あらすじ
防犯探偵・榎本シリーズ『ミステリークロック』の文庫版。
短編『ゆるやかな自殺』と中編『ミステリークロック』が収録されている。
ゆるやかな自殺
暴力団事務所で密室殺人が起きた。
事務所の鍵を開けるためにあくまでも「鍵屋」として呼ばれた榎本は、組長の娘に事件の証人になってほしいからと立ち会いを求められる。
怖すぎて断れない榎本。
暴力団組員たちの気分を損ねれば冗談ではなく「死」である。
なお、法律違反まみれの暴力団事務所に弁護士は登場させられないとのことで純子の出演は見送られている笑
タイトルの『ゆるやかな自殺』がトリックに関わってきます。
ミステリークロック
売れっ子作家が所有する山奥の山荘でパーティが開かれた。
なぜか他の参加者と親交の深くない「ヒキジイ」も呼ばれていた。
執筆のために自室にこもった玲子が殺され、一時は事故死との結論になるが…
感想
ゆるやかな自殺
超短編なのであっさり終わってしまうが、場所が暴力団事務所だけなあって、そこに入り込んだ一般人榎本の気持ちを考えると多少のスリルはあった。
まだ若い組長の娘にゴリゴリの男たちが逆らえなかったり、気に入らないととりあえず銃口を向けたり暴力団だな〜という感じ。
ミステリークロック
榎本が見事トリックを暴いてくれるんだけど、とにかくこんがらがる。
図や表なども載っているが、それでも何とか全体像を掴めたくらい。
ここのところ持病の調子も悪目なのでそのせいで理解力が低下しているのかもしれないけど、とにかく読むのが疲れた笑
完璧にトリックを把握できなくてもいいやくらいの軽い気持ちで読んだほうがいいかもしれません。
貴志祐介先生もこんがらがりながら書いたのかな笑
貴志作品を初めて読む方にはおすすめできないです。
複雑なトリックだし、貴志作品の中にはもっと面白い作品があるので、そちらから読むのをおすすめします。
例えば、少しグロいけどあっと驚くものを使う殺人が起きる『天使の囀り』↓
超大作ファンタジーで、その場にいるような臨場感が味わえる『新世界より』↓
などがおすすめです。
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