LOVE WINS ALL(IU & BTS:V) | akaneの鑑賞記録

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3月発売予定のIUのニューアルバムに先立ち、1/24、IUの公式YouTubeチャンネルから先行公開曲「Love wins all」のミュージックビデオ(以下、MV)が公開されました。
2021年12月にリリースした「Pieces」以来、約2年ぶり、3月からは約5年ぶりのワールドツアーを開始します。
 

 

 


凄くないですか?!

このMV!

 

 


なんだか1本の映画を見たような気持になり、ラストは涙してしまいました。
IUの透明な歌声が、なお一層感情を揺らします。


それもそのはず、このMVは『コンクリート・ユートピア』を手がけたオム・テファ監督が製作しているんです!

 

 



このMVでも荒廃したディストピアと、滅亡する人間の絶望が存分に描かれていますね。

IUちゃんは、「ベイビー・ブローカー」や「マイ・ディア・ミスター」など、多くのドラマや映画でその演技力はお墨付きですが、テテは2016年の「花郎(ファラン)」以来の演技。


その時は若干20歳で演技経験ゼロでしたが、テテはBTSのMVに於いても、非常に演技力があって、伝えるべき世界観を端的に表現していましたし、ステージでの豹変ぶりも凄いのです!


そして今回のMV!!
表情の豊かさ、魅せ方。

様々な感情があふれ出ていて見る者の心に刺さります。
この7年間で、どれだけの努力と経験を重ねてきたのか…
これは除隊後、俳優のオファーも殺到しそうですね。





たった5分の映像に、想像力がかきたてられます。

 


耳が聞こえない彼女(IU)と

 

 

右目が白濁して見えない彼(テテ)

 

 

 

IUの唇にピアスがあるのは、声が出ない(話せない)ことを表しているそうです。
常にIUの方がリードして世話をやいているから彼女の方が年上設定かな。
彼は少しイノセントな存在なのかもしれません。
 

 


不気味なキューブに攻撃され、廃墟となった世界を逃げまどう二人。

ショッピングモールで見つけた古いビデオカメラ。
レンズを覗くと、何事もなかったような夢の世界を見ることができます。

 

 


レストランで食事をし

 

 

 

ウェディングドレスとタキシードに身を包み、祝福されてステージに立つ二人

 

 

 


プリクラを撮ってはしゃいで…


プリクラを撮っているシーンのテテの右目は黒いけれど

 

 

 

プリントアウトされたシートには、濁った右目のテテが映っている

 

 


細かい!!!


でも現実にはあの恐ろしいキューブから逃れることはできません。
その絶望の表情…

ずっとリードされていた彼が、渾身の力で立ち向かおうとしますが…到底かなうはずもなく…

 

 


その大きな手で彼女の手を握りしめ

 


彼女は視力のある彼の左目を覆うことによって、最期の恐怖から彼を守ろうとする。

 

 

 

 

最期のその瞬間を見ているのは彼女ただ一人…


 

 

愛することを邪魔する世の中で

最後まで愛そうと努力する人々の物語




これはもうどういうコンセプト、ストーリーなのか全部知りたいーーー!となったら、すぐにオム・テファ監督のインタビューが公開されました。


https://twitter.com/BTSV_JPN/status/1749981603970035957

https://n.news.naver.com/entertain/article/609/0000816202

 


 

 

 

 



ニモと呼ばれるキューブの正体は、主人公たちが直面している差別を表しており、私たちの日常生活にはびこる様々な種類の差別や抑圧を挿すとも解釈できる。



ビデオカメラのレンズは、すなわち「愛のフィルター」を意味する。
人物の内的または外的な姿を越えて世の中の美しいものを眺められる重要な装置。


だが、ついに「キューブ」によって肉体が消滅し、彼らが羽織っていた「服」だけが残ることになる。 2人は最後のビデオカメラ画面で空中に浮び上がるが、これはあらゆる抑圧と圧迫から抜け出し自由に飛んでいけることを意味する。 空から落ちるドレスとタキシードは、現実で意味があり重要だと思われる形式が果たして、本当の本質を見せてくれるのかについて質問を投げかけるという意味もある。




IUちゃんとテテは2歳差なんですが、すっごくヌナ感(お姉さんの雰囲気)ありますよね。
テテのファンも、このMVのお相手がIUだからこそ、ラブラブなシーンも納得って感じです。
本当にお似合いで美しい。

 

 

 

 


昨年、テテがソロアルバムを出したときに、IUの「パレット」という番組に出演していました。
 

 

 


その中で、テテが「演技もやりたい。スリラーやSFが良いな」と言っていたのは、この伏線だったでしょうか。


ともかく、たった5分で濃密な世界観を描き出したオム・テファ監督のセンス、それを見事に表現してくれた二人に感動です!