★★☆☆☆☆☆☆☆☆
2014年 101min.
ネタバレ みなさん内容はご存じですよね。わたしは知りませんでしたが。
敬称略
監督 ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
製作総指揮 ジョン・ラセター
製作 ロイ・コンリ
脚本 ジョーダン・ロバーツ、ロバート・L・ベアード、ダン・ガーソン
音楽 ヘンリー・ジャックマン
声の出演
ベイマックス:スコット・アドシット
ヒロ・ハマダ:ライアン・ポッター
タダシ・ハマダ:ダニエル・ヘニー
フレッド・フレデリクソン:T・J・ミラー
ゴー・ゴー・トマゴ:ジェイミー・チャン
ワサビ:デイモン・ウェイアンズ,Jr.
ハニー・レモン:ジェネシス・ロドリゲス
キャスおばさん:マーヤ・ルドルフ
ロバート・キャラハン教授:ジェイムズ・クロムウェル
アリステア・クレイ:アラン・デュディック
将軍:エイブラハム・ベンルービ
えと、拙ブログにいつもお越しいただいている方々さまには、わたしがどれほどのディズニー・リゾート好きかというのはもう周知のことと思いますけれども、そんなわたくしが、東京ディズニーランドのアトラクションの中でもけっこう好きな部類に入る「ベイマックスのハッピーライド」の元ネタになる映画をこれまで観ていなかったのはいかなることかと、今回、遅ればせながらではありますけれども、初鑑賞と相成ったというわけでございます。まあ聞くところによりますと、最後はけっこう感動するよ、とのことでしたのでワクワクしてはいたんですけれども、いやいやこれ蓋を開けてみますれば、いったいこの体たらくはなんなんや、という結果で★ふたつという結果となってしまったのでした。
なにしろのっけからもう主人公にまったく感情移入ができませんよ。
↑なんかロボットどうし戦わせて勝ち負けを賭ける、いうようなやつなんですけど。
↑主人公のヒロ・ハマダも弱っちょろそうな顔しとりますよ。
なのにこれ、やることが薄汚いというか、そもそもそれでさえもう長い映画の歴史の中で語りつくされてきたようなシチュエーションですよ。こういう一見ショボいロボットでまず最初は負けておいて、泣きの一回で形勢逆転、実はショボく見えるけどめっちゃ強い、いうようなハスラー感。
↑こんな顔するんですよ。
クソガキが、あ~ウゼェ、てなりますよね。
↑で、捕まっとるし。
ていうか主人公、ヒロ・ハマダだそうで。なんかね、アメリカの連中、「ヒロ」て好きですよね。ドラマ「ヒーローズ」でも日本人の役名はヒロ・ナカムラでしたよね。なんでもこれ「広島」の「広」からとったそうですけどね、アメリカ人がいうなっての。まあいいですけど。ただそれがあるもんですからね、「ヒロ」って言っとけば日本人、みたいになってるような気がしてなりませんよ。
もちろん日本人としちゃ別にうれしくないこともないんですけどね、まあでもなんだかの違和感ではあるわけです。
そんなこんなで、まだ始まったばかりですけど、まったく興味は沸いてきませんね。まだ5分過ぎですけどね。
↑そしたら10分過ぎでベイマックス出てきました。
なんかヒロのお兄ちゃん、タダシ・ハマダが大学の研究で創り出したロボット(?)みたいらしいですけど、そうなるとこれタダシくん、虫も殺さないような顔してますが実は天才ですね。ああ、ま、天才は虫も殺さんでしょうけど。
いや、ていうかこれ声、めちゃめちゃフツーじゃないですか、ベイマックス……。まったくキャラっぽくないです。フツーもフツー、そこらへんのおじさんみたいで。
なんかアメリカのアテレコっておかしいですよね。わたしがいうのもなんですけど、われらがミッキーマウスとかプーさんとか、おいおいこれもうちょっとなんとかならんかったんか、ていつもそこだけガッカリ感が漂いますからね。まあなに言ったってしかたないですけど。
さて、そうこうしてますとヒロが、お兄ちゃんのタダシの助言により、タダシの先生であるキャラハン教授をあっと言わせるような発明をして、無事大学に入学できることとなりますよ。まあ未来の話ですから、大学受験とかはもうない世界なんでしょう、きっと。そこはそうナットクするしかないですね。で、
↑仲間で喜んでますけど……
やっぱりまったくヒロには共感できませんよ。ウザいしかないです。なんなんですかね。顔なんでしょうか。声なんでしょうか。いずれにしてもこれ致命的ではあります。
なんて言ってたら、
↑そのヒロの発明の発表会をした講堂(?)が燃えてます。
いきなり燃えました。つい今しがたまでそこでプレゼンしてたのに、ちょっと外に出てお兄ちゃんと話してたらこんなに燃え上がってましたよ。ビックリですね。
