完璧な計画が、ある壁にぶち当たった話！

１９８０年代の事件



◎完壁な存在


今はアイドル全盛期と言われる。


だからこんな歌がヒットする。


その名もストレートに「アイドル」



しかしこれまで数多のアイドルがいたとはいえ、
金輪際現れない完壁で究極のアイドルといえば…


この人だ！



完壁なアイドル　田原俊彦！



デビュー以来、
飛ぶ鳥を落とす勢いで駆け抜け、

還暦を迎えた今も
アイドルの最前線に立ち続ける

生ける伝説だ！



まあ一番星というか、
もうすぐ星になりそうだが…

それでも現役のアイドルだ。




ところでそんな田原俊彦だが、

完壁なアイドルであるが、
それでもできないことがある。



例えばこれ！




まあ「みどり」なら

「緑」となら書けただろうが、
「碧」は難しいな。


これは決して未熟ではない。




とはいえ完壁な田原俊彦にも
出来ないことはあることが、
証明された！





これは何も田原俊彦だけのことではない。

誰にでもミスはある。





例えばこの文章を読んでいるあなた！

あなたは見抜けているか？




これまでの文章にあった誤字を…







そう…「璧」が「壁」になっているのだ。



その段階で

「完璧」じゃない。





まあこのように…

誰でも完璧だと思いながら

完壁ではない！



それもホンの偶然で
完璧じゃなくなった事件が…

以前あった！







1981年1月30日の新聞に以下の記事が載った。

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”完全犯罪”阻んだロープ
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1981年1月22日　佐賀県唐津市星賀漁港にて
水没している自動車が発見された。

引き上げられた車には男性の遺体があった。

中にあった名刺から
遺体は水産会社社長Ｓさん（42）とみられた。

しかしＳさんは顔を殴打され、
判別は不能であった。




結論から言うと、
この事件は替え玉殺人である。





別人を水産会社社長とすり替え、
社長の保険金を受け取ろうとした。


もちろん犯人は社長であり、
その妻や愛人も共犯であった。

社長は業績の不振から借金がかさんでおり、
そのための犯行だった。




この事件は佐賀替え玉保険金殺人事件と呼ばれ、
それなりに有名な事件だ。



この事件の手口はこうだ。



社長のＳは水産会社を経営しており、
長崎県の離島に取引先がある。

その際に佐賀県唐津市星賀漁港をよく利用する。

星賀漁港に出る道はＴ字路になっており、
突き当りは海、そこから左に折れ、
約300ｍ先にフェリーの乗り場がある。

直角のＴ字路は幅５ｍと狭く、曲がりにくい。

そこで夜間にＴ字路を曲がり損ねたと偽装し、
事故に見せかけようとした。



因みに実際の遺体は、
社長のＳが競艇場で知り合った人物で、
背格好は似ていて足のつきにくい人物を選んだ。




この計画は完璧のように思えた。

事実、警察も騙されかけた。
 

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社長　　完壁だ！
 

社長　　完壁な計画だ。
 

社長　　今でこそ保険金殺人など珍しくないが、
 

社長　　1980年当時は結構珍しい。
 

社長　　しかも単なる保険金殺人ではなく、
 

社長　　替え玉殺人だ！
 

社長　　保険金殺人なら保険金をかけた奴を…
 

社長　　ターゲットにする
 

社長　　だから保険金をかける時に
 

社長　　バレる恐れがある
 

社長　　しかし替え玉なら
 

社長　　バレる心配はない。
 

社長　　だって保険金をかけるのは
 

社長　　俺自身だから！
 

社長　　バレることはない。
 

社長　　計画は完壁！
 

社長　　場所は佐賀県唐津市星賀漁港
 

社長　　ここからいつも商用のために
 

社長　　フェリーに乗る
 

社長　　買い付けのために定期的にね
 

社長　　そこはＴ字路になっていて、
 

社長　　そのまま真っ直ぐ行くと海に落ちるが、
 

社長　　そこを左折して300ｍで
 

社長　　フェリー乗り場に着く。
 

社長　　その間の道幅は約5ｍ
 

社長　　結構ギリギリなんだよね。
 

社長　　特に夜は徐行しないと危険
 

社長　　実際に堕ちそうにもなったよ。
 

社長　　だから夜間、
 

社長　　そこを曲がりそこなった体で、
 

社長　　落下する！
 

社長　　それで運転手死亡で
 

社長　　つまり俺死亡で…
 

社長　　保険金ゲット！
 

社長　　まあ実際死ぬのは
 

社長　　競艇場で見つけた別人だけど
 

社長　　この計画なら警察の目も
 

社長　　欺ける！
 

社長　　我ながら完壁だ！
 

筆者　　だから「壁」になっているぞ。
 

社長　　・・・・・・・・・・！
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とは全く言っていないが、

