動物性食品に多く含まれる「脂肪酸」を取り過ぎると、コレステロールと中性脂肪の両方の検査値が上昇してしまいます。

 

意外な落とし穴は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品です。

 

一例を挙げると、健康診断で中性脂肪の値が健康範囲の20倍を超えている、と言われた患者さんがいました。

 

その人の食生活を尋ねてみたところ、水代わりに毎日1リットル以上の牛乳を飲み、バターやチーズも大好きということでした。

 

早速、食事指導を行うと、検査値はすぐに改善しました。

 

牛乳100グラム当たりに含まれる脂肪酸は、牛肉の10分の1ほどにすぎません。

 

しかし、牛肉に比べて乳製品は、毎日取っているという人が多く、検査値を悪化させている人も少なくありません。

 

乳製品は体に良いというイメージがありますが、これは主に育ち盛りの子どもや青少年にいえることです。

 

成人が大量の乳製品を取り続けると、体内で消化しきれず、余剰分が中性脂肪やコレステロールに変わりたまっていきます。

 

前者は肥満のもとであり、後者は動脈硬化症の原因です。

 

これらの検査値が上昇した状態は脂質異常症(高脂血症)と呼ばれます。

 

中性脂肪の値が上がりやすいなどの体質も大きく関係しているので、既に検査値の異常を指摘されている人は、一層注意が必要です。

 

牛乳やヨーグルトが大好きという人も多いと思いますが、さまざまな食品とのバランスを考え、乳製品はほどほどに取るようにしましょう。