まあたぶん、このヒロの発明をみた富豪のクレイ氏がそれを売ってくれと言ったときに教授から、私欲の塊に売るべきではないと言われたことへの腹いせに燃やしたんじゃないか、と思うんですけれども、それでもほんのちょっぴり違和感はありますよね。いやいやそれくらいのことでここまでするかよ、って。
↑で、こんなんなってしまいました。
右がお兄ちゃんのタダシ、左がキャラハン教授。お兄ちゃんは外にいたはずなのに、まだ燃え盛る建物の中には教授がいるから助けに行くんだと、周りの制止も振り切って飛び込んで一瞬で燃えカスになってしまいました。いやいや、あんな燃えてんのに、しかもあんなでっかい建物でどうやって教授を捜すのか。誰が見たって不可能じゃないですか。天才だったですけど、紙一重だったんですね。
ところでキャラハン教授の声はジェイムズ・クロムウェルさんです。あららクロムウェル氏、こんで終わりかいな、なんて思っちゃいましたけどね。だってジェイムズ・クロムウェルですよ。ドラマ「ザ・ホワイトハウス」なんかでは元大統領とかやっちゃう人ですからね。これで終わりってなんてぜいたくな、とか思いました。
まあとはいえこんな状況下でも、やっぱりヒロには共感できんわけです。これもうかれこれ20分は過ぎましたけど、おもしろくなるんかいな、と不安しかないです。
↑そしたら突然ベイマックスが復活です。
えと、ベイマックスに組み込まれたプログラムによって「痛い」に反応して目覚めた、いうことですけど、おいおいお前いつのまにここにおったんや感は満載です。ていうか、どこにおったんや、て。それはけっきょくわかりませんでした。ま、わたしちょっとここらへんで意識を失ったので、その間に語られていたのかもしれませんけどね。まあなんかどうでもよくなってました。
↑いちいちうるさいからってヒロに箱に戻されそうになってます。
これはちょっとかわいかったですけど、その割にやっぱり声が合わんのです。んーと、どう形容したらいいかなかなか難しいですけど、たとえばこれベイマックスの感じだったらやっぱりアテレコは女性にすると思いません?まあ女性まんまの声ってよりも、女性がやる少年の声、みたいな。う~ん、自分で書いててもちょっと違うかなあ、とは思いますけど、まあなんかそんな感じじゃないですか。(すみません、意見には個人差があるので、わたしに共感できない方は読み飛ばしてやってくださいm(_ _)m)それをなんかどうでしょう、普通の男のナレーター的な声?になっちゃってるわけですよ。声の質から言ったら中井貴一ですからね。そら違和感ですって。だからどうにも入っていけないんです。
↑ベイマックス街を行く、の図です。
えと、説明が難しいので省きますけど、なにしろ探し物をしていて勝手に街に出てきちゃいました。「まんじゅう」「わらび餅」「みたらし団子」でいかにもな日本的な商店街。まあどこまでこの製作陣が日本を理解してくれているのかは、キャラにいっさい日本人がいないっていうことを考えるとはなはだギモンではありますが(ヒロはハマダと名乗ってますが、顔はどうみても純粋な日本人ではないですし、そもそもおばさんはキャスって名前ですからたぶんキャシー、キャサリンなんていうネイティヴアメリカンですからね)、それでもスタッフが東京で撮った写真をもとにしているそうなので、それはそれでうれしいことではありました。どちらにしても、少なくとも「ブレードランナー」のリドリー・スコットとはわけがちがうなと思ったりはします。「ブラックレイン」のリドリー・スコットだったらわけは違わないかもですけど。
ちなみにこの映画に参加している日本人は、イラストレーターだけらしいですよ。う~ん、ではあります。
ていうかこれなんで舞台は日本だったんですかね。本作ではサンフランシスコと東京をかけて「奏京」(そうきょう:サンフランソウキョウ)となってますけど、原作ではまんま東京だったらしいですよ。日本のテクノロジーに畏怖の念を抱いているのかなんなのか。複雑ではありますね。
↑ベイマックス、空気抜いてます。
あ、ロボットですけど、骨組みはなんか風船みたいなのに覆われて保護されてます。で、窓から入ろうとしてつっかえたので空気を抜いている、と。
あーあ、ベイマックスの見てくれはかわいいんですけどね。
↑空気が抜けてるとこにセロテープ貼ってますよ。
いちいちかわいいわけです。しゃべると中井貴一ですけど。
↑バッテリー切れです。
バッテリー切れて痩せベイマックスになるともっとかわいいです。
ヒロがキャスおばさんと住む自宅にベイマックスをつれてきたところですね。両親はどうだったですかね。亡くなってたんでしたっけ?まあ忘れましたよ。
↑ヒロは必死でおばさんからベイマックスを隠そうとしてますが、
なんで隠す必要があるのかは見当もつきませんね。べつに隠さんでもいいのじゃないかと思うんですけどね。
あ、ちなみにキャスおばさんはめっちゃかわいいです。わたしは、どストライクです。
