「マリー・ローランサン 時代をうつす眼」2024-4

寒空の立春❄️

(隣のビルがだいぶ高くなってきました)


ちょっとしたハプニングで、東京駅周辺で急遽少し時間を潰すことになったので、予約不要の5館共通券を使って、約一年ぶりのアーティゾン美術館へ。
※通常はWeb予約が必要です。


建物全体、エレベーターやロッカーなども含めて、シンプルかつ美しい空間に身を置く幸せニコニコ



ローランサンは、独特のパステルな画風。実はそれほど好みではないけれど、国内外から集められた作品群は、かなり見応えあるものでした。

若い頃にフランスのセーブル窯で修行したとか、キュビズムの影響を受けている等、新しい視点も知ることができました。同時代の画家との交流や、同時期の他の作家との組み合わた展示も含め、キュレーションの妙。

独特のパステル調のイメージが、個人的にあまり良くないのは、微妙なトーンが、印刷やデジタルメディアでは綺麗に出にくいせいもあるかも。デッサン力始めとした技量は、(失礼ながら)相当なものがあると感じました。

無料でスマホから聴ける解説音声ガイド使ってみたら、また印象変わるかも。今回は、やや駆け足での見学。



手鏡を持つ女(アーティゾン美術館蔵)


その他、ポスターに選ばれている、プリンセス達(大阪中之島美術館蔵)、レモンのある静物(パリ市立近代美術館蔵)が綺麗で印象に残りましたした。


写真NGですが、ローランサン美術館からの貸出も多数(日本国内の団体のようですが今は一般公開していない模様)。また、椅子の背に花を描いている椅子が、庭園美術館から貸し出されているレベルびっくり本当に多才な方なんですね。


⚫️石橋財団コレクション選も見応え十分

そして、もう一つのお目当ての館蔵品フロアー(5F〜4F 石橋財団コレクション選)では、愛しの「腕を組んですわるサルタンバンク」(ピカソ)に一年ぶりに再会。



旧ブリヂストン美術館時代から、この一枚を目当てに幾度となく訪れており、アーティゾン美術館になってからの初訪問2022年は、3回観に行っていますニヤリ


洋画の油彩では圧倒的マイナンバーワン。そして、東京にあり、石橋財団コレクション選にはほぼ毎回展示されているので、実物に会いに行きやすいことも嬉しいポイント。


以前見た時よりもゆったりした通路スペースに、気負うことなくさらりと展示されているのが良かったです。

また、新収蔵品は古今東西の作品いろいろ。



早春(富士)和田栄作
ちょうど今の季節らしい景色。わかばは初見な気がします。あたかも茶の湯の掛け軸のように、さり気なく季節感も意識されているのかもしれません。



新蔵品の、双子、パウル・クレー

パウル・クレーはけっこう好きなんですよね。



色彩のシンフォニー(花)、

モーリス・ド・ヴラマンク

こちらも新蔵品。



重要文化財の作品群もフツーに展示。
✴︎黒扇は出ていませんでした。

広告貼り、佐伯祐三は、昨年の東京ステーションギャラリーの佐伯祐三展以来の再会。

上記の佐伯祐三の回顧展には、多分5点以上貸し出されていたアーティゾン美術館蔵。たぶん沢山持ってるんです。その中から、今回、なぜこの一点なんですか?とか、学芸員さんに、各画家の一点ずつ質問攻めにしたいくらい、本当に厳選されています。



実は今回、1Fで警備の人に傘の持ち込みを注意され、ロッカーに預けたのですが、アーティゾン美術館は金属探知機?のゲートもくぐるし、セキュリティーはかなり厳しいです。

重要文化財をこれだけオープンに展示するし、グローバルでは、政治的アピールのためについ先日もルーブル美術館の「モナリザ」にスープ投げつけ事件があったばかりキョロキョロそのくらいの方が逆に安心。

特集コーナー展示「野見山暁児」は、まあ好みとは違うけど、圧倒的世界観で美しいと感じました。

ちなみに、たぶん知らないとめちゃ入りにくい、四階の暗い展示室は、古美術品等の展示ルームで、個人的にはぜひ立ち寄っていただきたい「推し」スペースウインク

この通り、矢印のサインだけ。
お部屋の名前も特にないようです。



今回は、新春を意識した日本画の逸品が展示されており、中でも重要文化財の孔雀立葵図屏風(尾形光琳)の白梅が見事でした。琳派の王道の美しさ、好きなんですよね~。





印象派歴は長いのですが、最近は、日本画系の展覧会にも足を運ぶようになり、陶磁器も好きだし、忙しい爆笑

目玉作品などと話題にもならないところで逸品揃いなのが、アーティゾン美術館の館蔵品。ちなみに、昨年のお正月は全然別の松の屏風でした(狩野典信(みちのぶ)の松梅図屏風)。

やはりこれは、年パスの価値あり。
※2024年から年パス制度が出来たそうです


●学生さんにも一度は観に来て欲しい
アーティゾン美術館は、現代美術のラインナップもかなり充実しています。

今期の石橋財団コレクション展は、印象派以降、現代に近いところまでの代表的な作家がほぼ網羅されている印象です。特定の作家に偏ることなく、「名前は聞いたことのある」蒼々たる画家が勢揃い。

幅広くより多くの画家の作品を、しかし寄せ集めっぽくなることなく、広く紹介するコンセプトのように感じました。

ルノワール、モネ、セザンヌ、ゴーガン、ドガ、ゴッホ、ロートレック、
ピカソ、マティス、カンディンスキー、パウル・クレー、
佐伯祐三、青木繁、藤島武二、安井曾太郎、藤田嗣治、
新しいところでは、草間彌生、ジョージア・オキーフ、ジョアン・ミロ、猪熊弦一郎etc.

下手なガイドブックよりも、このコレクション選に足を運んで、音声ガイド聞いたり、この空間に身を置くのを推奨したいほどウインク

その中に、気になる絵があったら、そこからその画家の別の作品を見てみる、同時代の画家を調べてみる、同じテーマの別の作品を探してみる等すると、ある日自分にとっての特別な一枚に出会えると思います。

学生さんなどにも、すごくおすすめ。
中学生以下は、予約不要で無料。それ以上の学生さんは、予約必要ですが無料です。

いや、ほんと東京って凄いところです。


●まとめ
気にはなるし、そろそろサルタンバンクも観ておきたいな……というタイミングでのまさかの空き時間。



今回は、寒空&小雨の午前中で、空いてました。ひさびさ、サルタンバンクの充電も完了☑️

スマホのロック画面にしてみました。
これはアガるラブ



今年のアーティゾン美術館は、夏頃の館蔵品展にも伺う予定です。


過去記事:
東京駅周辺美術館共通券2024 利用記事


東京駅周辺美術館共通券2024についての記事:


東京ステーションギャラリーは、東京駅周辺美術館共通券2024の対象施設です。


アーティゾン美術館の初訪問記事


マイベスト洋画3点について