Post Op Day1(4月12日)
前の日の夜8時に回復室から病室に移動して以来、痛みであんまり眠れない。早く動いた方が早く回復するのを知っているので、夜中の1時頃ナースに「歩いてみたい」と言ってみるが、「明け方5時半くらいに歩きましょう」と言われる。
しょうがないので、痛みをこらえつつ、横向きに寝れるか試してみる。なんでかわからないけど、左を向くより右を向く方が痛い。
ちょっと寝てはまた目が覚めてを繰り返すけど、時間が全然たたない。ベッドの正面の壁にある大きな時計を見ながら、「痛いけど、酷かった時の生理痛はこれより痛かったよな。」とか考える。子宮を取られてしまった体が、最後の逆襲として私の大嫌いな生理痛をくれようとしている感じ。でもこれで最後だと思えば我慢できるってもの。
夜じゅう見続けていた壁の時計。リクライニングチェアから撮影。時計の下に見えるのは、医療用手袋4サイズ。
採血
4時半に採血の人がくる。こちらでは静脈から採血の時は、それを専門の仕事にしてる人がくる。Phelebotomistといい、医師でもナースでもない。毎日毎日採血ばっかりしてる人たちだから、ほとんど痛みもなく採血終了。
ちなみに、患者にポートや動脈ラインがあるときはナースがやる仕組み。動脈ラインなら私(米国呼吸療法士)もやる。そして動脈に針を刺しての血ガスの採取は呼吸療法士の仕事。(やる頻度が多いからね、その辺のドクターよりよっぽど上手だよ、私)
マグネシウムが低かったので、点滴で足される。
First walk
やっと5時半になりナースと一緒に廊下を歩く。(その30分前に痛み止めを点滴のラインから入れてくれた)大回りと小回りが選べるけど、初めてだから小回りを2周した。おばあさんのように前かがみでスタートしたけど、なるべく状態を起こして歩くよう頑張る。ものすごくスローペースだったけど、達成感はあった。
退院するかしないか
7時過ぎにシフト交代で朝番のナースがくる。続いてラーナン先生が来て傷跡のチェック。もう退院の話をしだす。(この時点では、私はまだ「えー、2泊したいわ」と思っていた)
とりあえず、尿カテーテルを取ってくれと頼む。
先生が出て行った後、朝ごはんをオーダーする。術後すぐ、何を食べてもいいと言われていたけど、昨夜は何も食べる気がしなかった。(でも頼もうと思ったらピザでも頼めたのよ!術後すぐそんなもの頼む人いるかわからないけど)
それから尿カテーテルを外し(痛みは全くなし。あっという間)、廊下を大回りで2回歩いた。一回目はPCT(patient Care Technician 看護助手)と一緒に。2回目はなんとmobility teamの人(患者と歩くのを専門にしてる人)が来た。「そんな職種まで設けてるんだ、この病院」と感心&納得。私の勤務してた病院ではしてなかったけど、この病院は人工呼吸器の患者さんも歩かせることで知られてるのだ。専門職がいても不思議じゃない。(早く歩いた方が早く回復するし、気管内チューブの抜管も早まる。でも大変。歩かせるのに4〜6人は必要)
やっぱりお腹は痛いけど、歩けるもんだわ〜と自分の回復状況にも感心。少しずつ、家に帰ってもいいかもって気がしてくる。その後ベッドには戻らず、ずっとリクライニングチェアーで過ごした。安全対策で、ちょっとでも椅子から立つと大きなアラームがなり、誰かが駆け込んでくることを知ってるので、一人でトイレにも行けない。(身体的には行けるけど、ナースに迷惑がかかるのでそういうことはしない)
素敵な個室だったのでもう一晩くらい居たかったけど、だんだんとこの「一箇所に縛り付けられていて自由がない」感覚に嫌気がさし、家に帰ることを決心。
11時頃に面会に来た旦那が、もう椅子に座ってる私を見てびっくり。家に帰ることにしたと告げるとさらにびっくり。
お家用にオキシコドン30錠出される
午後に来たナースプラクティショナー(執刀医のグループで働く、修士号を持つナース)に「帰ることにした」というと、「じゃぁ、その前にオキシコドン一回飲んでみて、副作用無いか確かめてからにしましょう。帰宅後痛みがひどい時はこれを飲むのよ。でもひどい吐き気とかする人もいるからね。家に帰って初めて飲んでそうなったら大変でしょう。」と言われる。そこでお昼ご飯を頼んで、オキシコドンを飲んで少し様子見。吐き気も何もしなかったと報告すると、「じゃ、退院の指示はナースに出しとくから、好きな時に帰っていいわよ。1時間後でも4時間後でも。」とのこと。なんてイージーゴーイングな。
我が家が一番
家に帰ると猫が出迎えてくれた。しゃがむのは辛いので、旦那に猫を私の目の高さまで抱っこしてもらい、ただいまのキスをする。入院前に作って冷凍しておいた、炊き込みご飯をチンして食べた後、痛み止めを飲む。ベッドから起き上がるのと横になるのが一番大変だけど、やっぱりお家はいいわとしみじみ感じた夜だった。
これを書いた朝。起きたらうっすら雪が積もってた。もう4月18日だというのに。