★★★★★★★★★★

2012年 95min.

ネタバレ あるんじゃないかと思います。

敬称略

 

 

 監督 ピート・トラヴィス

 製作総指揮 スチュアート・フォード ほか

 製作 アンドリュー・マクドナルド、アレックス・ガーランド ほか

 脚本 アレックス・ガーランド

 音楽 ポール・レオナルド・モーガン

 

 ドレッド:カール・アーバン

 アンダーソン:オリヴィア・サールビー

 ママ:レナ・ヘディ

 ケイ:ウッド・ハリス

 ケイレブ:ウォーリック・グリア

 チーフ・ジャッジ:ラキエ・アヨラ

 レックス:ラングリー・カークウッド

 チャン:カール・サニング

 アモス:ジュニア・シンゴ

 トラヴィス:ドーナル・グリーソン

 

 

 わたし当初、1995年のシルヴェスター・スタローン版「ジャッジ・ドレッド」のリメイクだと思ってたんですけどね、どうやら違うらしい、ということで座を正したところから始まります。主役の「ドレッド判事」をカール・アーバンが演じるそうなので、ちょっとイメージちゃうんちゃうか、とは思いましたけど。

 

↑冒頭ですけど、核でアメリカは荒廃してしまった、の図です。

 

 その荒廃したアメリカでの出来事だとオープニングでカール・アーバンがしゃべってますが、なんかしゃべり方も映像も終末感満載で、あやうくわたし「北斗の拳」かと思うところでした。

 

↑とりあえずショッカーの秘密基地が出てきました。

 

 正義の機関の人たちの本社ビルはショッカーのアジトのようです。

 

↑なんかチンピラみたいのがハイになってます。

 

 あきらかに違法薬物ですけど、その描写が斬新でした。のちにこのドラッグは「スローモー」といって、吸うとなにもかもがスローに感じるというものだと判明するのですけれども、スローに感じると同時に快楽も得られるようで、恍惚の表情しとりますね。スローの描写としては満点ですよね。

 

↑こちらがドレッド判事、カール・アーバンです。

 

 無精ひげで口はへの字、というのはスタローンと変わりません。まあ原作がコミックスですので、おそらくそういう顔なんでしょう。

 

↑判事による処刑だそうです。「成敗!」て感じでしたね。

 

 ここのCG映像は観ていて単純に「すげぇ」と思いました。若干、トム・サヴィーニだとどうなったんやろ、とは思いましたけど。

 

 えと、まだオープニングの段階でしたけど、ここで思ったのは、スタローンはまだ人間臭かったけど、本作はすっかり機械的いうか、とにかくなんかジャッジ・マシーンて感じだ、ということです。どっちが原作に忠実なのかわかりませんけど、こういう無機質なところはよりサスペンス性を際立たせて、それはそれでいいと思いますよ。もちろんスタローンのようなのもわたしは好きですけど。

 

↑上から皮をはがれた死体が降ってきました。

 

 いやまあ、なにからなにまで斬新ですよ、映像的に。

 

 ということで、わたしもうすっかりのめり込んでます。う~ん、どうなんでしょう。めちゃくちゃおもしろいと思うんですけど、だからどうして2作目ができないのかが不思議でなりません。若干本作でやりすぎたのでしょうか。ナゾではあります。

 

↑拳銃持った悪党が逆に撃たれてほっぺたから向こうのほっぺたへと弾丸が貫通してますね。

 

 こういうとこはやっぱりCGじゃないと、ではあります。うしろの女性がしれっとおっぱい見えてますが、そちらはCGではないのでしょうね、きっと。

 

 いつもわたしは、なんでもかんでもCGという風潮はアカン、と言ってるんですけれども、こと本作のようなCGに特化しているような映画ならそれはそれで万々歳でもあります。こういう映像はどう頑張ってもSFXではできないのでしょうからね。上手く融合できてればそれはそれでいいのですね。

 

↑そうこうしていたら、みんなビルに閉じ込められました。

 

 200階建てのビルがありましてね。1階は商業施設で上は居住区、しかもビルの中央は1階から200回まで吹き抜けになっている、と。そこにはもともと数種類の族がいて、スローモーなる薬物がまん延している。そして縄張り争いが勃発して1族だけが残って、その捜査にドレッド判事と、その相方になるかどうかのルーキー判事がやってきた、ということであります。で、その悪の一味が判事たちを殺そうとビルを封鎖した、とまあそういうわけです。

 

 話的にもずいぶんとスタローン版とは違いますね。とりあえず本作では、こうして2人の判事対数百の悪党、という構図ができあがりましたよ。

 

↑容赦せずに悪党を撃ち殺します。

 

 まあ、判事に対する攻撃は即死刑という法律ですからね、カール・アーバン、ばんばん撃ちまくってばんばん殺してゆきます。わたし、ジョン・ウィックかと思いましたよ。

 

↑こちらドレッド判事の相方になれるかどうかの瀬戸際のルーキー、アンダーソン判事です。

 

 ルーキーですからね、見習いですけどね。判事に見習いなんてあるのか、とは思いますが、なんかドレッド判事と組む今回の捜査が最終試験のようです。めちゃめちゃかわいいですよね。荒んだ街の紅一点、であります。スタローン版のダイアン・レインにまったく負けてないです。

 

 ところで、わたしここでふと気づきましたけど、本作ではカール・アーバン以外は誰も知らないです。若干数名はわたしが観たことのあるほかの映画にも出演されてるようですけど、まったく印象になく。カール・アーバンと同じくテレビの人なのかなあ、と思って観てました。

