先日、カラオケでRCサクセションの「Summer Tour」を歌った。
…離ればなれ No No Baby これじゃまるで刑務所だ。
焼けつくような No No Baby
ひび割れたコンクリート 暑い夏…
職場はどれだけ不快指数が上がろうと気温が28度になるまで冷房を入れてくれない。
本当に刑務所のようだ。
冷房を入れる前にはアナウンスが流れる。
「今から冷房を入れます。地球環境を守るために、ブラインドを下げたり、窓を閉めたりしましょう。」
地球環境を守るため、と聞くたびに「うるせえ。」と言ってしまう。
ルイス・サッカーの「Sideways Stories from WAYSIDE SCHOOL」を読み終わった。
今日は、その中の一節を訳してみようと思う。
不快指数が今まで以上に上がることは間違いないけれど、この童話の不思議なテイストを味わってもらいたい。
14節 サミー
恐ろしくひどい雨の日だった。楽しくわくわくするような雨の日もあるが、この日は違っていた。この日はひどかった。子供たちは濡れて臭いレインコートを着ていた。教室中がひどく臭っていた。
「うう。なんて臭いの。ここ。」モーレシアが言うと、みんなが笑った。でも、彼女は正しかった。
1つだけいいことがあった。クラスに新しい男の子がやって来るのだ。転入生はいつだって楽しみだ。その男の子がどんな子なのか全くわからない場合を除いては。彼は、完全にレインコートに覆われていた。
「皆さん」ジュール先生が言った。「皆さんにサミーを紹介します。彼に私達がどんなに素晴らしいクラスなのかを見せてあげましょう。」
レスリーが立ち上がってサミーに近寄ると微笑んだ。でも、彼女の微笑みはすぐにしかめっ面に変わった。
「サミー。あなた、臭いわ。」
「レスリー!私達のクラスに初めて来たお友達に、そんなあいさつはないでしょう。」ジュール先生はレスリーを叱ると、黒板の「規律」の文字の下に「レスリー」と彼女の名前を書いた(次に悪いことをすると、名前を丸で囲まれる。さらに悪いことをすると、隣の幼稚園のバスで、家に帰らされてしまう。)。
「でも、彼は本当に臭いわ。先生、すごく臭い。」とレスリーは言った。
「おまえはブスだ。」サミーが答えた。
「サミー。そんなこと言ってはダメよ。レスリーはとってもかわいいわ。」とジュール先生は言った。
「レスリーはブスだ。」サミーは言った。
アリソンが「サミー、君はすごく臭いし、それにたぶん不細工だよ。でもその臭い古いレインコートの下に隠れているから誰も君が見えないんだ。」と言った。
「ねえ、サミー。どうしてコートを脱いでコート掛けに掛けないの?私達に、あなたがどれだけ素敵なのか見せてちょうだい。」ジュール先生が言った。
「見せたくないよ。このおしゃべり女。」サミーは言った。
「見せたくないのは、不細工だからでしょ。」レスリーが言った。
「サミーは本当にハンサムよ。」ジュール先生は言った。「少し内気なだけなの。私に手伝わさせてちょうだい。」ジュール先生はサミーのコートを脱がした。でも、サミーはコートの下に、別のコートを着ていた。最初のコートより、ずっと汚く、ずっと臭いコートだった。
彼の顔はまだ見えなかった。
「うう。前よりもっと臭いよ。」モーレシアが言った。
「おまえだって、バラのようないい香りはしてない。」サミーが答えた。
ジュール先生はサミーの2枚目のコートも脱がした。でも、彼はその下にも別のコートを着ていた。臭いもひどくなり、ジュール先生は新鮮な空気を吸うために、窓まで走っていって、顔を外に突きださなければならなかった。
「おまえたちは皆、ブタの固まりだ!」サミーは叫んだ。「汚れて腐ったブタだ!」
サミーのレインコートの臭いは教室に充満していた。サミーはまだレインコートの下に隠れたままだった。
ジュール先生はサミーの名前を「規律」の文字の下に書いた。
「彼を幼稚園のバスに乗せて家に帰しちゃってよ。」ジョイが言った。
「僕と一緒なんていやだよ。」トッドが言った。
ジュール先生は鼻をつまむとサミーのレインコートを脱がした。彼女はそれを窓から外に投げ捨てた。しかし、サミーはまだ別のコートを着ていた。
サミーは怒って言った。「へい、この年寄りのおしゃべり女、どこにおまえが、俺のすてきな服を捨てたのか、よく見ておけよ!」
ジュール先生は黒板のサミーの名前の横にチェックを入れた。それから、彼女はもう一枚、レインコートを脱がすと窓から放り投げた。臭いはますますひどくなり、サミーはまだ別のレインコートを着ていた。
サミーは笑い出した。彼のひどい笑い声は、彼のひどい声よりずっと悪かった。
サミーが最初に教室に現れたとき、彼は120センチほどだった。しかし、ジュール先生が6枚目のレインコートを脱がせたとき、彼はたった90センチほどになっていた。そして、彼はまだレインコートを着ていた。
ジュール先生は彼の名前を丸で囲み、もう一枚のコートを脱がして、窓から放り捨てた。それから、先生は丸の周りに三角をつけて、もう一枚、コートを外に投げ捨てた。先生はサミーがたった45センチになるまで服を捨て続けた。先生がコートを投げ捨てるたびに、サミーの笑い声は大きくなり、臭いもますますひどくなった。
子供たちのなかには両手で耳をふさいでいる者もいた。他の子供たちは片手で耳をふさぎ、もう一つの手で鼻をつまんでいた。笑い声と臭いとどちらがひどいのかは、なんとも言えなかった。
サミーは笑うのをやめると「へい、この年寄りのおしゃべり女、もし、おまえがこれ以上コートを脱がして、窓から投げ捨てたら、俺はおまえの頭を噛み切ってやる。」と言った。
「私の教室に置いておくには、コートが臭すぎるの。」ジュール先生は言った。「帰るときに拾って帰ればいいでしょ。」
「おまえの臭いよりはましだ!ブタ頭!」サミーは叫んだ。
ジュール先生はもう止まらなかった。サミーのコートを次々に脱がしていった。サミーの身長は12センチになり、9センチになり、6センチになった。そしてついに、ジュール先生は最後のコートを脱がした。
そこには死んだネズミが一匹いるだけだった。
「私は、教室に死んだネズミを持ち込むことを許しません。」ジュール先生は言った。彼女はネズミのしっぽをつまみ上げると、投げ捨てた。
ジュール先生は教室に死んだネズミを持ち込むことを許さなかった。トッドが一度「見せて、話す」のために死んだネズミを持ち込んだが、先生は彼にもそれを捨てたさせたのだった。
「サミーが僕たちの教室に入るのが許されなくて、嬉しいよ。」ロンディが言った。「僕はあまり彼のこと好きじゃなかったから。」
「そうね。」ジュール先生が言った。「私達、別の1匹を捕まえたってことね。」
死んだネズミはいつもジュール先生の教室に忍び込もうとする。
今回は彼女が9月から捕まえた3匹目だった。