読書会・呑読会の指定図書、
渡辺淳一の「秘すれば花」を読了した。
ご存知、能を歴史上で大成させた世阿弥が、その一子相伝の「秘中の秘」をまとめた「風姿花伝」からの解説書がこの「秘すれば花」である。
この本は現代でも色あせぬ光を燦然と放ち、むしろ今日での忘れられたる核心を要点を丁寧に解説したものである。
「風姿花伝」は室町前期、1400年頃というから驚くなかれ600年前の書である。
ここでは繰り返し、
花、
秘、
初心、
といったキーワードが出てくることになるが、その簡単な単語が目に触れるほどに奥深い味わいとなって私の頭に叩き込まれる。
単に芸事の論述にとどまることではなく、人の見方といった基本的な考え方もよくよく述べられていて、その時代を超えた時という壁を感じるもどかしさすらない。
「年々去来の花を忘るべからず」
仕事を始めて責任感と夢中で先輩に追いつこうとしたあの頃。
それなりの経験も積み、責任感が自分の仕事人生の中心であろう壮年期。
そして年を取ってからの心の在り方。
年々去来の花こそ、
その時その時の
「初心忘るべからず」なのである。
副会頭の山田哲矢氏も言うように、このような他人からの課題図書でなければ出逢えない喜びに感謝するところである。
次回、「呑読会」での意見交換が楽しみな読了であった。








