★★★★★★★★★

1978年 157min.

ネタバレ みなさんご存じでしょうので。

敬称略

 

 

監督 リチャード・ドナー

製作総指揮 イリヤ・サルキンド

製作 ピエール・スペングラー

脚本 マリオ・プーヅォ、トム・マンキウィッツ

音楽 ジョン・ウィリアムズ

 

 レックス・ルーサー:ジーン・ハックマン

 スーパーマン/クラーク・ケント

          :クリストファー・リーヴ

 ロイス・レイン:マーゴ・キダー

 ジョー・エル:マーロン・ブランド

 オーティス:ネッド・ビーティ

 ミス・ティッシュマーカー:ヴァレリー・ペリン

 ジミー・オルセン:マーク・マックルーア

 ペリー・ホワイト編集長:ジャッキー・クーパー

 ジョナサン・ケント:グレン・フォード

 マーサ・ケント:フィリス・サクスター

 ララ:スザンナ・ヨーク

 最長老:トレヴァー・ハワード

 ボンド・アー:マリア・シェル

 ゾッド将軍:テレンス・スタンプ

 アーサ:サラ・ダグラス

 ノン:ジャック・オハローラン

 クラーク・ケント(青年時代):ジェフ・イースト

 ラナ・ラング:ダイアン・シェリー

 

 

 今さらの感がありますが、1978年の超大作ですね。

 

 わたしこの映画、初めて観たのは公開当時ですから12歳です。ボーイスカウトに入ってましてね、その友達の家に夏休みに遊びに行ったんですよ。朝早くから行ったんですけど、そしたらその友達、小林くんが「スーパーマン」観たい、と。わたしは友だちどうしで映画を観に行くなんてしたことなかったですから戸惑いましてね、そしたら小林くんのお母さんが、お金出してあげるから行ってらっしゃいよ、って言ってくれて、それで観に行ったんですよ。

 

 いやあ、おもしろかったですね。字幕映画なんてのも初めてだったですから、なにもかもが新鮮で。で、やっぱり思春期の男の子、ロイス・レインがスーパーマンに「わたしのパンティの色は?」「ピンク」てくだりで二人ともコウフンしたものです。

 

 映画終わりで今度はわたしの家に帰って夕食、という流れでしたものですから、地下鉄の駅を降りて家に向かいます。で、途中に名古屋でもなかなかの進学校「千種高校(ちくさこうこう)」がありましてね、そのグラウンドの前を通るとテニスコートがあって女生徒がテニスをしておりますな。で、わたしと小林くん、コウフンそのままに彼女たちを見て「ブラック」と言って爆笑した、なんてのをつい昨日のように思い出します。いろんな意味で思い出深い映画なのです。

 

 映画に関しては、もちろん当時は「すべてが初めて」ということでしたからそんなにいろいろなことを思ってたわけではないのですが、それから45年(!)、今観るとこれほんとにすごいメンバーがそろってるな、となりますね。わたしは全世界の中でジーン・ハックマンが最高の俳優だと思ってまして神と崇めているわけなのですけれども、思えばその45年前がジーン・ハックマンとの初めての出会い、だったわけですね。なにからなにまで素晴らしい映画です。

 

 当時はもちろんスーパーマン自体は知ってましたよ。どんな顔してどんな人(?)なのかくらいは。だからクリストファー・リーヴを見て「そっくりやん!」なんて思ったり。やっぱり今でもだからスーパーマン=クリストファー・リーヴなんだと思いますよ。つい最近、なんかのゲームで「スーパーマン対超人ハルク」みたいなの見たんですけどね、そのスーパーマン、やっぱりクリストファー・リーヴでしたもん。当時のパンフレットにだって、「まるでコミックから抜け出してきたかのような」なんて書いてあったのを覚えてます。

 

 だからわたしもクリストファー・リーヴは大好きな役者さんでした。ほかの映画も観ましたけど、ちゃんと演技の勉強をしていた人だけあっていい演技してましたしね。それが突然の奈落の底。趣味の乗馬で落馬して頸椎骨折して首から下が動かなくなって、それでも負けじとハードなリハビリに耐えて、そのおかげで指が動くようになって、声優もやったりして、なんて苦労を知ってましたし、アカデミー賞で車いすで登場してスタンディングオベーションを受けたのを見て涙したりしたこともありましたから、だから亡くなったときは、しばらく立ち直れなかったですね。「スーパーマン リターンズ」を劇場で観たときはわたし、クリストファー・リーヴへの愛にあふれているのを目の当たりにして、「クリストファー・リーヴ、もう一回この役やりたかったやろなあ」て思いながらずっと泣いてました。

