二月も今日で終わり、明日からは早三月ですね

 

春一番が吹くとの予報も出ており、寒かった冬も終わりの様です

 

前回久々にJR北海道関連の投稿をしたので、更にもうひとつww

 

 

かつて、日本国内には網の目のようにローカル線が張り巡らされていました

 

とりわけ、北海道には開拓を担った鉄道が数多くあり、それらが炭鉱の閉山や人口流出などによって営業係数の高い赤字路線となり、1987年のJR発足前に路線が次々と廃止されていきました

 

馴染みのある多くの廃止された路線の中でも以前から気になっていた国鉄士幌線(1987年3月23日廃止)の幌加駅と十勝三股駅を1987年6月19日に訪ねてみました

 

三股とは音更川、中の川、十四の沢の川合流点であることから名付けられたといいます

 

訪れた当時の十勝三股の人口は二世帯で僅か六人、かつては木材景気に沸き一千五百人(昭和29年)が暮らし、新日本紀行でも林業の町として放映されたという面影は全く無かった

 

なんか、去年の6月に訪ねた志々島を思い出しますねぇ~

 

鉄道営業が休止される前年の昭和52年(1977)には士幌線、糠平-十勝三股の営業係数は二万二千五百円だったという(100円の運賃収入を得るのに22,500円経費が必要)びっくり

 

更に国道の拡張が営林署の作業員などの流出を進め過疎化に追い打ちをかけたというのは以前に触れた陸の孤島雄冬と同じ流れですね

 

1978年12月25日から鉄道営業が休止されていた士幌線の糠平〜十勝三股区間は約18kmで、25‰(パーミル)も連続する険しい路線でした

 

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ルピナスの花に覆われた構内に遺された駅舎と腕木式信号機の信号てこ

 

ルピナスはもともとこの地方に自生していた植物ではなくて、住民が観賞用に持ち込んだものらしいです

 

人が居なくなった十勝三股にルピナスの群生が咲き誇っている…

 

幌加、糠平方面を望んだ写真ですが、左の柱の陰に給水塔の赤い屋根が隠れています

 

10年近くの間、路線の休止区間(バス代替)でしたが、約3か月前に士幌線自体が廃線となり、もう正式に列車は来なくなりましたがルピナスの下にはまだレールが繋がってました


 

この時は然別湖を訪れたのち、糠平方面から士幌線跡を遡りました

 
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音更川を渡る士幌線の橋梁(ガーダー橋)
国道の丸山橋辺りから撮影だったかな?
【後補足】
今更ながら検証してみると、丸山橋より糠平よりのメトセップ橋付近で糠平湖を対岸に迂回する新線の第四音更川橋梁だと思います。ネットで画像を検索しましたが旧線の第四音更川橋梁ばかりで、この橋梁はヒットしませんしたが、確かこの写真を撮って何年後かに取り壊す旨の新聞記事を読んだ記憶がありますので、現在はもう無いと思います。右の糠平温泉あと9kmの看板はひょっとしたら残ってるかも。゚(T^T)゚。
- - - - - - - - - - ココまで
 
士幌線と言えばコンクリートアーチ橋梁群がクローズアップされておりますが、糠平ダムの建設で付け替えられた新線は旧線の対岸を通っており、この第四音更川橋梁(256m)によって旧線と合流します(合流地点はタウシュベツ川橋梁と音更トンネルの中間地点くらいかな)
 
かりもの 平成2年撮影 第四音更川橋梁(新線)
↑このリンク内に新線の第四音更川橋梁の写真(平成2年撮影)がありました
 
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道東の電源開発の為に十勝川水系音更川に糠平ダムがつくられた(1953年着工、1956年竣工)

 

原生林が迫り、自然湖の趣きがありますが糠平湖はダム湖であり、旧国鉄士幌線の路線は付け替えられました

 

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糠平~十勝三股間の路線自体は、1987年に士幌線全線が廃線になるまでの間10年ほどは休止区間だったので、踏切には「当分の間ここは列車は通りません」とありますが、誰もがもう二度と列車が通る事は無いと判っていた

 

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 幌加駅のホームに残る駅名表とレール

 

休止区間だった為にレールは撤去されずにそのまま繋がってます

 

 

 

 

この当時の国道273号線(糠平国道)は未舗装区間がかなり残っており、冬季は通行止めで、夏でも通る車はほとんど見かけませんでした

 

今は路線の改良も行われて通年通行が可能になっているようです

 

