★★★★★★★★☆☆
1995年 92min.
ネタバレ しましょう。
敬称略
監督 アーネスト・ディッカーソン
製作 ギルバート・アドラー、アラン・カッツ
脚本 イーサン・リーフ ほか
音楽 エドワード・シェアマー
コレクター:ビリー・ゼイン
フランク:ウィリアム・サドラー
ジェルリン:ジェイダ・ピンケット
コーデリア:ブレンダ・バッキ
アイリーン:CCH・パウンダー
ウィリーおじさん:ディック・ミラー
ローチ:トーマス・・ヘイデン・チャーチ
ボブ副保安官:ゲイリー・ファーマー
タッパー保安官:ジョン・シャック
ウォーリー:チャールズ・フライシャー
ダニー:ライアン・ショーン・オドノヒュー
ワンダ:シェリー・ローズ
切り裂き魔:ジョン・ラロケット
うわ、またウィリアム・サドラーやん、とか思いながらとりあえず配役等を見てDVDをセットしました。ヒルズ・ラン・レッド -殺人の記憶-にも出てましたからね。観る映画がつい最近観た映画となにかしらつながりがあるのはもうデフォルトですが。
監督はどうやらテレビの人のようですけど、わたしはお初です。
さて。
↑オープニングででてきたこれは、ああなるほど、ではあります。
タイトル見ても“TALES FROM THE CRYPT”、要するに「ハリウッド・ナイトメア」っていうテレビドラマの映画版、ということなのですね。それならテレビ出身の監督さんでもナットクです。
その後もこれ、完全にテレビドラマの映画化ってのが続きまして、
↑こうやって、なかなか予算の都合上テレビではできなかったことをやってみた、みたいなのが出てきます。
派手でいいですよね。
↑ウィリアム・サドラー。
いつもヘンな役の多いこの方ですが、本作ではなんかちょっとイケメン枠で主役やっとられます。いい感じですね。
↑そしたらディック・ミラー、出てきましたよ。
この人をジョー・ダンテ以外の映画で観るのは貴重ですね。わたしの記憶だと「ターミネーター」と本作くらいではないでしょうか。まあまあもちろんそれだけではないのでしょうが、記憶に残る、という点から言うとそんな感じだと思います。
↑もう一人の主役、ってことでしょうか、悪魔役のビリー・ゼイン。
若くて男前ですよね。でもね、
↑今では、いいおっちゃんになられとりますね。
時の流れは残酷なわけです。
↑ウィリアム・サドラーはなんやかんやで捕まります。
おおまかな話は単純ですよ。要するに悪者(悪魔)のビリー・ゼインと良いもののウィリアム・サドラーの対決、という構図です。もちろんそんな単純なことではないですけれども、大すじとしてはそれです。
じゃあなんでウィリアム・サドラーは捕まっとるんやということになったりしますが、そういう疑問とかが最初のほうに提示されて、しかもなんか悪魔のビリー・ゼインだけでなくウィリアム・サドラーまでもがなんらかの力を持っているようで、なかなかにおもしろく観られるわけです。
↑こういうのもなかなか観応えありますよね。とってもいいです。
さすがに映画版、特殊メイクにもこだわってますね。
演出も凝ってて、要所で「ほほう」となったりしますし、ちょいちょい昔の回想的なシーンも盛り込まれてて、これはなんやろて感じにもなってますから、アーネスト・ディッカーソン監督、映画ということで気合い入ってたのでしょうね。
↑いいじゃないですか。
人型のゾンビではなくこうした、もうどこからどうみても異世界の化け物、っていうのが、ゾンビ映画であふれかえる現代ではとっても新鮮です。
なかなかほんとにおもろいです。決して怖いわけではないのですけれども、派手なのが色を添えていて、とっても楽しめるわけです。ちょっとした笑いも入っていて、しかもお笑い担当がビリー・ゼインと来てますからね。粋なホラー映画、の様相なわけです。
↑ウィリアム・サドラーも監督同様、気合い入ってますしね。
なんならこれ、ウィリアム・サドラーのキャリアハイなのでは、とさえ思ってしまいました。めっちゃかっこいいんです。「ダイ・ハード2」よりもいいと、わたしは思ってます。
↑こうしてさりげなく、生首の映像が出てきたりもします。
あくまでも「さりげなく」なんですよ。だからこっちも「うへっ」とかはなりません。女性や子供さんや、ホラー苦手な人たちにも楽しんで観てもらえるような演出にこだわったのでしょうかね。ゴールデンタイムでも十分イケそうですよ。
↑ブレンダ・バッキはめちゃくちゃかわいいですね。