 

 その後は本作はテレビでも観ましたけど、神様ジーン・ハックマンの吹き替えをされたのが小池朝雄さんでしてね。初代コロンボの方ですよね。確かわたしその時はもうジーン・ハックマンのとりこになっていた時でして、あまりの声の激似ぶりに驚いたのを覚えてます。だからわたしの中では、小池朝雄さんていうとコロンボよりもジーン・ハックマンなんです。

 

 さて思い出話はこのへんにして、本作ですが。今回は157分のディレクターズ・カット版を視聴しました。157分!2時間37分ですね。めっちゃ長いやん、と。ウォルター・ヒルが主張するように、映画を鑑賞するのに一番適当な時間は90分から100分だと言うなら、それよりも1時間も長いわけですが、まあこれ観ていてあっという間ですよ。一か所だけゆるいところがあって、そこはやっぱりダレますけど、それも全然問題にならないくらい、ほんとにあっという間に時間が過ぎてゆきます。そういうところはさすがリチャード・ドナー、という感じですね。

 

↑わくわくします。

 

↑この映像は斬新ですね。

 

 映画史上最高のオープニングだと、わたしは思います。あわせてジョン・ウィリアムズの音楽もこれ、彼史上最高傑作じゃないかとわたしは思ってます。

 

 あまりにかっこいいオープニング、たっぷり5分もあっという間です。

 

↑これもよく考えたらすごい映像ですよ。

 

 なんか今ではフツーに観てますけどね、でも当時って1978年ですよね。それでこの映像美ですよ。CGより上なんじゃないのか、とさえ思ってしまいます。前年、1977年の「スター・ウォーズ」から特撮技術はほんとに飛躍的な進歩を遂げたんだな、ということがわかるシーンですね。

 

↑ゴッドファーザーのマーロン・ブランド。

 

 カッコいいですねえ。男前ですよ。ドン・コルレオーネとはまったく別の印象です。まあちまたでは、セリフをいっさい覚えずカンペだらけで演技してた、なんてことがまことしやかにウワサされとりますが、でもこの演技観たらそんなこたどうでもいいような気がします。セリフ間違えてフィルム止めるよりはよっぽどいいという役者魂なんじゃないですかね。知らないですけどね。

 

↑こちらはテレンス・スタンプ。

 

 曲者俳優がこうして二人も出ていたんですねえ。本作ではここのシーンだけであとは出ませんでしたから、えらいぜいたくやなという気もしてしまいますけど、2作目への布石だったのですね。だから当時から続編の話はあったのでしょう、きっと。「スター・ウォーズ」が3部作って話題になりましたからね、それに対抗する、ということなのだと思います。ただね、これ、のちにテレビ朝日の地上波で本作を放映するとなった時に、このテレンス・スタンプのシーン、全カットしよったんですよ。いや確かに本作においてはこのシーンはなくても支障はないのでしょうけれども、それはまったく別の話で、そもそもちょっとでもカットするっていうのはわたし、映画への冒涜だと思ってますからね。エンディングだってカットするのはおかしいでしょう。だってエンディングテーマってすごく重要じゃないですか。その映画にふさわしい曲を作曲家がちゃんと作曲して終わりを飾るものなんですよ。それを平気でカットできるようなのはクズやろうですね。(汚い言葉ですみませんが、ほんとに頭にきます)そんなやつに映画の仕事に携わってほしくないです。とわたしは思うわけです。

 

↑ここではマーロン・ブランドが同じ星の長老から糾弾されとります。

 

 科学者であるマーロン・ブランドは、あらゆる情報をもとにこの星は爆発してしまうと発表するのですが、そんなことあるものかと長老たちからお叱りを受けるわけですね。でももちろん星は爆発して、みんな死んじゃうわけですよ。だからこういうわからずやどもが大挙してるシーンはほんとは不快なはずなんですけど、本作はなんか、そうでもないんですね。おそらくこのシーン、サラッと流しているっていうのと、このおかげでスーパーマンが誕生するわけだから重要なシーンなんだ、っていう認識がこちらにあるからだと思います。すべてが必要なシーンで、不快だと思われるようなところは極力時間を短くしている、と。意図的かどうかはわかりませんけど、いずれにしても観る側の気持ちをしっかりと考えた、いい脚本だと思います。