 

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 十勝三股駅島式ホームから幌加方面

 

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 ホームから反対方面

留辺蘂方面へと延ばす予定だった路盤が北へと数百メートル続いています

 

林業が盛んだった頃はここから更に森林鉄道の軌道が2本続いていたという

 

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 駅前の広場には色褪せた医院の看板などが沢山残っていた様に記憶しています

 

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 十勝三股駅駅舎

 

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 鉄道営業休止後、駅舎のホーム側はベニヤで覆われていました

 

 

1987年に訪れるよりも8年程前(昭和54年)の写真をかいもん4号さんのHPよりお借りしました

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1979(昭和54)年10月頃の十勝三股駅(4-1)

(以下4枚 当時の写真をHPからお借りしました)

この約1年前(1978年)に列車の運転が休止になり、代行バスに置き換えられています

 

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(かりもの写真4-2)

まだ真新しいべニア板で覆われた十勝三股駅

 

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(かりもの写真4-3)

列車が来なくなってから一年、腕木式信号機は停止を示したまま!レールも錆びついています

 

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(かりもの写真4-4)

十勝三股駅はかつての士幌線終着駅、SL時代の名残り、転車台と給水塔

 

私が訪れたこの8年後にはルピナスの花に覆われ、給水塔の頭しか見えなかったですが、花の下には構内がこのままの形で残っていたはずです

 

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1978年12月頃 鉄道営業末期の駅構内 キハ12

北海道新聞社 写真集 国鉄北海道ローカル線よりお借りしました


後方の山は大雪山系キラキラ

 

北海道で一番標高の高い駅(海抜661m)でした

 

12月24日限りで列車は来なくなった

 

 

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昭和54(1979)年8月1日第1刷発行 主婦と生活社

 

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士幌線レールデータ

開通 昭和14年11月18日

全長 78.3km

区間・駅数 帯広~十勝三股15駅

 

幌加駅 

開設 昭和14年11月18日

乗降客数 2人

 

十勝三股駅

開設 昭和14年11月18日

乗降客数 28人

 

参考までに同時期の

日本一の赤字路線 美幸線 仁宇布駅

開設 昭和39年11月3日

乗降客数 66人

 

土讃本線 秘境駅 坪尻駅

開設 昭和25年1月10日

乗降客数 104人

となってました (;^_^A

 

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此処に載っている北海道の名士30路線中25路線が既に廃線となっている
 

 

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 士幌線の路線 

北海道新聞社 写真集 国鉄北海道ローカル線より

 

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 士幌線の新線と旧線

 

アーチの形状が似ているのでひょっとして昭和12年竣工のタウシュベツ川橋梁だろうか?

 

・・・と思ったけど新線は国道273号線側でタウシュベツ川橋梁のある旧線は糠平湖の対岸なので違いますね

 

推測ですが、新線は第二音更川橋梁で、旧線は下の沢陸橋ではないかと思われます

参考 北海道ファンマガジン

今も残る14の美しき「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」を巡る

こちらから

 

旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群マップ

北海道ファンマガジン

 

 

 

タウシュベツ川橋梁

写真はひがし大雪自然ガイドセンターさんよりお借りしました

 

当時はタウシュベツ川橋梁の事など全く知らなかった

 

この橋の存在を知ったのは映画「雪に願うこと」根岸吉太郎監督

 

この映画のシーンに冬のタウシュベツ川橋梁が出てた

 

福山さんの奥さんの吹石一恵さんと佐藤浩市さんが出演していたよ~

雪に願うこと 雪に願うこと
 
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かりもの

タウシュベツ川橋梁は有名になりすぎ、あまりにも観光客が増えて、中には気軽に行ける観光地と勘違いしている者もいて事故も増えたそうです

 苦肉の策で糠平三股林道のゲートは2009年より閉鎖され、許可をとらないと車でのアクセスは出来なくなっているらしいです(北ゲートから約4km)

 

対岸の国道273号線側に展望台が出来ているみたい

 冬なら凍った糠平湖の上を歩いて行けるかも(未確認)

 

 

NPO法人ひがし大雪アーチ橋友の会さんが会員を募集しておられるようです

 

 

 

 

アーチ橋の保存活動

北海道自然歩道・東大雪の道 全長約8km 3時間

 

 

是非もう一度訪れてみたい場所です

 

 

 

最後に代行バス当時の動画を見つけました

 

では、また

 

 

 

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