最近、追跡する食生活と健康の関わりを、長い年月をかけて追跡する大規模な調査が海外で盛んに行われています。
2015年、日本動脈硬化学会が健康な人の場合、食事中のコレステロールと血中コレステロール値の相関を示すエビデンス(科学的根拠)は十分でないという趣旨の声明を出し、話題となりました。
これまで、コレステロール含有量の多い食品を取ると検査値が悪化するといわれ、卵は1日1個までとされていたのはご存じの通りです。
この点を確認するために、大規模な調査が行われるようになりました。
対象とした食品は主に鶏卵でした。
なぜなら卵には、Mサイズで1個当たり235㎎程度の一定量のコレステロールが含まれているからです。
数々の調査で分かったのは健康な人が1日2個ぐらいまで食べても検査値は悪化しないという事実でした。
それどころか、卵を日常的に食べている人は、健康状態も優れていることが分かってきたのです。
卵には、1個で1日に必要なたんぱく質の10%ほどのほか、鉄分などのミネラル、妊婦に必要な葉酸、がんを予防する抗酸化物質、胎児の脳を発達させる上で必須のコリン、眼病を予防するルテインなども豊富に含まれています。
これらは、米国農務省が発表しているデータです。
また、卵を毎日食べている人は朝食をきちんと取っているため、健康状態が良好なのではないかとの意見もあります。
ただし、コレステロール摂取量と血中コレステロール値の関係には個人差が大きく、持病がある人は主治医との慎重な相談が必要です。