ま、それはそれとして、わたしここで気づきましたよ、開始40分。なんかですね、とにかく内容がどれもこれもありふれてるんですよ。ヒネリがないというか、驚きがないというか。要するに脚本力が皆無なわけです。どれもこれもなんかいつぞやに聞いたことがあるような、って感じなのですね。ベイマックスが「死」というものを理解できない、とか、ヒロがお兄ちゃんのことを思い出して「胸が痛い」というと「どこにもゲカはない」とか言ってみたり、とか。そんなんもう笑いにもならんわけです。イライラはしませんけど、ガッカリは通り越してました。
↑そしたらヒロが、みんなの戦闘力を上げる、とか言い出しました。
そう、そしてここから物語はとんちんかんな方向に進むわけですよ。
え、いや、なに、戦闘力アップだ?いったいこれからなにがおこるんや、ともう不安の塊に心が押しつぶされそうになります。映画観ててはじめてですよ、強烈なストレス感じたの。いやいや待ってくれ、と。想像してるようなことにはならんでくれ、と願わずにはいられませんよね。
でもそれはむなしい願いでした。まあよく考えたら、ものはもともとマーベル作品だったわけですから、こういう展開もアリだったわけですけどね、ただ最初に想像してたのとはまったく逆の展開になってきました。
わたしこの映画、もっとなんかヒューマンドラマなんやと思ってたんですけどね、これではすっかり「アイアンマン」でしょう。最初はヒューマンドラマ風にしておいて、いざ佳境に入るとバトルものになるなんてのは、少年ジャンプか、て突っ込んでしまいますよ。まあね、勝手に勘違いしたこっちが悪いっちゃ悪いんでしょうけどね。
↑ほら、やっぱりアイアンマン……。
↑ていうかこれは「タイムコップ」ですけど……。
「タイムコップ」自体が「バッカルー・バンザイの8次元ギャラクシー」のパクリでしたから(いや、パクリではないかもしれませんけど)、本作はパクリのパクリですかね。オリジナリティーもありませんね。
いや、でもそしたらここでちょっとわたし驚かされましたよ。
↑クロムウェル氏、戻ってまいりました。
要するにあの爆発をしかけたのも、なんかベイマックスたちが戦う相手の歌舞伎マンも、じつはクロムウェル氏だったということで、あーなるほど~、とはなりました。まあ諸悪の根源の容疑者1号であるクレイは、あまりにも悪すぎましたからね、なんかうすうす感じていたことだったのかもしれませんけど、まあここではわたし純粋に驚きはしました。
ただねえ、クロムウェル氏が怒っている理由ってのもなかなかに薄くって、あーなるほど、とはなりましたけど、で?、ともなりました。
さてその後ヒロが激怒して、教授を殺すと息まきますけど、仲間はみんな賛同しません。ヒロを止めますよ。そらそうでしょうよ。人殺しはしたくないです。でもヒロは怒りに任せて「教授を殺してやる」と。やっぱりねえ、ここまできても共感できんのですよ。感情移入できなさすぎなわけです。
で、
↑タダシの昔の映像をヒロが観ます。
そこでヒロは目が覚めるわけですけど、いややっぱりだからありふれてるんです。ありがち過ぎというか、先の展開が読め過ぎちゃうんですよ。これじゃ映画が面白いわけがないですよね。ただでさえバトルものになって辟易しているのに、なわけです。
↑最後はかっこよく。
とはならないです。どんなにカッコよく見せようとしても、ヒロのそれまでがそれまでだっただけに、嫌悪感しかないです。やっぱムリ、てなりました。
↑映像美は素晴らしかったですよ。
でもまあものがCGアニメですしね。そらこうなりますか。とりあえずその映像美と、まがりなりにも教授のところでは驚かされたので、★ふたつとさせてはいただきました。
なんかですね、どのレビュー見てもすごく評判いいですよね。わたし、なんか間違ってるんですかね?もっと素直に楽しめよとは自分でも思いますけど、ヒューマンドラマで泣けることを期待して、しかも最新技術をとりいれたロボットの話だからものすごい話をも期待していたのにこれでは、どうのしようもないです。逆にどこがいいのか教えてほしいくらいなんですが、どなたかわたしをナットクさせていただける方いらっしゃいませんか?ぜひ話を伺いたいものです。
↑最後はベイマックスとサヨナラです。
なるほど、ハリウッドお得意のラストの自己犠牲は、ベイマックスなんやなあと思いつつ、ああここが泣くとこなんやと漠然と思ってました。
そしたら、
↑ここでようやく、おおおっ!てなりましたけど、時すでに遅し、ではありますね。
↑ゆいいつのいいシーンでしたが、遅いっつーの。
まったく涙は流れないのでしたの「タイタニック」現象でありました。
で、エンディングロールが10分。もう、早よ終われって……。
今日の一言
「ヒロ・ヤマガタやん……」