「ストレート ノーチェイサー」


ジャズファンの間では、知る人ぞ知る
セロニアス・モンクの名曲である。


一般的には、ウイスキーなりのお酒を何も無しでそのまま飲むという意味だが、お酒の味が分かるようになると、「水割り」で飲むという意味が分からなくなる。



強いお酒なら少しづつ口に含みながら、お水を飲み足す方がよほどウイスキーなりの味が楽しめると思うのだが。


水割りとは、「ウイスキー味の水」だからだ。


人間はなんでもそうだ。
薄めたことをやってるようで、その気になる時間を過ごして満足感を得たような気になる。


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話は戻るが、
僕は酒の味がわかる気になってからというもの、出来るだけシングルモルトのスコッチウイスキーを味わいながらいただく。


この素晴らしいシングルモルトには、氷を入れると香りが飛んでしまう。


かと言って、ストレートでは
風味が上がらない。



常温のお水を少しだけ足して
シングルモルトを少しづつ口に含むのが僕のお気に入りだ。


口の中の温度で樽の中に閉じ込められていたこいつが大きくなる。
アラジンの魔法のランプから出てきたようだ。




ストレートのウイスキーが、常温のお水を少しだけ足したとき瞬間から、グンと生命力を発揮する。この変わりようには驚くしかない。


この場合、お水を足しすぎると
哀しいくらいにシングルモルトの生命力が奪い取られ、人生に折り合いをつけすぎて妥協した、壮年のような物足りなさになる。


ウィスキーの飲み方も、
人生も同じことだ。


真っ直ぐ生きて、
言い訳も、まぁいいかも足さない。


ストレート・ノー・チェイサー。



男が憧れるわけだ。

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