「聖書を語る」
佐藤優・中村うさぎ 共著
文春文庫


を読了した。



元外務省外交官であり現在作家の佐藤優は、キリスト教プロテスタントでカルヴァン派と呼ばれるクリスチャンである。


このカルヴァン派の教えとしては


「正しい生活をしたからと言って、キリスト教の洗礼を受けたからと言って救われるとは限らない。
どの人間が救われるのかは神様しか知らない。

あなたは、自分が前もってそのノートに名前が書いてあると信じて、選ばれた人間と信じて、神様の前で正しい行動をしているか、いつも悔い改め、反省することが重要です」



とずっと幼い頃から言われてきたという。




それに対して、中村うさぎは噛み付くのだ(笑)いや、この人がまさかのキリスト教クリスチャンで、これほどのキリスト教に対する教養があるとは驚いたが(笑)



「どんなに真面目に生きたって天国に行けないなんてフェアじゃないじゃん!

そりゃ、またひどい話じょないか!

救われる人が最初から決まってるなんて、それじゃ、そうでない人たちは何のために生まれてくるのよ!」




佐藤優氏は、国策によって不当とも思える選別を受けて逮捕された。そして512日間に渡り東京拘置所の独房に留置された。




その時に思ったのは
「いまここで起きていることは神からの試練なので、これを乗り越えなくてはならない」と考えた。



佐藤優は、自分が選ばれた人間だと信じて生きていかざるを得ないから、どんなに苦しいことにも耐えられた、と。



それに対して、中村うさぎはは、
「そんなインチキくさいこと信じないよ、私は(笑)!」
と斬って捨てる。




こんな彼を惹きつけたのが作家の中村うさぎだというのだから面白い。



中村うさぎが遍歴した、
ブランドあさり、美容整形、ホストクラブ通い、風俗体験など、それらは彼女のピューリタニズム(清い生活を重視する流れ)の強く影響を受けているからだと直観したらしい(笑)



人間の弱さの様々から、キリスト教はそれらを遠ざけようと教えるが、中村うさぎはどのような人間の弱さの経験をしても崩れない、




むしろ、
中村うさぎは人間の内側と外側を区別する輪郭を確認しようとしているのだ。




この輪郭において
人間は神に触れることができるのである。



と、見立てたのだ。



そんなクリスチャン同士のバトルから
哲学、人類学、そして、東日本大震災やオウム事件などの近年の事件を踏まえて、二人が時には仲良く、時にはバトルしながら宗教観を語る対談である。




しかし、
いまやノーベル賞候補の作家である村上春樹をケチョンケチョンに罵倒する中村うさぎの奔放さは読み応えがある(笑)

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