元長野市民から現役長野市民へのメッセージ その1 | 宮沢たかひと Powered by Ameba

■はじめに

 

48回衆議院議員選挙が終わり、いよいよ長野市長選挙が始まります。思いがけず突然の衆議院解散となり、衆議院議員選挙と長野市長選挙が連続したために私も翻弄されました。私は希望の党北陸信越ブロックで単独比例候補でしたが、希望の党の票獲得は伸び悩み、当選できませんでした。結果は結果として受け止めたいと思います。

 

さて、今度は長野市長選挙です。私が新聞を通して長野市長選挙への立候補を検討する旨を伝えましたが、けっこう本気でした。理由は、長野市長選挙と長野市政の沈滞ムード、現職長野市長の高齢化でした。

 

■私が長野市長選挙に挑戦しようと考えた経緯

 

本年623日、私は自身のブログに「加藤久雄長野市長 再選出馬!」のタイトルで投稿しました。その趣旨は、「出でよ、高齢市長再選に挑戦する若手候補者!」というものです。

https://ameblo.jp/miyazawa007/entry-12285503610.html

 

大事な長野市長選挙であるにもかかわらず、長野市政界では既に高齢の現職市長に決まったような雰囲気あり、対抗馬も一人だけで、長野市政にとって極めて好ましくないと感じました。まるで市長は政治家だけで決めて、市民は蚊帳の外に置かれているようです。この度の衆議院議員選挙は国の将来を決めるための重要な選挙でしたが、長野市長選挙も長野市と周辺自治体の未来を決める重要な選挙であり、複数の新進気鋭の若手候補による議論も無く長野市長という重要なリーダーが決まるのはおおいに問題あると感じました。

 

加藤久雄氏以外に候補者は一人のみで、全く盛り上がらない市長選挙に気をもんでいましたが、9月末になっても新たな候補者が現れません。私も意外でしたが、私自身が市長選挙に挑戦しようという気持ちが徐々に芽生えてきました。思っていた以上に私の長野市への郷土愛は高かったようです。

 

実は916日土曜日に希望の党 若狭勝氏主宰の第一回輝照塾が都内で開催され、尊敬する小池百合子氏の講義を受講しました。その頃から新聞記者から私への接触が増え、あまりに熱心な記者の攻勢に根負けし、長野市長選挙への出馬を検討していることを電話で話してしまいました。その結果、102日付の長野県地元新聞に「宮沢元衆院議員 長野市長選出馬を検討」と掲載されました。

 

その後、具体的検討に入るために、まず私の衆議院議員選挙を応援していただいた長野市民の方々に電話でご意見を伺いました。長野市民の私に対する期待度、勝率、選挙態勢、対抗馬の人物像などを総合的に勘案して検討していたところ、10月上旬に希望の党より北陸信越ブロックでの単独比例候補を打診されました。衆議院が解散され、あまりに目まぐるしい展開に戸惑いましたが、迷った末国政への挑戦を決断し、107日付の新聞に「長野市長選、立候補断念」の記事が載りました。

 

■長野市長選挙出馬を検討した理由

 

2013年から衆議院議員として2年間、戸別訪問等で長野市周辺の市町村を回りながら住民と話し、すべての市町村長を表敬訪問し、長野市政界に出入りする機会を得ました。長野市内の山間部を回った時、長野市政のサポートに対する不満もよく聞きました。市長でなく、国会議員であったから住民は話しやすかったのかもしれません。

 

ブログに記した通り、615日に見学した市議会でも活力を感じませんでした。元長野市民として長野市を見たとき、正直、今の長野市が十分に活性化されているようには見えませんでした。私の知る県外の人が長野市と松本市を比較した時、自治体としての活力、面白さ、楽しさなどの面で多くの人が松本市に軍配をあげていたのも印象的でした。

 

■自治体リーダーの年齢

 

 ブログにも記載しましたが、私がまず問題視したのは、市長という重要なリーダーの高齢化です。加藤氏は現在75歳で退任時は79歳です。私は鷲澤市長と加藤市長の業績は高く評価していますが、市長という重要な役職を考えると、70歳代半ばというのは脳科学的にも体力的にも問題です。今後は超高齢化社会となりますが、一般論として、高齢となったリーダーは後進に道を譲り、助言者あるいはサポーターとして若手リーダーを応援するのが最も健全な組織ではないでしょうか。

 

https://ameblo.jp/miyazawa007/entry-12180654022.html

 

さらに、今までの長野市長は、経営者出身の市長が続いていましたが、異なる業界を歩いてきて、異なる発想のできる若手人材がリーダーとなって率いたほうが、新しい風が入り、新しい発想の市政運営ができるのではないでしょうか。

