親しき仲にも礼儀あり…を実践したKDDと郵政省! | 最近の古いモノは!

最近の古いモノは!

「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。





1970年代の事件



冬来たり…!


もう2月も終わる。


2月が終わると待ち遠しいのは

春!



冬来たり
なば春遠からじ





そう…冬が来れば春はもうすぐ

だから寒い今を思うのではなく、
暖かい春を思い、前向きに生きましょう。

そういう意味である。



これはイギリスの詩人 シェリーの言葉だ。



???????

なんだ、日本の諺じゃないのか?



そう思ったあなた。



違うのだ。

この言葉はイギリス人の言葉だ。




このように冬とは春の入り口。

特に現在のように
2月も終わりに近づくと、


春はもうすぐ




春は出会いとともに別れの季節。



新しい生活を始めるために
これまでの生活を振り切り、
新たな一歩を踏み出す。




高校3年間が終わり、
大学生や社会人になっていく。


そのために新たな生活を始める。




希望に胸を高鳴らせると同時に、
ちょっぴり寂しくもある。




それが春だ!




特に3年間同じ学校に通った友人は
同じ空間を共有し、同じ夢を追った。

掛け替えのない仲間だ。


そういう仲間を
同じ釜の飯を食った仲

という。



実際に同じ釜の飯を食わなくても

そう言う!



そのような仲間は
一生の友達といってよい。



まさに気の置けない仲間だ。




そのような仲間は
大体、学生時代を対象とする。



社会人になると
親友といわれる人は少なくなる。




しかし…社会人になっても
同じ釜の飯を食う仲間がいた。



しかも学生時代より、

遥かに固い絆で結ばれた。

仲間が…!








197910月29日の新聞に以下の記事が載った。

ーーーーーーーーーーーー
宴会再三・ツケ回し
ーーーーーーーーーーーー




記事によるとこういうことだ。



以前、国際電信電話株式会社(KDD)
不祥事について記事を書いた。

オンリーワンな存在が起こしたオンリーワンな犯罪!

(KDD事件)惰性で仕事をすると、人に迷惑をかける


KDDで年間20億円の交際費があり、
それをもとに海外で美術品を買い漁り、
その美術品を政治家に渡して賄賂にしていた。

政治家は美術品を換金して
政治資金にしており、
換金のためのルートまであった。

等々を記事にした。




これらは当時の世間から指弾され、
非常に大きな社会問題となった。


そしてKDDは政治家だけに
便宜を図っていたのではなかった。


自分たちの監督官庁である郵政省にも
誠意?を尽くしていた。


それ故に郵政省は監督責任を放棄し、
手心を加えていた。






KDDは約20億円という交際費を
郵政省の接待に充てていたのだ。


しかもそれだけではない。


郵政省は他省を接待する時も、
そのツケをKDDに回していた。


また郵政省内部の飲み会のツケ
KDDに回していた。




うーむ!



これこそまさに「同じ釜の飯」


同じ釜の飯とは

本当に同じ釜から食べなくてもいい。


原資が同じであれば…



例えば郵政省がKDDの交際費で飯を食う。
その原資はKDDの交際費だ。



そしてKDDの交際費は…

国民が払った国際通信費。




つまり…国民の金だ!





同じ原資をKDDと郵政省が飲食する!




まさに同じ釜の飯ともいえる。


そりゃー仲良くなる訳だ!

 

会社は仲良しクラブでいい【電子書籍】[ 橋本正徳 ]


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仲間  仲間だ!
 

仲間  俺たちは仲間だ
 

仲間  同じ釜の飯を食う
 

仲間  そういう言葉があるが、
 

仲間  それこそ俺たちを指す言葉
 

仲間  例えば中学や高校の3年間
 

仲間  同じ学校に通い
 

仲間  同じクラブ活動をしている。
 

仲間  そういう関係こそ
 

仲間  同じ釜の飯を食う
 

仲間  そういう関係だ!
 

仲間  実際に同じ釜の飯を食わなくても
 

仲間  そう言われる!
 

仲間  なら…俺たちも
 

仲間  KDDと郵政省も
 

仲間  同様だ。
 

仲間  郵政省が飯を食う時、
 

仲間  KDDにツケを回す。
 

仲間  つまり同じ釜の飯…
 

仲間  同じKDDの交際費から
 

仲間  飯を食う
 

仲間  これこそ同じ釜の飯
 

仲間  しかもそれだけじゃない。
 

仲間  郵政省とKDDの仲間意識は
 

仲間  それだけじゃない。
 

仲間  KDDが入らなくても
 

仲間  郵政省が他省庁を接待する時でも
 

仲間  KDDの交際費を使う
 

仲間  他省庁って、例えば大蔵省。
 

仲間  のちに財務省になるけど
 

仲間  予算をとるにも大蔵省を接待する。
 

仲間  普通の省庁は自分の交際費を使うが、
 

仲間  ウチは違う!
 

