盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~ | akaneの鑑賞記録

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盲目のピアニスト、アーカーシュの誰にも言えない秘密。
それは、本当はバッチリ目が見えること!
芸術のため盲目を装う彼は、ある日、大スター、プラモードからの演奏依頼を受けて訪ねた豪邸で、妻のシミーと、その不倫相手のプラモード殺害現場を“目撃”してしまう!
しかし、それはアーカーシュが巻き込まれる災難のほんの始まりに過ぎなかった…

 


 

 

実は、期限切れが迫った割引ポイントの消化で見に行った映画なんですが、結構面白かったです!
インド映画の主人公って、ともかく信仰心が篤くて正直者。
悪役との対比がはっきりしています。

今年観たインド映画3本

 

パジュランギおじさんと、小さな迷子
パドマーワト 女神の誕生
あなたの名前を呼べたなら

もそうだし、2018年の大ヒット作

バーフバリ

もしかり。



「正直者が馬鹿を見る」ような事態になったとしても(実際、それで命を落としたりするストーリーも多い)、運命として受け入れるのが定番だと思っていたのですが…これは全く違う!!!
裏切りと騙しあいのてんこ盛り!
でも悪者もなんだか愛嬌があって、こんなにブラックジョーク満載のコメディ作品もあるんだ!とビックリしました。
 

 

 

 


盲目のピアニスト、アーカーシュ(アーユシュマーン・クラーナー)の秘密。
それは、本当はバッチリ目が見えること。
偽装用のコンタクトを入れ、濃いサングラスをして生活しています。

 

 

アーユシュマーン・クラーナーは、山田孝之っぽくてなかなか良い感じ。
音に集中し、才能の向上を目指して盲目を装っているとはいうものの、やはり「盲目」ということで受けられる恩恵も狙っていたと思います。
盲目なのにピアノが弾ける!というインパクトもありますし、部屋を安く借りられたり、何かと親切にしてもらえますもんね。

 


街中でバイクに乗ったソフィ(ラーディカー・アープテ―)とぶつかったことで恋が芽生え、彼女の父親の店でピアノを弾かせてもらえることになりました。
一気に人気者になり、チップもたくさん!!

 

 

ソフィともラブラブで幸せ一杯!

 

 

と、序盤はわりとゆる~い感じで進みます。





さてある日、彼の演奏の大ファンになった往年の大スター、プラモード(アニル・ダワン)から、結婚記念日のサプライズとして演奏しにきてほしいと依頼を受けます。
指定の日時に豪邸を訪ねると、ドアを開けたのは、なんとなく不審な様子の妻シミー(タブー)。

 

 

約束通りピアノ演奏を始めますが、なんと部屋にはプラモードの死体が!!
どうやら妻のシミーと、その浮気相手が殺害した模様。
死体も犯人も見えないフリで、なんとかその場を切り抜け、通報しようと警察に駆け込んだら……現れた警察署長(マナフ・ヴィジ)こそ殺人現場にいた男だったのです!!!

 

 

 

 


さあ大変!
 

 


アーカーシュは咄嗟に「猫がいなくなったから探してほしい!」と苦し紛れの嘘をつきますが、署長は疑心暗鬼。
「ホントは見えてるんじゃないのか???」って、自宅まで押しかけて色々探りを入れてくるのが面白い。

 

 

 

 


プラモードの財産や地位目当てで結婚した妻のシミー。
売れない女優なんですけど、これがまぁとことん悪女!

えげつないくらい悪知恵が回る!

 

 

だけど、なかなか美人で色っぽくて、憎めないんですよねー(笑)
アーカーシュの前で、変な仮面を被って「笑うかどうか(見えてるかどうか)」を確認するシーンとか、爆笑しちゃった。
やばいこと言いそうな目撃者はサクサク殺しちゃうし、アーカーシュの目が見えているとわかったら、毒を盛って本当に盲目にしちゃうんです!!

 

 

 


まぁそこからは、臓器売買の医者は出てくるし、怪しげな宝くじ売りのおばちゃんとその息子も巻き込んで大騒動!
 

 

 


オープニング。

ウサギを狩る猟師のシーンや「話すと長くなるけど」のセリフの伏線が、結末にちゃんと繋がっているのが「なるほどねーーーー!」って感心します。

最後の最後も、「お!!」っとなる、ちょっとビターな終わり方です。
 

 

 



先日鑑賞した「やっぱり契約破棄していいですか?」っぽい、ブラックコメディでした。
まだいくつか上映している映画館もありますね。


機会があればDVDなどでもぜひ。
http://m-melody.jp/