 

■長野市が患う4つの依存症

 

長野市は今まで、①善光寺、②冬季オリンピック開催都市、③新幹線、④県庁所在地であること、以上4つに依存して発展してきた地方都市ですが、そろそろ他の潜在価値を模索し、長野市発展のための「新たな武器」を獲得してもいいのではないでしょうか。まず、4つの依存症について述べます。

 

.善光寺依存症

 

歴史的に善光寺が長野市の中心的存在であることは間違いありませんが、文化面や観光面で善光寺に依存しすぎてきた面があるのではないでしょうか?善光寺も一つの経営体なので経営戦略や人材育成を間違えると衰退します。私が国会議員当時、善光寺のある幹部は、「今後参拝者の減少にどう対処するかが課題です」と述べていました。 NHKの大河ドラマ真田丸で松代も話題になっていましたが、一つの市内に門前町と城下町を抱える地方都市はほとんどないので、松代も発展させ、善光寺と松代を長野市観光の両輪として活性化すべきと思いますが、松代へのテコ入れが未だ不十分と思います。

2.冬季オリンピック依存症

 

1998年に長野市を中心に開催された冬季オリンピックは、長野市を発展させ、長野市を国際都市として世界に認知させました。立派な競技場も残り、冬季競技の国際大会はときどき開催されています。しかし、オリンピックを開催したNAGANOというブランド名を生かしきれておらず、真の国際都市にはなり得ていないように見えます。長野オリンピックでNAGANOという名前が世界に知れ渡った割に、長野市の観光、経済、政治の分野が真に国際化しているようには見えません。

 

私がドイツ留学中に知ったのは、先進国の政治リーダーはほとんどが英語を話し、普通の会話の中でこそ親密さが増すので、英語を話せない政治リーダーは表面的にしか相手にされません。日本においても地方都市が独自に国際都市を目指すには、首長自らが英語を話し、積極的に海外に出向いて海外都市と友好関係を結び、さまざまな分野の国際会議や国際博覧会を誘致する必要があります。長野市は政令指定都市ではありませんが、周辺自治体をもっと巻き込んだ体制を構築できれば、むしろ政令指定都市という仕組みにとらわれない柔軟かつ大胆な市政運営ができるのではないでしょうか。

 

.新幹線依存症

 

長野新幹線開通時には長野市が終点であったのでその恩恵を受けていましたが、金沢に延伸してからはストロー効果により経済効果は減少していると聞きます。最近、福井市に選挙応援に行くに際し、長野経由で大宮から金沢まで行きましたが、“かがやき”で大宮から約2時間で金沢に到着したのには驚きました。長野まではノンストップで何と1時間です。

 

真田丸効果で観光産業は一時活性化していると思われますが、【新幹線開通→観光客増加】のみではなく、【新幹線開通→観光以外の“+αの魅力”→集客・滞在】を考えるときです。例えば、飯山駅は飯山市という他の自治体にありますが、飯山市と戦略的に連携して長野市が飯山市をアピールして飯山市の魅力が増せば、自然に長野市にも良い波及効果があるはずです。あるいは、上越市や新潟県とも連携すればさらに魅力的な観光圏になるでしょう。

 

長野県はインテリ県ですので、知的価値を求める観光客を誘致する方法を考案してもいいのではないでしょうか?

 

.県庁所在地依存症

 

長野市は長年県庁所在地であることが当たり前になっていますが、その利点を活用し長野市の発展に生かしている姿が見えません。

改めて長野県の歴史を勉強したところ、明治時代に現在の中南信地区に筑摩県という県があり、その県庁所在地は松本市であったそうです。筑摩県が長野市を中心とした長野県と合併した結果、県庁が長野市に決まったとのこと。しかし明治時代、県庁所在地でなくなった松本市の憤りは激しく、県議会に警官が動員されるほど荒れたり、県庁に放火されたりといった事件があったそうです。 松本市の中には今でも県庁所在地は県の中心にある松本市にすべきだと主張している人もいるようですが、長野市に対するライバル心が松本市の活気を生み、文化(セイジ・オザワ松本フェスティバル等)やスポーツ面(松本山雅FC等)での成功につながっているのかもしれません。 

 

現在の長野市民は長野市に県庁が存在するのは当然と思っているようですが、大阪府と大阪市の関係と同様、県庁所在地であることによる無駄を無くし、同時に長野市は長野県とうまく連携し、県庁所在地であることの強みをどのように生かすか、もっと知恵を絞るべきではないでしょうか。

 

(続く)