ホラー映画のヒロインがこれほどかわいいというのも、アリですよ。いろいろ楽しめて、そういう存在だけでエンターテインメントを感じられるというわけです。
↑なんて思ってたらブレンダさん、あっという間にこんなんなってしまいました。
こういう容赦しないところもおもろいです。ていうかこのメイクもなかなかすごいですね。CGよりやっぱりいいと、わたしは思います。
↑その後もこうしてCCHパウンダーの腕がもげたりします。
そうとう楽しんでるな感が伝わって、こんな映像観させられても心地よさすら感じるわけです。この方、ドラマ「ER」ではアンジェラ・ヒックスって外科医の役やっておられましたからね。治すほうから治されるほうになっちゃうのですから、楽しくなきゃやってられませんね。
まあですね、内容的には、なんでしっかりしてあったはずの封印がとけてもうたんや、とか、逃げるんだったら要所で封印しときゃいいのに、とか、様々ツッコミどころはあるにはありますけど、基本がおもしろいのでなんも苦になりません。
↑ビリー・ゼインはなんか甘い言葉を使って、こんなして女性をとりこにしようとしたりしてます。
ビリー・ゼイン、若くてイケメンのころはいい役もらってたんやなあ、てちょっと感動すらしてしまいました。
↑ただ、この方は腕をもがれてるのにめっちゃ普通なのが気になりはしましたけどね。
まあでもそこはツッコミどころというより、笑いどころという感じでしょうか。
↑ディック・ミラーもいい役もらいましたね。
こういうのって、普通のホラーだとムダなシーンになってしまうのですけれども、本作に関してはちゃんとホラーと笑いが融合しているので、まったくムダではないわけです。なんなら逆に、ディック・ミラーがうらやましいとさえ思ってしまうのですね。ちなみにわたしは、前列右から2人目の子がめっちゃ好みです。
↑ウィリアム・サドラーだって無敵じゃないってのがまたいいじゃないですか。
↑ディック・ミラーもいろいろ楽しかったでしょうね。
そうかと思えば、
↑こういうのだってなかなか斬新なシーンだと思うわけですよ。
化け物をお供に従える人間様の悪魔、みたいな。わたし、なんかほのぼのとしてしまいました。
↑こうしてちょっとかっこいいところも盛り込んで。
わたし、「おお、かっこええやん」て言いましたからね。
↑こちらは子役ダニーのライアン・ショーン・オドノヒュー。
子供にも容赦はないわけです。「ゾンビ」のような悲壮感はまったくこれっぽっちもありませんから、好感が持てるというものです。何度も言いますけど、メイクがすごいのですね。
でもって映画が終盤になりますとね、なんか内容がものすごく壮大だったということが明らかになって、間違いなくビックリさせられます。なんかすごくゆるい映画だと思わせといて、実はそうじゃないんだよ的なことになってもう観ていて鳥肌すらたってしまいました。
↑こういう下品なのもちょっとした笑いどころですが、そういうのが悪魔らしくっていいわけですよ。
「エクソシスト」だってそうだったじゃないですか。笑はしませんでしたけど。わたしはこのシーンで、東京ディズニーシーの「マジックランプシアター」に出てくるジーニーを思い出してしまいましたよ。あ、もちろんジーニーはまったく下品ではないですけれども、そういう感じの、お笑い要素を含んだ悪魔、ということですね。
↑そしてとうとうビリー・ゼインが殺られます。
↑悪魔が出てきました。
やっぱり「エクソシスト」をオマージュしていたのですね。
ラストは、ウィリアム・サドラーがワンダ役のシェリー・ローズにキスをして、彼の特殊な血液を注入するかと思ったのですが、ただ息を吹きかけただけに終わってしまいましたので、そこだけはちょっと拍子抜けだったかな、という感じでした。ここまでしてくれたなら、最後の最後も斬新な演出にしてもらえればよかったのに、とちょっぴりなザンネン感。ここで★8つとさせていただきました。が、総じておもしろい作品でしたので、ラストでそうだからって全部台無しでは決してなくって、もうとにかく「これおもろいわ~」で最後まで突き進んだ92分でありました。
最後の最後も、戦いはまだまだこれから先もずっと続く、で終わりましたから、いやこりゃタイヘンだわ、なんて思わせてくれたりもして、とにかくすばらしいエンターテインメントなのです。めっちゃおもしろかったです。
エンドタイトルで、メインテーマがダニー・エルフマンと知り、そんなとこでもニンマリな観了です。
今日の一言
「ドラゴンボールか!」