どうやらそういう計画だったようだ。


実際にうまくいきそうだった。



しかし誤算があった。








◎唯一の誤算！

実はＴ字路で車を落とす際、
ロープに引っかかって落ちなかったのだ。


どういうことかというと、


Ｔ字路まで車で運んで、
そのままギアをニュートラルにし、
押して落とそうとしたのだが、

そのＴ字路から海に向かって、
１本のロープが伸びていたのだ。


そのロープは係留していた
クレーン船に繋がっており、
当然かなりの強度だった。


だから車が乗ってもビクともしなかった。


替え玉殺人を成立させるには、
車が海面に落ちてないと成立しない。


道路からははみ出していたが、
係留されているロープの上にあるのに、

運転手が死んでいるのは辻褄が合わない。




そのため焦った犯人は…

愛人が運転するレンタカーをぶつけ、

車を海に落とした。



因みに愛人が付いてきたのは、
帰りの足を確保するためだった。



その際、バックでぶつけたのだが、
テールランプが破損した。



それが物証となって事故ではなく、
殺人ではないかと警察に疑われた。




うーむ！



間が悪かったな！
 

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犯人　　完壁だ！
 

犯人　　完壁な計画で、完壁な実行
 

犯人　　計画が良くできているのはよくあるが、
 

犯人　　実行が伴わなければ
 

犯人　　無意味だ！
 

犯人　　その点、ここまでは完壁！
 

犯人　　替え玉を用意し、ここまで運び
 

犯人　　夜を待ってＴ字路に到着
 

犯人　　あとは遺体に名刺を入れ、
 

犯人　　ギアをニュートラルにして押して落とす。
 

犯人　　それだけだ！
 

犯人　　そして愛人に運転させている
 

犯人　　車に乗って逃走すれば完了だ。
 

犯人　　ここは何度も通った道
 

犯人　　地の利はこちらにある。
 

犯人　　今は夜だが、何ら問題がない。
 

犯人　　さぁ、押すか！
 

犯人　　車でもギアがニュートラルなら
 

犯人　　結構簡単に押せる。
 

犯人　　もうすぐだ。
 

犯人　　えっ？
 

犯人　　もう車体の半分は道路から出ているのに
 

犯人　　海に落ちない！
 

犯人　　どっ、どうして？
 

犯人　　あっ！
 

犯人　　ロープが張ってある。
 

犯人　　どうしてだ？
 

犯人　　ここは何度も通ったが、
 

犯人　　こんなロープ見たことない。
 

犯人　　かなり頑丈そうだな！
 

犯人　　あのクレーン船に繋がっているのか？
 

犯人　　ちょっ…どうしよう
 

犯人　　このままじゃ、海に落ちない。
 

犯人　　そうだっ、車で押そう
 

犯人　　幸い愛人の車がある。
 

犯人　　あれでバックから当てて海に落とす。
 

犯人　　それだ！
 

犯人　　急いでやらなきゃ
 

犯人　　よしっ、落としたぞ。
 

犯人　　あとはこの車で逃げる。
 

犯人　　よしっ、完壁だ！
 

筆者　　だから「壁」だって
 

犯人　　・・・・・・・・・・！
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このように完璧な計画だと思ったが、
思わぬ「壁」があり、殺人事件と発覚した。




犯人もツイていない。




因みにこのクレーン船だが、

この港に来るのは年に１回。


年に１回？


本当に間が悪いな。


そういう意味でもツイていない。





まあ一番ツイていないのは、

何の関係もないのに殺された

競艇仲間だけどな！





そういういみではこの犯人は

ツイてないじゃなくて
因果応報と言えるだろう。





完壁なアイドルがいないように、

完壁な計画も無いものだ。




あっ…また「壁」になっていた。