今日も春の気持ち良い天気が続いてます

 

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庭の花梨(かりん)の花が咲きました

 
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とても硬い木ですが毎年小さくて可愛らしい花を咲かせてくれます
 
実も生りますが、あまり形のいいものは採れませんねぇ~
 
 

先日のダイヤ改正に伴うTSEの引退やJR北海道のキハ183スラントノーズ型の記事を書いてる中で、四国と北海道、民営化の後と前、といった違いはありますが、どちらにも鉄路に対する熱いものが感じられました

 

3月17日のダイヤ改正では、JR四国においては、1989年製作の2000系試作編成3両のTSEが引退し、JR北海道では僅かに残っていたキハ183系の初期型車両が引退しました

 

2000系先行試作車TSE 

画像はウィキペディアより

 

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キハ183スラントノーズ型 

札幌駅にて1986年撮影

TSEは国鉄分割民営化後のJR四国が、四国の鉄道高速化という社運を託して開発した2000系試作車両であり、キハ183系は2000系の1つ前の世代にあたる国鉄時代の1979年に、北海道の厳しい気象条件に適合した雪と寒さに強い特急型気動車として、キハ181系をベースに開発された先行試作車(900番台)によって試用の後、1981年から使用された量産車(基本番台)です

 

当時の国鉄は他にも石勝線開業など北海道にも注力しておりましたが、石勝線とキハ183系が民営化後のJR四国の挑戦と10年ほどのズレがあっても、私の頭の中で重なってしまうのです…

 

ということで

 

まずは石勝線から…

 

1981年の石勝線開業の頃、札幌や苫小牧の道央から道東の帯広や釧路・根室方面へ行くには、車では険しい日高山脈を越える為、国道274号線の日勝峠、国道38号線で狩勝峠、あるいは大きく迂回して襟裳岬付近の黄金道路を通らなければなりませんでした

 

国道38号線は、ほぼ根室本線と同じルートを辿る幹線ですが、鉄路と同じく道央からでは大きく北へ迂回して滝川を経由するルートになります

 

道央からほぼ一直線に道東に向かう国道274号線は、当時まだ全通しておらず、太平洋側の鵡川を経由する235号と237号を通って迂回しておりましたが、国道の全通に先駆けてこのルートに開業したのが国鉄の石勝線でした

 

国道274号では、富内線に沿って穂別を通り夕張の紅葉山へ抜けるという274号の未開通区間をスルーする裏道もあってよく利用してましたが、紅葉山から見た、それは大きな夕陽は、今でもはっきりと覚えてます

 

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1986年全国道路地図より

 

この紅葉山には石勝線の駅があって、元の夕張線の真ん中辺の駅で紅葉山駅と呼ばれてました

 

この夕張線の追分-紅葉山間が石勝線として利用され、紅葉山-夕張間が石勝線の夕張支線となり、紅葉山駅は新夕張駅と名前を変えました

 

 

では石勝線開通前の鉄路はどのように日高山脈を越えていたのかというと

 

札幌から旭川の手前の滝川駅まで函館本線を北上し、ここが起点の根室本線(443.8km)を富良野を経由して狩勝峠で日高山脈を越えて根室まで路線が続いておりました

 

SL時代には随分と煙に悩まされた狩勝トンネルなどを通る旧線は1966年に5,648mの新狩勝トンネルが完成して新線に付け替えられました

 

その後1981年に千歳線の千歳空港駅から落合信号所までを夕張線を利用してバイパスして石勝線が誕生しました

 

※図はNPO法人旧狩勝線を楽しむ会「旧狩勝線の近代化遺産」より引用させて頂きました

 

日高山脈を越える根室本線は1966年にルート変更され、その後旧線では国鉄の実験線として様々な試験が行われました(瀬戸大橋の設計にも貢献したようです)

 

1981年に根室本線上落合信号所から分岐してトマム、占冠、新夕張(紅葉山)と経由して千歳空港(南千歳)を結ぶ石勝線が誕生しました(新狩勝トンネル内で根室本線と分岐する)

※新夕張-新得間は普通列車が運行していない為、同区間内の相互の駅を特急列車の自由席利用で乗り降りする場合に限り乗車券のみで乗車することが出来るそうです

 