 

↑そうして自分たちの子供だけでも、と脱出ポッドに乗せるわけです。

 

 ていうかこのクリプトン星の人たちの服って、どうやって光らせてるんですかね。これは子どものころからの長い間のギモンではあります。

 

↑ほんとに特撮がすごいんですよ。

 

 1977年「スター・ウォーズ」、1978年「スーパーマン」、1979年「エイリアン」によって、明らかに技術が進歩しましたよね。切磋琢磨したんだろうと思いますよ、「スター・ウォーーズ」に負けるな、「スーパーマン」に負けるな、って。その歴史上の分岐点の瞬間を見られるなんてなんてぜいたくなんやろ、ともうこれは親に感謝するしかないですね。この時代に産んでくれてありがとう、て。いや、大げさじゃないんですよ。ほんとに心からそう思います。

 

 で、

 

↑クリプトン星、爆発します。

 

 だから言わんこっちゃない、ですね。

 

 で、ここから幼子を乗せた脱出ポッドは地球に向けて旅をすることになりますよ。

 

 なんで地球なんか、ってギモンもわきますけど、それもちゃんとマーロン・ブランドが説明します。曰く、地球ならスーパーパワーで不自由なく暮らしていける、と。なるほどでありますね。

 

↑えと、さすがにここはボカシいれんでええんか、とは思いましたけどね。

 

 今の時代ではこのシーンは、母国アメリカでも、ていうかアメリカのほうこそ、カットするかボカシ入れるかしなきゃなんないんでしょうね、きっと。

 

↑老夫婦のグレン・フォードとフィリス・サクスター。

 

 老夫婦がこの幼子を育てていくことになるんですけど、若干ちゃんと成人まで育て上げられるのかの不安はよぎりました。グレン・フォードは当時62歳ですからね。まあ日本でも、老夫婦がかぐや姫育てたりしてますから、いいんでしょうけどね。

 

↑ここは、おおっ、てなりました。

 

 もうあっという間に引きこまれているわけです。

 

↑成長した彼は高校でアメフト部に入ってめっちゃ蹴ってます。どこまで飛んでくか、いうくらいボール飛んでます。

 

 いえね、これ当時わたし、ほんとに蹴ったんかて思ってましたよ。そんなことないわさ、って思うのもすぐでしたけどね。でもそれが後年になって、どこぞのテレビのなんかの番組で、ここのシーンを見せて「このロケ地から何キロか離れた町でアメフトのボールが発見された」とかいうことやってましてね。初めて本作をテレビ放送したときに特集したんじゃなかったかなと思いますけどね。初回放送は1983年の10月9日の「日曜洋画劇場」だそうですから、たぶんそうじゃないかと思います。わたし高校二年生でしたから、アホかこいつら、なに言うとんねん、て思ってましたけど(わたし名古屋人なので実際には「なにを言っとるんだこいつらは。たーけか」て言いましたけどね)、でもそれだけ盛り上がってた、てことなんでしょうね。淀川長治さんも大目に見てくれたことでしょう。

 

↑青年時代のクラーク・ケント。

 

 男前ですねえ。やっぱりどこかクリストファー・リーヴに似てますね。

 

↑ここはいいシーンです。

 

 このあとすぐにグレン・フォードが倒れて他界してしまいますが、子供ながらにショックでしたよ。倒れるところがやけにリアルで、鳥肌たったのを覚えてます。

 

 えと、宇宙のどっかから来た子供を育てるって言っても、出生届はないし、だから市民権もないとは思うんですけど、まあそういう話はいいんでしょう、きっと。ほんとはいつもだったら、細かいところにも気を配れよ、てなるんですけど、まあ「スーパーマン」はもともとコミックで、こういうことで認識されてるわけですから、今さらそんなとこをほじくり返しても、ということです。逆に、ヤボなこといってんじゃねえわ、って怒られそうです。

 

↑こちらも印象深いシーンですね。

 

 当時このシーンは悲しかったですね。わたし反抗期ヒドかったですけど、ここのシーンだけはいまだに母を想って泣けてきます。

 

 で、クラークは北へ旅に出るわけです。

 

↑ここは一瞬、円谷プロか、て思いましたけど。

 

