動物性食品に多く含まれる「脂肪酸」を取り過ぎると、コレステロールと中性脂肪の両方の検査値が上昇してしまいます。

 

意外な落とし穴は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品です。

 

一例を挙げると、健康診断で中性脂肪の値が健康範囲の20倍を超えている、と言われた患者さんがいました。

 

その人の食生活を尋ねてみたところ、水代わりに毎日1リットル以上の牛乳を飲み、バターやチーズも大好きということでした。

 

早速、食事指導を行うと、検査値はすぐに改善しました。

 

牛乳100グラム当たりに含まれる脂肪酸は、牛肉の10分の1ほどにすぎません。

 

しかし、牛肉に比べて乳製品は、毎日取っているという人が多く、検査値を悪化させている人も少なくありません。

 

乳製品は体に良いというイメージがありますが、これは主に育ち盛りの子どもや青少年にいえることです。

 

成人が大量の乳製品を取り続けると、体内で消化しきれず、余剰分が中性脂肪やコレステロールに変わりたまっていきます。

 

前者は肥満のもとであり、後者は動脈硬化症の原因です。

 

これらの検査値が上昇した状態は脂質異常症(高脂血症)と呼ばれます。

 

中性脂肪の値が上がりやすいなどの体質も大きく関係しているので、既に検査値の異常を指摘されている人は、一層注意が必要です。

 

牛乳やヨーグルトが大好きという人も多いと思いますが、さまざまな食品とのバランスを考え、乳製品はほどほどに取るようにしましょう。

運動機能を衰えを示す「ロコモティブ症候群」という言葉を日本整形外科学会が2007年に提唱してから9年。

 

啓発が進み、メタボリック症候群が「メタボ」と呼ばれるように「ロコモ」という省略を聞く機会も増えた。

 

日常生活に支障がないと思っていても、幾つかの「ロコモのサイン」が当てはまると、要介護や寝たきりになる危険性が高まることが分かっている。

 

進行を防ぐには、できるだけ早く衰えの兆候に気付き、運動を心掛けることが大切だ。


ロコモになる原因は運動機能に関わる器官である運動器のけがや病気。主に「骨粗しょう症や骨折」「関節軟骨や椎間板の異常」「筋肉虚弱や神経の異常」の三つだ。

 

自立した生活ができている高齢者でも、運動機能や骨密度は気付かないうちに低下する。それを放置すると、ドミノ倒しのように次々と悪くなる。

 

13年の厚生労働省調査では要支援、要介護になった原因の25%は運動器の障害だ。

 

日常生活でのロコモのサインとして「片足立ちで靴下がはけない」「家の中でつまずいたり滑ったりする」「階段を上がるのに手すりが必要」などの7項目を挙げている。

 

学会では13年から「ロコモ度テスト」も導入した。

 

高さ10~40センチ刻みの台に座った姿勢からの「立ち上がりテスト」で、下半身の筋力を測る。

 

「2ステップテスト」はできるだけ大股で2歩進み、その長さを身長で割る。筋力とともにバランスや柔軟性が分かる。

 

痛みや困難を感じている場合は、テストではなく医師の診察を受けることが必須。

 

衰えに気付いた人が機能を保つ生活に変えられるかどうかが大切。

 

運動を勧めても、転倒が怖くて外に出ず、さらに弱っていく人も多い。

 

お勧めのロコモチェックは「片足立ち」。

 

片足立ちは歩く動作の一部。バランスを取って立つだけでも、筋力や神経など相当に複雑な運動になるので、ふらつくかどうかで初期の衰えが分かるからだ。

 

片足でバランスを取る運動は、ロコモ防止の体操にも取り入れられている。

最近、追跡する食生活と健康の関わりを、長い年月をかけて追跡する大規模な調査が海外で盛んに行われています。
 

2015年、日本動脈硬化学会が健康な人の場合、食事中のコレステロールと血中コレステロール値の相関を示すエビデンス(科学的根拠)は十分でないという趣旨の声明を出し、話題となりました。

 

これまで、コレステロール含有量の多い食品を取ると検査値が悪化するといわれ、卵は1日1個までとされていたのはご存じの通りです。

 

この点を確認するために、大規模な調査が行われるようになりました。

 

対象とした食品は主に鶏卵でした。

 

なぜなら卵には、Mサイズで1個当たり235㎎程度の一定量のコレステロールが含まれているからです。

 

数々の調査で分かったのは健康な人が1日2個ぐらいまで食べても検査値は悪化しないという事実でした。

 

それどころか、卵を日常的に食べている人は、健康状態も優れていることが分かってきたのです。

 

卵には、1個で1日に必要なたんぱく質の10%ほどのほか、鉄分などのミネラル、妊婦に必要な葉酸、がんを予防する抗酸化物質、胎児の脳を発達させる上で必須のコリン、眼病を予防するルテインなども豊富に含まれています。

 

これらは、米国農務省が発表しているデータです。

 

また、卵を毎日食べている人は朝食をきちんと取っているため、健康状態が良好なのではないかとの意見もあります。

 

ただし、コレステロール摂取量と血中コレステロール値の関係には個人差が大きく、持病がある人は主治医との慎重な相談が必要です。