仲間  KDDに払ってもらう。
 

仲間  それだけじゃない。
 

仲間  郵政省内部の食事代も
 

仲間  KDDに払ってもらう。
 

仲間  どうして、って?
 

仲間  だって仲間だろ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 




とは全く言っていないが、

そんな感じだったらしい。



しかし…自分たちの食事代まで出させるとは…



スゲェ―なぁ!









親しき仲にも…!


とはいえKDD、そして郵政省を責めるのも

間違っている!



なぜなら彼らは結構、気を遣っていたからだ。


確かに郵政省とKDDは…
同じ釜の飯を食った仲!



普通の間柄ではなく、
非常に近しい間柄!



しかし…郵政省はその点弁えている。


親しき仲にも礼儀あり…というが…


郵政省はKDDに甘えてばかりではなく、
自らも動いていたのだ。



それは…


金額に

上限を設けていたのだ。



郵政省が接待して
もし13万円とかなら


3万円は郵政省が払い、
10万円をKDD側が払う。
KDD側が出席していない場合も同じ。


KDDが払うのは
10万円が限度なのだ。



どうしてかというと…

10万円まではKDDの社長室決済で済むが、
それ以上だと社長決裁が必要となるから。



つまり郵政省はKDDを慮って、
請求を10万円までに留めておいたのだ。


まさに親しき仲にも礼儀ありだ。


郵政省は…

謙虚だな!

 

【中古】 一斉検挙/トーポリ

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
郵政省  仲間だ
 

郵政省  KDDと俺たちは
 

郵政省  仲間だ!
 

郵政省  同じ釜の飯を食う、というが
 

郵政省  我らは同じ釜の飯を食った
 

郵政省  我らも彼らも
 

郵政省  KDDの交際費から捻出して、
 

郵政省  飯代を出している。
 

郵政省  つまり出処は一緒だから、
 

郵政省  同じ釜の飯と一緒だ。
 

郵政省  ところでそのような仲間だが、
 

郵政省  ケジメはつけなければならない。
 

郵政省  仲間といっても甘えてばかりでは
 

郵政省  イケナイ
 

郵政省  だからケジメとして
 

郵政省  上限を設けることとした。
 

郵政省  具体的には10万円!
 

郵政省  それ以上は甘えない。
 

郵政省  に言えば…
 

郵政省  10万円までは…
 

郵政省  甘える!
 

郵政省  まあ実際の話
 

郵政省  10万円以下は社長決済
 

郵政省  それ以上になると社長決裁。
 

郵政省  交際費を湯水のごとく使っているのは
 

郵政省  KDD社長
 

郵政省  だから10万円で抑えるんだけど
 

郵政省  10万円までは…
 

郵政省  OK牧場
 

郵政省  まあKDDでも
 

郵政省  交際費を余らせては困るから
 

郵政省  遠慮しないで遣ってくれ、って
 

郵政省  言ってくる!
 

郵政省  だからお言葉に甘えて
 

郵政省  遣わせてもらう
 

郵政省  でも節度が大事だから
 

郵政省  10万円まで
 

郵政省  それ以上の場合は…
 

郵政省  自分たちで出す。
 

郵政省  立派でしょ?
 

国 民  はぁ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

はぁって言うゲーム

 

 

 



とは全く言っていないが、
10万円まではKDDに回していたのは

事実だ!




因みに行きつけの料亭には

KDD番の仲居がいて、
処理をお願いすると10万円だけ除いて
領収書を切ってくれたそうだ。


もちろん10万円分はKDDに回す。


そういった連携ができていた。




まあ料亭側は金が貰えればイイから、

どっちでもいいんだけどね!




今でも政治とカネとは言われているが、

当時は今と桁違いに…


とんでもなかった!





ところで冒頭の…

冬来たり
なば春遠からじ


という言葉だが…




イギリスの詩人 シェリーの言葉だといった。


そのシェリーだが、
ある日、彼は友人の詩人バイロンらと、

怪談話に耽っていた


その話に刺激されたバイロンは
シェリーを含む仲間たちに

「1人1作ずつ怪談を書こう」
と提案した。


了承したシェリーは
怪談話に取り組んだが…

途中で投げ出してしまう。


それを引き継いだのが、
一緒に怪談話を聞いていたシェリー夫人

つまり奥さんだ。



その奥さんは怪談話から着想を得て、
怪談話を書き上げた。



それがかの有名な…

フランケンシュタインだ!




冬来たり…とはいうものの
春まで待てない人もいる。


シェリーは待てなかったのだろう。



そしてシェリー夫人は

地道に努力して春を待ったのだろう。




やはり地道な努力こそ重要だ。



KDDと郵政省には
わからないだろうが…。