↑やっぱスゴイ映像ですね。

 

 でもここまで観てきてですね、特撮もさることながら、やっぱり音楽の完成度がすごすぎるんですよ。ジョン・ウィリアムズは1975年の「ジョーズ」と1977年の「スター・ウォーズ」でたて続けにアカデミー作曲賞を受賞した、飛ぶ鳥を落とさんかの勢いの、新進気鋭の作曲家であったわけですけれど、だから一番脂がのってたころでありまして、自信満々だったのでしょうね。でもだからってイヤミがあるわけでもなく、若干「スター・ウォーズ」と「スーパーマン」の出だしがそっくりだと思うところはありますが、それでもやっぱりすごいのですね。現代音楽で唯一交響曲を作れる作曲家、の面目躍如なわけです。わたし個人としては、この「スーパーマン」が彼の最高傑作だと思ってます。

 

↑まるでプラネタリウムのようですね。

 

↑とうとうスーパーマン登場です。

 

 なんかここの基地に来て、12年が経ったそうですよ。ここまでで開始50分が経過してますが、ええっ、もうそんな経ったの、という印象です。いよいよここから物語本編が始まる、ということですよね。ジーン・ハックマンもまだ出てきてないですし、ワクワクがとまらん状態、なわけです。

 

↑ロイス・レイン役のマーゴ・キダー。

 

 ロイス・レインのイメージにピッタリだった、そうです。わたしはコミックを読んだことはありませんから(見たことはありますけど)なんとも言えないですけど、まあピッタリというならそうなんでしょう、きっと。

 

↑ジミー・オルセン役のマーク・マックルーア。

 

 日本ではなじみが薄いかもしれませんが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマイケル・J・フォックスのお兄さん役をやっとられましたね。わたしの中ではロイス・レイン同様、ジミー・オルセンといえばこの人です。

 

 でもね、どうしてもナットク行かないことがひとつあるんですよ。本作に関してではないんですけどね。えと、ドラマ「スーパーガール」ってのが2021年まで6シーズンにわたって本国で放送されてたんですけどね、そこに出てくるジミー・オルセン、なんと黒人だったんですよ。

 

 いえね、べつに差別するわけじゃないんですよ。そこはお間違えなきようお願いしたいんですけど、まあとはいえおかしいじゃないか、と。だって原作は白人なんですよ。原作と違うじゃないですか。これまでずっと何度も映像化されてきてて、黒人だったことは一度もありません。なのになんでいまさら黒人になるのか、って。イメージ崩壊でしょ?なんか近年そういうの増えてますよね。アカデミー賞にノミネートされるのは白人だけだ、とか、映画に出てくる主要人物には白人しかいない、とか。ディズニーにしたってそうだったじゃないですか。昨年(2022年)公開されたピノキオの「青の妖精」なんて坊主頭のぶくぶくと太った黒人のおばはんでしたよ。あのね、ちょっとやってることと考えてること、おかしないか、って。明らかに黒人や別の人種を排除してんなら、そらアカンやろとはなりますよ。でもだからって、言われたからじゃあ黒人もほかの人種も入れましょう、じゃないんですよ。アカデミー賞のノミネートに一人は黒人を入れなきゃいけない、じゃないじゃないですか。ノミネートに値する人じゃなければ、入れる必要はないでしょうよ。原作ありきにしたってそうなんですよ。イメージを変えるのはいいかもしれませんけど、崩壊させるのはわたしゼッタイ間違ってると思います。原作への冒涜じゃないですか。なんかすべての人たちが神経質になりすぎてる、そんな気がしてならないわけです。そっちのほうがよっぽど危険な発想だと思いますけどね。

 

 あ、すみません、元に戻ります。

 

↑やっぱ、りりしいですよね。

 

 ほんともったいないです。病気じゃしょうがない(こともないですけど)と思わないでもないですが、不慮の事故ですからね。なんで神様はこんなことをするんだろう、って思います。ほんとに神様はいるのか、って。それほどもったいなくって、そしてかわいそうだと思うわけです。

 

↑キャピキャピ感が出てて、とてもいいです。

 

 この方も若くして他界されてますよね。4年前に69歳で。アル中からの自死。だれか助けてあげられなかったのかと。若い頃にこうして華やかな舞台で輝いていた人が、後年になって落ちぶれて亡くなる、というのは寂しくてなりませんね。

 

↑ここがスーパーマンの最初の活躍のシーンですね。いよいよなわけです。

 

↑拍手喝采、です。

 

↑ネッド・ビーティ出てきましたよ。

 

さあさあお待ちかね、我らが神様ジーン・ハックマンの登場、と相なるわけです。

 

↑登場です!

