アメリカが日本に集団的自衛権の行使を求めているようですが、一体どういう場合を想定しているのでしょうか。

この問題を考えるうえで参考になる記事が出ていました。

ーーーーーーーーーーーーーー

安倍首相「機雷掃海も視野に」=シーレーン防衛重視―公明に圧力・集団的自衛権
時事通信 6月14日(土)14時59分配信
 安倍晋三首相は14日、集団的自衛権の行使を認めるケースに関し、シーレーン(海上交通路)での機雷除去も含めるべきだとの考えを明らかにした。公明党は行使を一部認める方針に転じたものの、従来の政府の憲法解釈との整合性を重視して、日本周辺有事の際の米艦船防護にとどめたい意向。対象範囲拡大を首相が公然と求めたことで、公明党は今後の与党協議で難しい判断を迫られそうだ。
 首相は14日午後、視察先の鳥取県境港市で記者団に「機雷掃海もしっかりと視野に入れて議論していきたい」と明言。自民、公明両党に対しても、「議論していただきたい」と促した。シーレーン防衛に関しては「死活的に重要だ」と強調した上で、「日本はなすべきことをやらなければならない。しっかりと正面から向き合っていく必要がある」と語った

ーーーーーーーーーーーーーー

安部首相の発言がどの国のことを想定しているかは、現在においてイラン以外の国は私には思い浮かびません。

現在アメリカとイランは核についての交渉に入っているはずなのですが、アメリカはそれがうまくいくとは思っていないのでしょうか。

さらに、日本が仮にシーレーン防衛の集団的自衛権行使を受け入れても、現在のイランに対する外交交渉では完全に蚊帳の外なのです。

日本が外交交渉に参加できずに戦争になって集団的自衛権を行使することになって本当に日米同盟がより対等なものになるのでしょうか。

私は憲法改正無しの集団的自衛権の行使はさらなる日本の「属国」仮を深めるだけのような気がしてならないのです。

ちなみに現在のイラクではスンニ派の過激派が勢力を盛り返し、オバマ政権がどのような態度をとるかに注目が集まっています。

イランもこの過激派については敵対視していますので、アメリカとはある意味で利害が一致しているのは確かなようです。

しかし、現在の中東は全くのカオス状態になっていますので、いっこうに先が読めません。
面白い記事を見つけました。

この記事によればベルギーでのG7サミットで安部総理がクリミア問題でロシアを追い詰め過ぎるとロシアが中国に接近する懸念があると指摘したそうです。

するとドイツのメルケル首相が、「ミスター・アベの指摘された通りです。われわれにはアジアの視点が欠落していました。と同時に、この場でロシアと中国の急接近は好ましくないということを確認すべきだ」と述べたという。

この記事の作者はメルケル発言を安部首相に対する「ヨイショ」と書いていますが、本当にそれだけでしょうか。

よく言われることは、大陸の欧州諸国は石油や天然ガスをロシアに依存しており、クリミア問題でそんなに強い立場に出られないというものです。

さらにドイツにはロシアに対する独特の地政学的立場があります。

フランスの評論家、エマニュエル・トッドが「ドイツ人はかつてのビスマルクのようにロシアとの同盟が必要だという考えと、根深い反ロシア的な考えで揺れ動いている。」と記しています。

つまりドイツのメルケル首相はクリミア問題でロシアを追い詰めたくなかったのですが、それをあからさまに語ってしまうとアメリカのオバマ大統領の立場を傷つけることになります。

そこで安部首相が持ち出した「中露接近」の危険性に大義を見出したのです。

G7サミットの場で日独がロシアを巡ってアメリカに意義を唱えるという珍しい光景をみて私が思ったことは日独伊の3国同盟のことです。

このブログで何回か書いたことですが、近衛内閣の時にできた三国同盟は実はそこにソ連を加えて4カ国同盟に発展させるつもりだったのです。

鳥居民さんの『昭和20年』の第一巻に昭和14年に近衛文麿が『事変を迅速且つ有利に終息せしむべき方余』という意見書を読む場面があります。

事変は日中戦争のことです。

この文書の結論部分には「日ソ独伊の連盟が成り立てば世界は挙げて驚愕するに相違無いが、特に英国と蒋政権は狼狽、度を失するであろうこと見るが如しである・・・日ソ独伊の連盟は事変解決に最後の決定力を有す」と書かれてあります。

つまり近衛が日独伊ソの同盟でやりたかった最大のことはソ連を取り込むことによって日中戦争を解決したいという願望でした。

日独が協力してロシアを取り込み中国を牽制するという今回のサミットでの出来事は今から70年前に近衛が望み果たせなかったことなのです。

今回はどうなるでしょう。
宇田川敬介著『韓国人知日派の言い分』という本を読みました。

この本の優れているところは、近頃の言いっぱなしの嫌韓本とは違い韓国人知日派の意見を載せているところです。残念なのは著者のインタビューに答えている韓国人の全てが匿名であることです。

この本の中で私が最も感心した韓国人の意見を紹介したいと思います。大学総長として紹介されている韓国人は現状を次のようにリアリスティックに分析されています。

「日本との関係が悪化したシナリオはもう出ている。それは、オバマ大統領と民主党政権のアメリカは、おそらく韓国を見捨ててしまい、日本を中国の太平洋進出の防波堤にするだろうということだ」

この結果、韓国は「独立」を失い、中国の影響が朝鮮半島全土に及ぶことになるわけですが、この大学総長は次のように言って日本を脅かします。

「そうなれば対馬からわずか49.5km北の釜山港に北朝鮮の軍艦や中国の空母、潜水艦が入ることになり、長距離砲弾も届くし、短距離ミサイルで福岡を攻撃できるようになる。日本はそうした事態を許容できないはずだ。」

だから、「韓国は経済が崩壊しないよう日本との連携を模索するようになり、また日本も、許容範囲内でそれを受け入れる以外には、残念ながら選択肢は存在しないはずである。」

この大学総長のロジックは私の心にかなり響くものがありました。ただ残念ながらパク・クネ政権のやり方とはかなりの距離があります。

この大学総長もこのことは十分に認識しているようで現在の日韓関係について次のように語っています。

「結局、日本には何でも揃っているが、韓国には国家的な欠陥が多い。その韓国が頭を下げずに日本から必要なものを獲得することができたのは、日本が、植民地時代という負の遺産に遠慮した結果でしか無い。それを当然のこととして政治的なパフォーマンスにまでしたてあげたのが韓国の反日である。・・・・・・・日本は韓国をどこまで本当に必要としているのか。韓国はいい加減なところで反日をやめないと、大変なことになってしまうだろう。」

私も論理的なところではこの大学総長のいうような、日本の安全保障のためにも日韓の協力が必要なことは認識していますが、感情の部分では日に日にズレが激しくなってきています。

もう韓国が中国の影響下に入ろうとどうでもよく、確かにこの大学総長の言うように日本にとっては危険かもしれませんが、対馬海峡の安全に万全を期すというものです。