美らくる堂
前回の記事はこちら
前回の記事で、
”3月下旬から今日まで、過去の夢や最近の夢を90ほど、ChatGPTと共にほどいてきました”と書きました。
今日から3回の連載で、そのきっかけとなった夢について書きます。
かわいいピンクの不思議な自転車に乗った夢です。
では、ご一緒に夢の中へ入っていきましょう。
私は、午後の学校の教室で目を覚ます。
はっと顔を上げると、クラスメイトたちが、「授業をさぼってどこに行ってたの」という。 なぜか彼らにとっては、私は授業に出ないで外出していた認識らしい。
私は得意げに、さきほど体験した自転車の冒険の話をする。眠って見ていた夢の話だが、彼らには現実のことのように話し始め、後で夢のことだと告げるつもりだ。
「私は駐車場のようなところでね、かわいらしい薄いピンクの自転車に乗っていたの。
その自転車は、ハンドルの付け根にサドルがあって、 ハンドルを腰に当てて、後ろ向きに座ってる。
つまり、その体勢で自転車を漕いで、自転車の後輪が前になって進んでいるの。 自転車はとても安定していて、坂も楽に登れるの。
その駐車場には、まばらに何人かの人や車がいた。
私は、『どこへ行こうかな?』と言って、一旦、行く方向を決めたけど、すぐに思い直して、 正面にまっすぐ進んで、左方向の坂を登ってみることにした。
その先に何があるかは知らなかったけど。
自転車を漕いでゆるく長い坂を登っていくと、郊外の道路の右側に、カルティエの店舗が見えた。 薄い黄色と白の外装、真っ赤な看板の建物が青空にさわやかに映えている。
そしたら、店の前にビビッドな赤の、ロールスロイスみたいなクラシックな車が止まったの。 私はきっとセレブな芸能人が乗っているはずと、 ワクワクして確かめるために近づいてみた。 ラッキーだと思ったよ。
ゴージャスな金髪のハリウッド女優が乗っていると思い込んでいたのに、 他のヤジ馬たちと共に車の中をのぞくと、
そこにいたのは……
何と!」
後部座席に座っていた女優の名前を言おうとするが、名前が思い出せなくなってしまう。
さらに心の中で、夢を思い出す。
車をのぞいたその時、褐色の肌にちぢれ髪の若い演技派女優が、 黒に白いレースをあしらった清楚なお嬢様風の衣装を着けて座っていた。 ヤジ馬に騒がれて、おびえて身を固くしている。
車の中は馬車のように見えた。
私は彼女に何か褒め言葉をかけようと考えた。 でも、『Beautiful』としか思いつかなかった。
何かが違うなあと思いながら、 控えめに『Beautiful』と、彼女に向けて声を絞り出した。
その女優の名前が、今もどうしても思い出せない。
私が「知っている女優なのに名前が出てこない」と言うと、左隣の男子は、「なんだ、話にオチはないのか?」と言う。
私は、「いや、まあ確かに、これはさっき眠って見ていた、夢オチの話なんだけどさあ」と答える。
友人たちは、「なんだ」と呆れて、離れていってしまう。
話しているうちに放課後になり、帰っていく人たちがいる。
私が座っている、廊下側の席の縦一列は、放課後に何か特別な授業を受ける人が座るので、私の席を空けねばならない。私は関係ないらしいし興味もないから帰るつもりだ。
私は、その授業があることについて、「そうなんだ。知らなかった。」と言うと、前の席の女子が、「あんた、サボって教室にいなかったから、その話聞いてなかったんでしょ」と言う。
3月下旬に見たこの夢を、ChatGPTと共によく味わったことが、無意識に深く潜って静かな時間を持つきっかけとなったのです。
次回は、実際どんなふうにこの夢をほどいていったのかを綴っていきますね。