 

 満を持して、ということですね。わたし鳥肌ですよ。なんかですねジーン・ハックマン、この役の不評のせいでここからしばらく落ち込んでしまったそうでしてね。キャリアに傷がついたとかなんとか言われて、事実上の復活と言われているのが1986年の「勝利への旅立ち」ってんですから、実に8年間も不遇の時を過ごしていたのですね。まあ1980年の「スーパーマンⅡ」にも出ておられましたから、そこから数えると6年ですけど、いずれにしても長い暗黒時代、というわけでしょうか。それでもやっぱり神様ですからね、不屈の闘志で復活して、その後はもう出るわ出るわの出演本数。一時期は、「いまハリウッドで一番忙しい俳優」なんて言われたときもありまして、わたし鼻高々になってましたね。わたしがなるのもおかしな話ですけどね。でもわたしから言わせれば、レックス・ルーサーはやっぱりジーン・ハックマンやろ、とは思いますよ。もちろん原作知りませんから適当なこと言ってる感も無きにしも非ずですけど,でも本作と次作を観るかぎり、この役はジーン・ハックマンにしかできんのじゃないかとは思うんですけどね。これのなにがアカンのか、って。「スーパーマン リターンズ」では同じくレックス・ルーサー役やったケヴィン・スペイシーがあまりにジーン・ハックマンをリスペクトし過ぎて、そっくり以上だったなんて逸話もあるわけじゃないですか。ほんとなにがアカンかったのか、ちゃんと説明してほしいもんですよ。なんならわたし、本作を観てジーン・ハックマンを好きになったくらいですからね。意味不明なわけです。

 

↑手、長くないですか。

 

 まあこうしてちょっとした不具合的なシーンもありますが、そこはご愛敬、で済むところです。それどころか、なかなかにコメディ的な部分も気が利いてましてね、

 

↑ここなんかほんとイキだと思いますよ。

 

 電話ボックスで着替えようと思ったらボックスじゃなかった、て。「オーメン」の監督とは思えませんね。でものちのちのリチャード・ドナーの作品群を見たら、よっぽど「オーメン」のほうが異質でしたけどね。

 

↑いよいよ変身(?)です。

 

 おおおっ、てなりました。

 

↑で、ここからしばらくスーパーマンの活躍が始まるわけです。

 

↑胸躍るじゃないですか。

 

↑めっちゃりりしいですね。

 

↑スゴイですねー、カッコいいですねー。

 

 わたしこれ観て、高校の時はずっと「空飛びてえ」「スーパーマンになりてえ」て思ってましたよ。

 

↑しばらくするとお父さん(マーロン・ブランド)と再会します。亡くなってますけど。

 

 公開時はカットされたシーンのようです。お父さん曰く、「虚栄心はあってもいいが、自分をコントロールするのだ」と。なるほど、です。

 

↑デイリー・プラネット社の編集長、ペリー・ホワイトのジャッキー・クーパーです。

 

 なんかどう見ても編集長っぽいのが笑えます。吹替では初代マスオさんの近石真介さんがやられてまして、めっちゃハマってましたね。

 

↑なぜかスーパーマンはロイス・レインに魅かれるわけです。

 

 こうして単独インタビューも受けますが、そこで透視はできるけど鉛は弱点で、鉛だけは向こう側を透視することができない、とわかってしまいますよ。これがのちのちにえじきにされてしまうわけですね。上手くできてるのです。鉛最強説、です。

 

↑例のシーンです。スーパーマン、ドヤ顔で「ピンク」言うとります。けっこう笑えますね。

 

↑空中デート、で話題になったシーンですが……。

 

 わたしね、ここまでずっと手放しで称賛してきたんですけどね、ここのシーンだけどうしても受け入れられません。

 

 いや確かに、スーパーマンとロイス・レインのコイバナは、原作にもあるみたいですし、次作のことを考えれば不可欠なんですけどね、それにしてもここのシーンは、もう長いんですよ。何回観てもここのシーンでは必ず眠くなるんです。時間にして7分超え。そんなに必要だったか、といつもギモンに思うわけで、ザンネンながらこれでマイナス1としました。

