禁断の実験から3年! | ミスズの水槽観察日記

ミスズの水槽観察日記

42年前にグッピーからスタートしカクレクマノミブリード10000匹達成!
現在はKR93SPを使いSPSを中心にサンゴ ミドリイシ飼育をしています。
主にミドリイシブログです。
2017年ダイバーデビュー!
2022年6月からミジンベニハゼの繁殖/ブリードをして稚魚も育てています。

ミスズ水槽には比較的大きなショウガサンゴがいます。

 

2014年6月17日にそのショウガの破片に虐待的な実験をしたことを2015年12月に記事にしました。

何となく記憶がある人もいるかも⁉  気が付けばあれから3年!

その後、どうなったのかを専門家のご意見を賜りましたので合わせてご紹介したいと思います。

 

そもそもこんなことを考えたのはミドリイシなど飼育している人なら経験があると思いますが、フラグ作製などで折ったところが被覆し回復するときの褐虫藻が極めて少ないあるいはまだ居ないと言われる成長点付近は明るい色をしていますよね。

トゲサンゴやショウガサンゴでも成長点である先端部は明るい色彩ですね。

 

もしも先端部だけではなく群体の全体を人為的に手を加えたら褐色から全体が明るいものになるのではないか。という安易な疑問が動機でした。

一部分だけなら従来と等しく成長点のそれと同様の事象を再現するだけと想像できますしね。

 

さてサンプルは2014年6月当時、最も色をどうにかならないか夢中になっていた大型ショウガサンゴ

当時メーン水槽灯具(KR93SP)との光との影響、関連を比較するためサンプルはセカンド水槽(単なる白・青LED)灯具を用いて光の影響を比較する目的で飼育していた破片状を使いました。

サンプルはご覧のように紛れもなく褐色です。

水中から出した自然光で見ても疑いなく明るい色彩は皆無。

用いるのはガンプラ世代ではお馴染み(?)耐水ペーパ―です。

市販品の耐水ペーパ―は数字二桁の番手が荒いものが存在しますが、それでは削れすぎてしまうと思いあえて600番から800・1000・1200と順次番手を変えながら均等に磨くよう意識しました。

一応、仕上げのつもりで1200番(汗) 1000番で、もはや指先には削れてるような感触はほぼ無くなります。

やっている途中でこのまま白骨化するだけかも⁉とよぎりました。

仕上げ後はスベスベです(汗) とりあえずセカンド(ハゼ)水槽に戻し様子見。

3日間様子を見てポリプが今までよりも短いなりに出てきたのでフルスぺ灯具下である本水槽へ戻しました。

下の画像はちょっと置いた向きが違いますが、とりあえず復活してきたかなと思います。

ここまでの画像は全て当時撮影し記事にしたものを転載しています。当時オレンジフィルムは持っていないため青被り画像なのが残念です。

 

そしてペーパーがけから丸3年! 近影です。

【2017年6月16日撮影】※オレンジフィルム使用

すぐ上の画像と比較し一番左端のフタコブの曲線を見るとそこだけ全く成長がないのが謎です。

このままでは外周からグリーンのボタンに覆い埋められそうです。

ポリプの中心はシアン?のような色彩もあり褐色のときと比べると見違えるほど3年前よりも鑑賞的にはキレイになったと思います。

このショウガには水槽の底近くにいるのですが何もスポット球を足していないのでショウガ・トゲ・ハナヤサイを不得手とするKR93SPのみでどうにかなった事は特筆すべきかと思います。

 

2015年12月当時ブログコメントでGoofyさんから、これは元に戻るのでは?と、ご指摘を受けました。

その点はワタクシも日々観察していて大きなショウガ本体の方は相変わらず基本褐色ベースであり続けており疑問でした。

 

そこで3年を機に先日、尊敬する琉球大学の山城秀之教授に褐色化へ傾かずに3年間維持できているこの事象についてご意見を頂きたくご連絡しました。

ご多忙の中、時間を割いてご解説を下さりました。先生に当方の稚拙なブログを見て頂き、転載と先生の著作物掲示のご快諾を戴きましたので記します。

 

『お写真を拝見すると、褐虫藻の密度が低下して白化状態ですが、元気そうなので
褐虫藻に大きく依存せずに栄養は摂れているようです、それはそれでとても綺麗
です。
褐虫藻の密度を増す方法として少し遮光するのが一つの手かと思います。耐水ペー
パーで褐虫藻を含む組織をこすり取ったことによって、自身の日傘がなくなり強
光阻害状態が継続しているかもしれません。』

 

とのご見解を賜りました。山城教授ありがとうございます。

反対に褐色化へ戻せる機会があればいつかチャレンジしたいと思っています。

 

そして先生からはこんな記述も戴きました。

『アクアリストから得る情報も参考になります(耐水ペーパーで削るというのは,
目から鱗でした).
引き続きよろしくお願いいたします.』

 

そんなわけで丸3年が経過し明るい色彩のままでゆっくり成長しているショウガはこのまま大きくなるのか興味があります。同様に他のサンプルを用いて第2弾の実験をしてみようかと準備中です。

 

ところで山城秀之教授の著作者である、サンゴ知られざる世界

この趣味を続けるアクアリスト必見の持つべき1冊でオススメします!

ワタクシにとっては良き教科書で毎晩全文暗記するつもりで反復し読み続けています。

アマチュアであるワタクシごときに紳士的かつご丁寧なご対応下さりました山城教授どうもありがとうごあいます。厚く感謝しているところです。