北海道の鉄道が最後に輝いたこの時期に登場したキハ183系900番台のスラントノーズ型

 

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「石勝線開通」の画像検索結果

 

 

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北海道安平町にキハ183を保存するクラウドファンディングは→こちら

明日3月30日まで実施中です

 

 

石勝線が完成する前は根室本線で富良野を経由して滝川へ

 

キハ56系の上り急行狩勝4号は根室-札幌を直通していたようですね

 

 

急行狩勝はドラマ北の国からでも何度か登場してますハート

残念ながらYouTube動画が削除されたようですので別のリンクを貼っておきます2018年12月

下矢印第17話

https://www.youtube.com/watch?v=gtIqzslO7ys&t=1894s

 30:00/45:45が富良野駅での狩勝4号の発車シーンになります

 

根室本線を急行狩勝4号で富良野駅から札幌へ向かう石田あゆみを空知川のほとりから見送る蛍、この撮影場所は滝里ダム建設により線路が移設され現在は山側のトンネルに路線変更されたようです

by 北の国から第17話

 

ダム湖の底に沈む滝里駅は北の国から'89帰郷に登場しますキラキラ

 

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'89帰郷では東京の予備校へ行くため富良野を離れることになった緒方直人の乗った列車を雪の富良野駅で蛍が追いかける場面がありましたが、この列車も急行狩勝みたい・・・確かバックには長淵剛の乾杯が流れていたっけ♪

 

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「北の国から ’89帰郷」走る蛍・中島朋子

 

石勝線開業後は札幌-帯広-釧路駅間における広域輸送の役割は石勝線経由にシフトして、「狩勝」は徐々に減便されていき、急行「狩勝」は’89帰郷の翌年に廃止されました

 

この1989年には札幌-釧路間運行の1往復(帯広駅-釧路駅間は普通列車)のみだったと思われます

 

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麓郷の森に行った際に頂いたパンフには蛍が汽車を見送った場所(左下辺り)が紹介されており、是非乗ってみるべしとありますがダムによる路線変更で、もうここに線路はありません

 

かつての幹線ルートの根室本線、富良野-新得間(現在災害で運休中)もこのまま廃止報道されてますショボーン

 

話がまたドラマ「北の国から」に逸れてしまいましたが、もう一度最初から石勝線の開業を辿ってみると

 

1892年に追分-夕張の夕張線(51.2km)が開業し石炭輸送の幹線でした

 

その後、根室本線(滝川-根室446.8km)をバイパスするために千歳空港(南千歳)-追分、新夕張(紅葉山)-新得を建設し、夕張線の追分-新夕張間(紅葉山)を改良して石勝線に改称する(1981年)

※上落合信号場-新得間23.9kmは根室本線と重複区間

 

支線として残った夕張線の新夕張-夕張間(16.1km)は2019年3月31日で廃止が決定したようです

※JR北海道は夕張市で持続可能な交通体系を再構築するための費用として、7億5000万円を拠出する事になりました

 

この石勝線によって道央と道東はこれまでのように滝川を経由した根室本線によって日高山脈を越えていた時代から大幅に所要時間を短縮することが出来ました

 

その一方で滝川-新得間では優等列車は全廃され、ローカル線となってしまいました

 

全長443.8kmの幹線路線であった根室本線は石勝線の開通によって、滝川-富良野-新得間はローカル線となり、2016年8月の台風10号による甚大な被害で東鹿越~上落合信号所間が不通になったまま、列車は運休してバス代行輸送が行われています

 

根室線 東鹿越~上落合間 H28台風10号による被災状況

 

この復旧工事費は10.5億円かかるとされ、東鹿越~上落合信号場間を含む根室本線の富良野~新得間は、輸送密度が200人未満であり、JR北海道が「単独では維持困難」としている線区です

自然災害は廃線の引き金?JR根室線復旧見合わせ 日本経済新聞

 

この東鹿越-上落合信号所の間にある幾寅駅をご存知でしょうか

 

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そうですビックリマーク高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」の幌舞駅

 

ロケ地となったのは幾寅駅(南富良野町)でした

 

残念ですがもう、幌舞駅に列車が入線する事は無さそうですね

 

乙松駅長はひとりホームに立って、列車がやって来るのを黙って待っている様な気がします

 

では、また

 

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