 

↑役者さんたちも体張ってましたよ。

 

 ジーン・ハックマンもしっかりとこういうシーンをこなしてます。いや、スタントマンに見えなくもないですが、ここはジーン・ハックマン自ら、ということにしておいてくださいね。当時48歳ですしね。体張ってもおかしくないわけですからね。

 

 で、ここでジーン・ハックマン、スーパーマンの弱点を導き出します。すなわち、故郷のクリプトン星が爆発してその欠片から発せられる放射能が彼の唯一の弱点だ、と。いや放射能なら人間にも弱点じゃないのか、とかいろいろ突っ込みどころはありますけど、まあそういうことなのですからいいのでしょう、きっと。さっきも言いましたけど、コミックですからね、ギモンに思ったらいかんのですよ。

 

↑ここのジーン・ハックマンはわたし本作で一番好きですけけどね。サイコーですよ。

 

 で、ジーン・ハックマン、とうとうスーパーマンを自宅アジトに呼び出して、カリフォルニア壊滅計画の話をします。断層に陸軍、海軍のミサイル2発を撃ち込んで大地震を巻き起こし、カリフォルニア西海岸を壊滅させ、そこに新たに埋め立て地を建設して自分のリゾート地にするのだ、とかなんとか。そこで言うのが、「カリフォルニアの東の方は意味のない砂漠が広がるどうでもいい場所」と。わたし、まさにそこに留学してたんですけど、だからまあ、なるほどな、とは思いましたけどね。でもよく考えたら、そこはジーン・ハックマンの生地でもありましたよ。ちょっと笑いました。どういう気持ちでセリフ言ってたんでしょうね。きっと楽しかったのだと思いますよ。

 

↑楽しそう、ですかね。

 

↑ジミー・オルセンもぶら下がりますよ。

 

 みんな頑張ってたんですよ。気合い、入ってたんですね。

 

↑なかなかに見ごたえのあるクラッシュシーンです。

 

 今じゃこういうシーンは全部CGですからね。当時はちゃんとこうして実物でクラッシュさせてたわけですから、そらやっぱりキャストだってスタッフだって、めちゃめちゃ気合い入ってたんでしょうね。

 

 リチャード・ドナー、大作は「オーメン」に続いて本作が2本目ですよ。スゴイですよね。だからやっぱりその後の活躍は当たり前なんですね。監督では「グーニーズ」、「リーサル・ウェポン」シリーズ、「マーヴェリック」、製作では「ロストボーイ」、「フリー・ウィリー」、「デーモン・ナイト」、「Xメン」シリーズと、おもろい作品ばっかじゃないですか。ここには載せませんでしたけど、監督作ではほかにもわたし好きな映画ありますしね。2年前に91歳で亡くなりましたが、その功績は未来永劫たたえられるのでしょうね。

 

 えとですね、若干、地球を逆回転させると時間も戻るのか、というギモンもあるにはありますよ。そもそも逆回転させるなんて不可能やろ、って。そんなことしたら太陽系どころか宇宙に与える影響ははかり知れないものがありますよね。アインシュタインも真っ青なわけですよ。でもね、でもやっぱりこれ再三言ってますようにコミックですからね。やったことないから実際問題としてどうなるかはわかんないですし、ひょっとしたらほんとに時が戻るかもしれないじゃないですか。わたしたちが知らないだけで、もう何度も何度もそうやって時が戻ってるかもしれないですしね。宇宙規模だと考えたらあり得ないとは言い切れないじゃないですか。最近やけに時が経つのが速いと思われますけど、それにしたって実はほんとに速くなってるんじゃないか、って思う時もありますよ。宇宙規模で速くなってるんだから、時計の進みが速くなっててもおかしくはないですし、みんな同じ速度で速くなってるので喋りとかも違和感なく聞こえるってのは、まんざらでもないと思いませんか?まあいずれにしても、どれだけ突拍子のない話でも、ものがコミックだからなんでもアリなわけですね。

 

 ということで、いろいろごたごたありましたけど、要するに最高のエンターテインメントだった、ということです。なんも考えずに、ただスーパーマンの活躍を楽しむ、そういう映画です。

 

 

今日の一言

「『鳥だ、飛行機だ、いや、スーパーマンだ!』とは言わんのね」

 

↑笑顔が最高に素敵です。

 

 

レビュー さくいん