 

↑ママさんです。

 

 いや、だれかのお母さん、というわけではなくって、名前(役名ですよ)をマデリーン・マドリガルというので、性と名の最初の文字を取って通称「ママ」と呼ばれとるわけです。まあ悪の一味の母親という意味もまじってるのでしょうけれどもね。

 

 演じるのはレナ・ヘディ。「ジャングル・ブック」とか「ブラザーズ・グリム」、「地獄の変異」、「高慢と偏見とゾンビ」なんかに出ておられるそうでして、わたしどれも観てるんですけど、まったく覚えてなかったです、スミマセン。ウィレム・デフォーのような顔のわりに声はかわいいです。まあ風貌はメイクなんでしょうけれど。

 

 どうしてもスタローン版と比較してしまうのですけれども、本作はスタローンのようにちょっとユーモアのある人間味というのがまったく感じられないので、なのでけっこうキンチョーしますよ。カール・アーバン自身はおもしろい人なので(て、ドラマ「オールモースト・ヒューマン」の彼だけしか知らないですけど)、そのギャップも功を奏しているのかもしれないです。ちなみにそのドラマでは、ロボットと組む刑事の役をやっておられました。おもしろいドラマだったのに第1シーズンで打ち切りだったのはザンネンでなりません。

 

↑集中砲火です。

 

 ドレッド判事と相方(予備軍)のアンダーソン判事は、ビルのワンフロアに閉じ込められて、こうして集中砲火を浴びることになります。

 

↑壁に向ってどんどん撃ってますが、

 

 壁をも貫く弾丸のようでしてね、

 

↑この人も

 

↑なんか消えちゃうんですよ。

 

 恐ろしいことでございます。

 

↑ドレッド判事でさえ、

 

↑飛ばされちゃいます。ジョジョ立ちしてるわけではないのですね。

 

 もちろんドレッド判事ですから、なんとか逃げることに成功します。

 

↑ベランダみたいなとこに緊急避難するわけです。

 

 そうしていったん体勢を立て直しますと、今度は一転反撃に出ますよ。そうこなくっちゃ、ですよね。

 

↑敵の一人捕まえて吹き抜けから放り投げるのです。

 

 相変わらず容赦なし、です。そして

 

↑ニヒルに立ち去るわけです。

 

 めちゃくちゃカッコいいです。カッコよすぎてわたし、笑ってしまいましたよ。

 

 ただわたしここでひとつ思ったんですけどね、さっきのベランダのとこ、なんかこれだけハイテクの判事組織なら、跳んで逃げられるなんかはなかったんか、て。まあいいですけどね。原作もそういう設定なのでしょうから、それは単なる他愛もないギモン、ということなのでしょう。

 

 まあいずれにしましてもこの銃撃戦、たっぷり5分間、観ごたえバツグン、でありました。

 

↑悪党ひとり捕まえて、いよいよ反撃ということでワクワクしてしまいますね。

 

↑そうこうしてたらアンダーソンだって捕まっちゃうわけですよ。

 

 そうやろそうやろ、と、そうこなくっちゃ、となるわけです。

 

↑だから判事もめっちゃ怒るのですね。若干スネてるようにも見えますけどね。

 

↑ここでも怒りは収まりませんよ。

 

 いやあ、カール・アーバンがこんなにかっこいいとは、うれしい誤算です。いや、「誤算」ではないですけどね。まあなにしろ思ってもいなかったので、うれしかったのは事実です。ちなみに、

 

↑こちらがドレッド判事のカール・アーバンですが、実際は

 

↑こちらの方です。

 

 わたしは別人だと思いますけどね。

 

 で、そうこうしてますと、

 

↑助けに来たはずの仲間の判事たちが、悪いヤツらからお金をもらうことで裏切ります。

 

 ママからお小遣いもらって悪い(ほんとは良い)やつを倒しに行くのですね。ハードボイルド、なのです。

 

↑ということで、こうして判事どうしで戦うのですけれどもね、

 

 どちらもヘルメットかぶってますので、ザンネンながらどちらがどちらなのかは全然わかりませんよ。強い方がカール・アーバン、と割り切って観るしか手立てはありませんでした。

 

↑もちろんアンダーソンも戦いますよ。

 

 いやあちょっと見ないうちに判事らしくなりました。容赦してませんもん。

 

↑なんでわざわざ後ろ回し蹴りなのかはナゾですが。

 

↑でもドレッド判事、撃たれました。

 

 もう無敵だと思ってましたから、このシーンはちょっとショックでした。でもそんなショックなんかどうでもよかったのですよ。

 

↑もうダメか、なんて思ってたらホチキス(東北では「ジョイント」)でパチンパチンとして

 

↑ほれこの通り、でした。

 

 いつもの治療セットだ、とか言ってましたけど、すぐ治って普通に動けるのはさすがの最新技術ですね。こんなことできるんだったらやっぱり飛べよ、とはいいませんけどね。

 

 で、最後は

 

↑ママも飛ばされました。

 

 さようなら、という感じでしたね。また曲がいいんですよ。痛快エンターテインメント、10個、ということです。

 

 ちなみに。

 

 なんか本作、出てくる判事は全員ヘルメット取らないんですよ。みなさん顔が出なくって気の毒やったな、とは思いました。それを踏まえて、

 

 

今日の一言

「ドレッド判事がほんとにカール・アーバンだったのかはギモンの残るところやね」

 

 

レビュー さくいん