天使の目覚め -4ページ目

ザ・シークレットガーデン(287)

 

「これからこの星を守っておられた神々の怒りがこの大地に降りそそぐのよ」

 

 

 

キャロラインの言葉が終わらないうちに、すでに天空は厚い黒雲に覆われ、一気に宵闇に包まれていった。

 

 

 

そして、その黒雲の中から無数の稲妻が大地に向かってふりそそぎ、戦いの準備をしていた、闇の軍団の上に襲いかかった。

 

 

 

闇の軍団は一瞬で、罵声や怒鳴り声を上げて、大混乱に堕ちていった。

 

続く・・・・・・

 

ザ・シークレットガーデン(286)

 

しばらくの沈黙を破るように「アキラ、目の前のことにとらわれるのではなく、空を見上げなさい」

 

 

 

彼女の透きとおるような声に導かれるように視線を天空に移したわたしは、天空にあらわれた雲がまるで有機体のように変化しはじめたことを、目のあたりにしたのだった。

 

 

 

「これから起こることをしっかりと見ておきなさい。

 

アキラがこの世界をはなれてあなたの世界に帰り、その世界が終わりに近づいて行くときに、この戦いと同じ光と闇の戦いが起きるの。

 

 

そのときこそ、アキラがこれから始まるの戦いの経験が役立つの」

 

続く・・・・・・・

ザ・シークレットガーデン(285)

 

「未来は書き換えられるのキャロライン」

 

「そうよ、アキラが帰って行く世界の物語はまだ決まってないの。

 

 

人々が神の愛を知り、その愛をあらわすことで、新しい物語になってゆくの。

 

 

アキラはこの戦いで、神様の壮大な愛の物語を経験するの」

 

 

「でもキャロライン、目の前には圧倒的な数の完全武装した軍団と、それをとり囲んでいる闇の軍団が今にも、

 

 

平和に暮らしているケルトの村々に襲いかかろうとしている。

 

 

その数では、いくら選りすぐりのケルトの精鋭たちでも・・・・・」

 

 

続く・・・・・・

ザ・シークレットガーデン(284)

 

その状況の一部始終をキャロラインのそばで見ていたわたしに彼女は

 

「アキラ、これからの戦いは光と闇の戦いになるの。

 

アキラにはこの戦いを体験して決して忘れないでほしいの。

 

アキラのこの体験は、あなたの未来でのステージでの使命を果たすために絶対に必要なものになるの」

 

「僕の未来の人生・・・・」

 

 

「そうなのアキラの未来の世界は、あなたのこれから経験する戦いと同じ戦いが起きるの。

 

でもアキラの過去の世界で体験したことを学んでアキラが、人々が悲惨な戦いで苦しめあう物語りを書き換えることができるの」

 

続く・・・・・・・

ザ・シークレットガーデン(283)

 

 

 

そして、彼らが戦いの準備をしている大地の前方には、我々の子孫が暮らすケルトの村が点在していて、

 

 

彼らは自分たちの目の前に危機が迫っていることにも、気がついていないということも伝えた。

 

 

それを知ったマクワートの心には、やっと敵に追いつくことができたという安堵感とその圧倒的な数の敵から

 

我々の子孫が暮らす村々を救うことができるのかといった葛藤が彼を苦しめていた。

 

 

その状況の一部始終をキャロラインのそばで見ていたわたしに彼女は

 

「アキラ、これからの戦いは光と闇の戦いになるの。アキラにはこの戦いを体験して決して忘れないでほしいの。

アキラのこの体験は、あなたの未来でのステージでの使命を果たすために絶対に必要なものになるの」

 

続く・・・・・

 

ザ・シークレットガーデン(282)

 

マクワートは、すぐさま一人の若者に命じて、目の前にある小高い丘の頂上まで登るように命じた。

 

 

そして、イーグルが旋回して伝えようとしている地上を世界を偵察に行かせた。

 

 

その命を受けた戦士は、若者らしく軽やかに小高い丘をたくみに愛馬とともに駆け上がっていった。

 

 

しばらくして、疾風のように駆け下りてきた若い戦士は、息を荒げることもなくマクワートの前にあらわれた。

 

 

若い戦士は、マクワートの前で大きな身ぶりを交えて

 

「イーグルが旋回を繰り返している大地には、

 

圧倒的な数のローマ兵とそのまわりを取り囲むように闇

 

の軍団が、戦いの準備をしているようなのだ」

ということを彼に伝えた。

 

続く・・・・・・

ザ・シークレットガーデン(281)

 

闇の軍団との戦いが始まった時から、姿を消していた私たちを導いてくれていたイーグルが、ふたたび私たちの上空に姿を現した。

 

 

その雄大な姿に圧倒されながら我らの戦士たちは、疾走を続けた。

 

 

しばらくして、前方の大空を飛ぶイーグルは前進することをやめ、大空を雄大な円を描くように旋回しはじめた。

 

 

キャロラインとマクワートは、目の前のイーグルがなにかを伝えようとしているということにほぼ同時に感じ

 

て、お互いに暗黙の了解を得たかのように、お互いの顔を見つめながら静かにうなづきあった。

 

 

続く・・・・・・・

ザ・シークレットガーデン(280)

 

 

彼はそれを受けとるために、馬を一歩前に進ませたと同時に、彼女の腕を自分の方に力強くひきよせると

 

手綱を握っている手を離し、彼女の顔を包み込むように触れ

 

精一杯の感謝の意をあらわした後、噛み砕かれたセージを傷口にすり込んだ。

 

その瞬間、かれの表情は精悍な戦士の表情に変容し、

 

まるでコヨーテの遠吠えのような声を天に向かって発した後、砂塵を巻き上げるように疾走した。

 

それに呼応するように他の戦士たちも、全速で彼にしたがっていった。

 

続く・・・・・・・

 

 

ザ・シークレットガーデン(279)

 

激しい戦いを繰り広げて疲れきっているはずの戦士だっ

たが、彼らの前にあらわれた光の軍団を目の前にしたときから、よみがえったようによりいっそう力強い戦士となって、キャロラインの前に姿をあらわしたのだった。

 

 

 

その時、戦士たちの中からマクワートがしずかに姿をあらわした。

 

 

 

キャロラインは、歓喜の表情を浮かべて、マクワートの前に馬を進めた。

 

 

 

その瞬間、彼女は彼の左肩から流れ出る血潮を見て、表情を曇らせた。

 

 

 

しかし彼にとっては、それよりもキャロラインに再会できたことの方がよろこびだった。

 

 

 

キャロラインは次の瞬間、身をひるがえすように馬上から地上に降り立ち、荒野に一面に生えているホワイトセージを抜きとると自分の口で噛み砕き、それを馬上のマクワートにさしだした。

 

 

続く・・・・・

 

ザ・シークレットガーデン(278)

 

 

 

彼女はまぶたを閉じると戦場で戦っているマクワートに向かって、意識で呼びかけた。

 

 

その瞬間、彼は彼女に視線を向けると、すべてのを了解したように、仲間の戦士たちにこの戦線からはなれるように持っていた剣を前方に向け、前進せよとの合図を送った。

 

 

戦場で戦っていた戦士たちは、目の前に光の軍団があらわれたことで、すべてをさとりマクワートにしたがって、いっせいに戦場からはなれはじめた。

 

 

その時のわたしは、今まで分かれていたタマシイがひとつになるような感覚になり言いようのない安堵感に包まれていた。

 

 

その後、先に進んで彼らを待っていたキャロラインの戦士たちとおくれをとる事なく、合流することができた。

 

 

続く・・・・・・