな人との待ち合わせの時も、気がつけばサワサワと心が揺れる。

 

 

 

「人はいつかいなくなる」

 

 

 

私の心に強烈に刻みこまれた命の真実。

 

それが後遺症となって、サワサワを発生させる。

 

 

 

しかしこれは、待ち合わせだけに限らず、寝ている時以外、私は常にサワサワしているようだ。

 

 

ひとりの時間、ふと、友人を思い出して「生きてるかな」と考えている自分に気がつく。

 

時には、唐突に、どうでもいい内容のメッセージを送って、生存確認をしてみたりする。

 

 

 

すべてサワサワのしわざ。

 

 

 

何年もあっていない友人ならともかく、週一ペースで会える人に対しても発生するちょっと厄介なサワサワを、実は、ちょっと気に入っている。

 

 

 

その人が生きているだけで「よかった」と思わせてくれるサワサワ。

 

特別なことなどなにもないのに、顔が見られただけでかすかな安堵感を生み出してくれるサワサワ。

 

 

 

 

後遺症―――ある人は「トラウマ」と呼んだこの現象を作り出したのは、紛れもなく渓太郎なのだ。

 

渓太郎は今日も私の心の底をくすぐり続ける。

 

 

 

「生きていることの奇跡」を忘れさせないように・・・。